🔴【第1話から読む】「金を盗んだだろう!」祖母から【泥棒疑い】→父も私を信用せず|お年玉を盗んだ犯人扱いされた話
悪質な家庭内での金銭的詐欺。昔から亭主関白で嫁いびりを見逃す父との熟年離婚を、母は決意します。美鈴は支えようと、同居を提案しました。
離婚と慰謝料請求に踏み出した母
決意した母の行動は早かった。すぐに弁護士に相談し、民事訴訟への準備を行う。今回の件で、父と祖母に対して不当利得返還請求、また精神的苦痛を感じたという理由で慰謝料請求も起こす。そう、母は重い鉄槌を彼らに下すことにしたのだ。
相談した弁護士は優秀で、盗られたお金は無事に返されたうえ、30万円の慰謝料を請求し、支払いを約束させた。すべてを終えた母は穏やかに言う。
「実際、お金はいらないのよ。今後一切関わらないでもらえるならね」
離婚による財産分与を済ませた後、母は私たちの家に引っ越してきた。2歳の娘は祖母と一緒に住めることを素直に喜び、私もうれしく思う。夫もまた、母の手料理が好みだったようで夕食がますます楽しみになったそうだ。
家族を欺いていた父と祖母の末路
一方の父は、離婚後に家を手放し、祖母宅で同居を始めた。料理もろくに作れない父は母親の世話になろうとしたのでしょうが、祖母はもう86歳。世話をする側ではなく、される側。
ある日突然、父が母に連絡を入れてきた。
「母さんが本当にボケたらしい。今は俺を泥棒扱いしてる。なあ、どうすればいいと思う?」
祖母は認知症を発症したらしい。隣でスマホの会話を聞いた私は、優しい母が手を差し伸べてしまうのではないかと心配した。しかし、母は冷静だった。
「役所に相談してみたら、いろいろ教えてくれるんじゃないかしら?私はもうあなたやお母さんの家族ではないから、よくわからないわね」
「お前、そんなこと言ったって妻だろうよ」
「“元”ね。今は他人でしょ?」
きっぱりと言った母は、積年の恨みをぶつける。
「あなたが蒔いた種だと思いますよ。私への嫁いびりに加担して、お金までだまし取ったんですもんね」
「すまない。心から反省してるから…」
「あなたの言葉は信用できません」
母は電話を切るとすぐに着信拒否を設定し、父が連絡を取れないようにした。
信頼関係が家族の絆を作る
家族は信頼関係がなくては継続できない。夫婦ならばなおさらで、血のつながりがない両者を結ぶのは「お互いを思いやる優しさ」だ。父は母に甘えるばかりで、自分が信頼されるようなことを何もしなかった。だから熟年になって困っても助けてもらえないのだ―――。
そして母は今、私たち家族と新たな信頼関係を作り上げている。支え合いによる家族の絆だ。
「ミノルさんお帰りなさい、大根の煮物作っておいたわよ」
「お義母さん、ありがとうございます。それ大好きなんです」
「ミユも~!」
夫と娘にすっかり懐かれた母と一緒に、毎日楽しく暮らしている。両親が見せた家庭内の信頼と因果の物語を見て、私もこれから家族と信頼関係を築けるよう、頑張ろうと思う。
あとがき:因果応報の結末と、これからの学び
因果応報…そんな言葉がしっくりくる今回の顛末は、美鈴にとって「家族のあるべき姿」をあらためて考える機会になったようです。父と祖母からの泥棒扱いという濡れ衣から始まった出来事はショッキングでしたが、母を長年の地獄から抜け出せられたのはよかったと言えますね。
家族だからこそ、甘えすぎずに過ごさないと信頼は得られません。それに気づけた美鈴たち家族もまた、同じ轍を踏むことはないでしょう。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています。










