Ⓒママリ
ママ友・しおりとの育児の価値観の違いに悩むはなこ。それもそのはず…しおりの育児は、とんでもないゆるゆる育児だったのです。
よその子なのに、気になってしまう
秋の柔らかな日差しが子育て支援センターの窓から差し込んでいたあの日、私としおりさんは出会いました。
初めての育児に戸惑い、孤独を感じていた私にとって、同い年の子供を持つしおりさんは、砂漠で見つけたオアシスのような存在でした。
それから数年、私とはなこ、そして彼女の息子のしんじくんは、家族ぐるみで週末を過ごすほどの仲になりました。
しかし、子どもたちが幼稚園に上がり、自我が強くなるにつれて、私たちの間に流れる空気は少しずつ、しかし確実に歪み始めていきました。
ある週末、私たちは新しくできた大型の雑貨店へ出かけました。
色鮮やかなぬいぐるみが並ぶコーナーに差し掛かった時のことです。
「わあ、ぬいぐるみだ!」
しんじくんが、売り物の大きなクマのぬいぐるみに飛びつきました。それだけなら微笑ましい光景ですが、彼は次から次へと棚からぬいぐるみを引きずり下ろし、自分の顔や口に擦り付けるようにして何個も抱え込みました。
「しんじくん、それはお店の商品だから、優しく触ろうね」
私が思わず声をかけると、隣にいたしおりさんは、スマホをいじりながら「しんじは本当にぬいぐるみが好きなんだから」と笑っているだけでした。
しんじくんのヨダレがついているかもしれないぬいぐるみが、再び売り場に戻されるのを見て、私は言いようのない不快感を覚えました。
また別の日、公園で遊んでいた時のことです。
四歳になった私の娘、はるかが滑り台の順番を待って並んでいました。自分なりにルールを守ろうとするはるかの後ろから、しんじくんが猛スピードで走ってきて、当然のように割り込みをして滑り出しました。
「しんじくん、はるかが先に並んでいたんだよ。順番を守ろうね」
はるかは困ったような顔をして私を見上げました。しかし、しおりさんはやはり注意しません。
手洗い場で並んでいる時も、砂場で道具を使っている時も、しんじくんの「割り込み」は日常茶飯事でした。
しおりさんはそれを見て見ぬふりをするか、あるいは「元気があっていいわね」というスタンスを崩しませんでした。
やりたい放題の「他人の家の子」
私にとって最も衝撃的だったのは、私がまだ赤ちゃんの息子、はやとを連れて遊びに行った時のことです。
はやとがリビングで一生懸命ハイハイをしていた時、後ろから走ってきたしんじくんが、追い抜きざまにはやとの頭を「ポン!」と強く叩いていったのです。
はやとは驚いて火がついたように泣き出しました。
「しんじくん、叩いちゃだめ! はやとはまだ赤ちゃんよ!」
私がはやとを抱き上げると、しおりさんはのんびりとやってきてこう言いました。
「まあまあ、子どものしたことだし。しんじも、はやとくんと遊びたかっただけなんだよねー」
しんじくんを叱ることも、はやとに謝らせることもしない。その「まあまあ」という言葉が、私の心に深く冷たい楔を打ち込みました。
さらに、しんじくんの行動はエスカレートしていきました。
私のバッグの中を勝手に漁り、中に入っていたはるかのお気に入りのキャラクターの絆創膏をすべて引っ張り出して、地面に並べて見せびらかしました。
私が「やめて」と言っても「それママのバッグじゃないよー」としおりさんは呑気にコメントするだけ。
また、私がスマホの写真を彼女に見せようとすると、しんじくんが横から私の手からスマホを奪い取り、勝手にスワイプしてプライベートな写真を次々と見始めました。
「勝手に見ちゃだめだよ」
そう言って取り返そうとした私の指に、しんじくんが力いっぱい飛びついてきました。
スマホの背面に貼っていた、夫に買ってもらった大事なバンカーリングが「パキッ」と嫌な音を立てて折れてしまいました。
「あ、ごめんね。でも子どものしたことだから、許してあげて」
しおりさんのその言葉に、私は「大丈夫だよ」と、引きつった笑顔で答えるしかありませんでした。本当は腸が煮えくりかえりそうだったものの子どもの手前、声を荒らげるわけにもいかず、私は壊れたリングを握りしめ、胸の中で渦巻く黒い感情を必死に抑え込んでいました。
この時すでに、私たちの「家族ぐるみの付き合い」は、私の忍耐という細い糸一本で繋がっている状態だったのです。
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あとがき:自分の子ではないからこそ…
自分の子だけでなく、よその子にまで注意をしないといけないのはかなり胃が痛みますよね。読者の皆さんはよその家の子が粗相をしていた時はどう対応しますか?
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










