🔴【第1話から読む】「金を盗んだだろう!」祖母から【泥棒疑い】→父も私を信用せず|お年玉を盗んだ犯人扱いされた話
祖母宅を訪問後「箪笥の3万を盗んだだろ」と祖母からあらぬ疑惑をかけられた美鈴。父に祖母の認知症の可能性を伝えますが、何やら不穏な様子で…。
現実を認めない父の対応
父親に、祖母が認知症になりかけている可能性について話したが、なかなか取り合ってもらえない。なんとか穏やかに聞いてほしくて、つとめて冷静に話をしてみる。
「おばあちゃんがそうって話じゃないけど、物盗られ妄想っていう症状があるんだよ。おばあちゃんも歳は歳だし、検査してみたらと思って…」
友人たちの間でも、自分の祖父母や曾祖父母が認知症になったという話題はよく出る。認知力の低下が引き起こすトラブル。テレビやニュースでもよく取り扱われる題材だ。しかし、この可能性は父にとってショックなのか、受け止めてもらえない。興奮した様子で否定された。
「お前、ばあちゃんの話を妄想だっていうのか?とんでもない孫だな!」
「そんなことないよ。私はただ…」
「いいからお前はさっさと謝って、3万円を返しなさい!正直に言えばいいんだから!」
そこで一方的に通話を切られてしまう。現実を見ず、私を疑うばかりの父に、心底がっかりした。
母に相談をした
困った私はすぐに母に相談することに。ファミレスで母と落ち合い、詳細を説明した。
「そう、お父さんにも困ったものね」
ため息をついた母は、私を信じてくれたようだ。母は昔から、意地悪な祖母の被害者だった。きつい口調や、陰湿な嫌がらせ。幼い私は母の味方をしたけれど、父は祖母の言い分を鵜呑みにして、母ばかりを責めることが多かった。
「お父さんが私を疑うのはもういいけど、おばあちゃんが心配。本当に認知症ならやばいよ?」
「美鈴は優しいわね」
ふんわりと笑った母は長年、祖母と父を上手にいなしている。
「2人とうまく話をしておくわ」と言う母との昼食を済ませると、その日は別れた。
母の立て替えにモヤモヤ
後日、スマホに母から報告メッセージが届く。
「おばあちゃんもお父さんも強情だから、3万円は私が立て替えて渡しておいた。美鈴はもう気にしないで。認知症の件は今度、お父さんに内緒で専門窓口に相談しようと思うから」
文面を見て私の眉間にしわが入った。
「どうしてお母さんが立て替えちゃうの」
関係ない母が出すのなら、私が立て替えればよかった?でも、実際盗んでいない3万円も払うなんて、どう考えてもおかしい。それに息子である父が祖母の騒動をただ鵜呑みにしてみているだけなのは変だ。
(やっぱりお父さんと、もう1度話をしよう)
余計な波を立ててしまうかもしれなかったが、納得いかない私はそう決意した。
🔴【続きを読む】納得いかず父と直接対決→聞こえた会話に「まさかこの事件って…」|お年玉を盗んだ犯人扱いされた話#3
あとがき:認知症を家族は受け入れ難いもの
祖母の認知症の可能性をかたくなに認めない父。家族の認知症を認めるステップとしては、最初に混乱や戸惑いがあり、その次に怒りや拒絶などに移ります。美鈴の父はもしかしたら、現在拒絶のステージにいるのかもしれません。
しかし娘ばかり責めて、妻に立て替えさせるのはいかがなものでしょうか。父のやり方に納得できない美鈴の心情も、当然のように思います。父との話し合いを決意しましたが、はたしてうまくいくのでしょうか。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています。










