🔴【第1話から読む】「家に呼んでいい?」小1息子の“お友達”→一目見て抱いた違和感の正体|常識知らずな親子
ゆかこが担任の先生に伝えたおかげで、ついに息子の友達・ともやくんの家に支援が入ることに。ネグレクト傾向だったともやくんの母親は、どんな変化をするのでしょうか。
息子の友達の、見違えるような変化
その出来事があってから、しばらくして、こうたとともやくんが、また雨の日に我が家へ遊びに来ることになりました。私は、少し緊張しながら2人を迎え入れました。すると、玄関先で、ともやくんは立ち止まり、はっきりと、大きな声で言ったのです。
「お邪魔します!」
驚いている私に、ともやくんが「これママから」と包みを渡してくれました。中にはバウムクーヘンが入っていて、さらにともやくんは「これもママから」と封筒を渡してきました。まさかのお手紙に驚き、かなり緊張しながら封をあけると、中にはこう書いてありました。
「先日はすみません。これからもともやと仲良くしていただけたら嬉しいです。いつもありがとうございます」
「ママね、お手紙になんて書いたらいいかって先生に電話で聞いてたよ」
「そうなんだ…」
私はその言葉に驚きながらも、心が温かくなるのを感じました。
そして、リビングに入っても、以前のようにソファに飛び乗ろうとする気配は全くなく、こうたが持ってきたボードゲームを、静かに床に広げて遊び始めました。しかも、ちゃんときれいな靴下を履いていました。
「ともやくん、その靴下いいね」
私がそう褒めると、ともやくんは、パッと顔を上げ、以前よりも明るく誇らしげな笑顔で答えてくれました。
「学校で、お友達のおうちでは靴下をはきましょうって。ママにお願いしたら買ってくれたんだ!」
彼の嬉しそうな様子を見て、私はとてもうれしくなりました。
「よその家だから」と放置しない勇気
ともやくんの家の問題は、一朝一夕で解決するような簡単なことではないでしょう。しかし、学校という「しかるべき場所」が介入したことや、ともやくんの母親が本当はきちんと子育てしたいと考えていたことで、いい方向に動けているように思います。
私は「よその家のことだから」と問題を放置せず、勇気を出して先生に相談して、本当に良かったと痛感しました。平凡な主婦である私にできることは、たかが知れています。しかし、ちょっとした勇気が、1人の子どもの生活環境を、そして、その家庭を、少しずつではありますが、良い方向へと導くきっかけになるのだと知りました。
これからも私にできることは、ともやくんとこうたの友情を見守ること。息子の大切な友達が元気に成長できるように「友達のママ」として、できることを着実にやっていきたいと思います。
あとがき:親身に見守る人がいる良さ
非常識な行動は目立っていたともやくん親子でしたが、根は素直な親子なのかもしれませんね。学校や行政からの助言をしっかり聞き、行動を改善できている様子に安心します。
ゆかこさんが思うように、気になる家庭を放置せず、親身な気持ちで向き合う人がいることはすてきなことです。今後もともやくんとこうたくんが、良い友達として成長していけるといいですね。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
イラスト:きさらぎ










