🔴【第1話から読む】「つわりで具合が悪いのに...」友人からのLINEが鳴りやまない
1か月後、適度な距離を保つことで二人の関係は安定した。沙織からの贈り物と手紙を受け取り、真理は心から彼女を友達だと思い直す。お互いのペースを尊重し合う、新しい友情の形を噛み締めながら前を向く。
その後、やり取りにも変化が
それから、1か月が経ちました。
沙織からは、宣言通り、催促のラインは一切来なくなりました。たまに、10日に一度くらい、「今日は体調どうかな?返信は不要だよ!」という短くて温かいメッセージが届くだけ。
その距離感が、今の私にはとても心地よく、返信も自分のペースでできるようになりました。
「ママ、赤ちゃん、おっきくなった?」
慎吾がおなかに耳を当てて聞いてきます。
「そうね、少しずつ大きくなってるよ。沙織ちゃんのところの赤ちゃんみたいに、元気に生まれてくるといいね」
私は笑顔で答えられるようになりました。
友人からの気遣いに改めて「友情」を感じる
結局、2週間後の予定だったお祝いは延期にしてもらいました。
沙織は「真理の体が一番!安定期に入って、お互い落ち着いたら会おう。それまで、お祝いは私が預かっておくから(笑)」と、茶目っ気たっぷりに言ってくれました。
先日、沙織から小さな荷物が届きました。
中には、私へのカフェインレスのハーブティーと、慎吾への新しい絵本、そして手紙が添えられていました。
『あの時は本当にごめんね。適切な距離感って大事だなって、夫とたくさん話したよ。真理との友情をこれからも大事にしたいから、これからはお互いの事情を尊重し合える関係でいようね』
その手紙を読んで、私はようやく心から彼女を「友達」だと思い直すことができました。
本当の友情を実感
以前のような、毎日べったりの関係ではないけれど。お互いの人生のフェーズが変わっても、形を変えながら続いていく関係。それこそが、30代からの「本当の友情」なのかもしれません。
「真理、顔色が良くなったね。もう悪阻、抜けてきた?」
仕事から帰った祥吾が、うれしそうに言いました。
「うん、少しずつね。……祥吾、あの時相談に乗ってくれてありがとう。一人で抱え込んでたら、きっと沙織との縁を切っちゃってたと思う」
「はは、僕はただ、真理がどうしたいか聞いた形を整えただけだよ。答えは自分の中にあったんだから」
私は、窓の外の柔らかな夕焼けを眺めました。沙織との距離感。自分自身の体。家族との時間。どれも、自分が大切に扱わなければ、簡単にれてしまうものばかり。
「……よし。今度は私から、お礼のラインしてみようかな」
私はスマホを手に取りました。でも、急ぐ必要はありません。私のペースで、私たちの距離で。
『沙織、お茶届いたよ。ありがとう。美味しくいただくね。体調が安定したら、またゆっくり会いましょう。楽しみにしてるよ。』
送信ボタンを押した指先は、以前よりもずっと軽やかでした。空は晴れ渡り、私の心も、おなかの中の命も、穏やかな春の風に包まれているようでした。
🔴【第1話から読む】「つわりで具合が悪いのに...」友人からのLINEが鳴りやまない
あとがき:30代からの「アップデート」された友情
毎日連絡を取り合い、すべてを共有することだけが友情ではありません。環境や体調に合わせて、形を変えながら続いていくのが「大人の親友」のあり方。真理が感じた「軽やかな指先」は、無理をして相手に合わせていた鎧を脱ぎ捨てた証です。皆さんの周りにも、少し距離が近すぎて苦しい人はいませんか?この物語が、あなたの心地よい距離感を見つけるための一助になれば幸いです。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










