第二子妊娠中の真理は、悪阻と育児で限界の中、友人・沙織からの「マタニティハイ」なLINEに疲弊していた。過去の金銭的ルーズさや配慮のない言動が積み重なり、2週間後の出産祝いが重荷でしかなくなっていく。
友人からのメッセージに頭を悩ませる
「真理、また沙織さんからライン来てるよ」
夕食の後、スマホを覗き込んだ夫の祥吾が苦笑いしながら私に差し出しました。
画面には、ピンクのハートマークが飛び交う通知。「生まれたての天使、今日も天使すぎる!」「夫の赤ちゃんのころとほっぺが完コピなの(笑)」という言葉と共に、赤ちゃんのアップ写真と、なぜか30年以上前の義理の弟……ではなく、彼女のご主人のモノクロに近い幼少期の写真が並んでいました。
私は、4歳の息子・慎吾を寝かしつけたばかりの体で、ソファに深く沈み込みました。
「……まただ。返信、なんてしようかな」
私の名前は真理。32歳。
今は、待望の二人目を妊娠して3か月目に入ったところです。本来なら喜びに浸りたい時期ですが、現実は過酷。初期特有の猛烈な眠気と、胃の奥が常にムカムカする悪阻(つわり)に耐えながら、暴れ盛りの慎吾の相手と家事をこなす日々です。
昔から「ハイ」になりやすい友人
そんな私の平穏をかき乱すのが、昔からの友人、沙織。
彼女は悪い子じゃないんです。でも、昔から「ハイ」になりやすいというか、一度盛り上がると周りが見えなくなるタイプで。
「結婚式の時も凄かったよね……」
私は、リビングの隅にある棚を眺めました。そこには、私が1か月かけて制作したウェルカムボードの予備の画材がまだ眠っています。
「準備が死ぬほど大変!」
「真理のセンスだけが頼りなの!」
と泣きつかれ、育児の合間を縫って徹夜同然で作ったボード。かなりの画材代もかかったけれど、彼女からは「最高!ありがとう!」というライン一通きり。お礼の品どころか、材料費の精算すら立ち消えになりました。
「あの時も、お祝いしたい気持ちが空回りして、結局私が疲弊しちゃったんだよね」
「真理は優しすぎるんだよ。断るのが苦手だから」
祥吾が心配そうに私を見ます。
沙織のマタニティハイは、さらに加速します。エコー写真を送りつけ、どんな話題も最終的には「つわりで死にそう」という自分語りで締めくくられる。
友人の出産祝いに行く予定だが…
そして極めつけは、出産してわずか1か月にも満たない先月のできごと。
「車で近くまで来てるんだけど、今から行っていい?」
生後1か月にも満たない赤ちゃんを連れて、アポなしでわが家に来ようとしたのです。あの時は、さすがに焦りました。家の中は慎吾のオモチャで散らかってるし、私自身も体調が悪くてボロボロだったので。
結局、その時は「ごめん、今日は無理」と断って帰ってもらいましたが、彼女は「えー!せっかく近くまで来たのに寂しい!」と不満げなスタンプを連打してきました。
そして今、私たちは2週間後に彼女の家へ出産祝いに行く約束をしています。本来なら楽しみなはずなのに。赤ちゃんに会いたい気持ちはあるはずなのに。
今の私にとって、彼女とのやり取りは、ただただ体力を削り取る「重荷」でしかありませんでした。
「お祝い、2週間後だよね。でも彼女、なんて言ってきたの?」
祥吾の問いに、私は重い指を動かして未読のメッセージを開きました。そこには、私の予想を超える「圧」が綴られていたのです。
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あとがき:友情の「賞味期限」と「保存方法」
「お祝いしたいのに、会いたくない」……そんな矛盾した感情に自己嫌悪した経験はありませんか?相手に悪気がないからこそ、拒絶できない優しさが自分を追い詰めてしまう。特にライフステージが変わる時期は、今まで見えていなかった価値観のズレが浮き彫りになりますよね。真理が抱く溜め息は、決して彼女が冷たいからではなく、自分と家族を守るための防衛本能。まずはその違和感を否定しないことから始まります。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










