🔴【第1話から読む】男手ひとつで育ててくれた父。誕生日を祝いたいのに夫が非協力的で...
無事父の家に到着し、楽しいひとときを過ごす由真と子ども達。しかし夫はやはりどこか自分勝手で…。
父と孫の温かな再会
父の家に着くと、玄関先まで父が迎えに出てくれました。
「おお、よく来たな。優希、将希、ちょっと見ないうちに大きくなったなぁ!」
「じいじ、おたんじょうびおめでとう!」
優希が元気よく挨拶すると、父の顔がパッと華やぎました。
将希も「じーじ!」とたどたどしく呼びかけ、父の足元に抱きつきます。
「拓也くんも、仕事が忙しいのにありがとうな。君の顔を見ると安心するよ」
「いえ、お義父さん、おめでとうございます」
拓也は愛想笑いを浮かべて応えましたが、靴を脱いで上がるとすぐに、リビングの一番いい場所にあるソファを陣取りました。まるで自分の家かのように寛ぎ、テレビのリモコンを手に取るその姿に、私はわずかな苛立ちを覚えました。
私はキッチンに立ち、夕食の下ごしらえを始めました。父の好物である煮物や、子供たちが喜ぶ唐揚げ。包丁の音がトントントンと心地よく響きます。
父は嬉しそうに、孫たちの学校や保育園の話を聞いていました。
一段落して時間が余ったので、私はリビングへ戻り、泊まりなのもあり持ってきた宿題を広げている優希の隣に座りました。
「優希、この計算カード、一緒にやろうか」
「うん!じいじにカッコいいとこ見せるんだ!」
しばらく学習を見守っていましたが、さっきまで大人しかった将希が、退屈したのかぐずり始めました。父がなだめようとしてくれましたが、一歳児の体力は凄まじく、父も少し疲れが見え始めていました。
「ままー、おんも!おんもいくー! じーじ、いこー!」
「あー、ごめんね将希。今、優希のお勉強見てるから……。お父さんも少し休んでいて」
私はソファでスマホをいじり、漫画でも読んでいるのか時折笑い声さえ漏らしている拓也を振り返りました。
「ねえ、拓也。今私、優希のこと見てるから、あなたが将希を外に連れて行ってあげて。お父さんが遊び道具として置いてくれている三輪車があるでしょう?少し庭で遊ばせてあげてよ」
自分勝手な夫、父の怒り
拓也は画面を見たまま、顔も上げずに答えました。
「あとで。今、これキリ悪いから。あと五分くらい待てよ」
「『あとで』って、将希は今行きたいって言ってるのよ。子どもの五分は長いの。少しでいいからお願い」
「うるさいな、わかったって言ってるだろ。仕事で疲れてんのに、なんで義実家に来てまで命令されなきゃいけないんだよ」
拓也の返事は投げやりで、一向に動こうとする気配がありません。
私は、これまで溜まっていた感情が、ふつふつと湧き上がるのを止められませんでした。 いつもそうです。彼は自分のタイミングが最優先で、育児も家事も、私の負担なんてこれっぽっちも考えていない。父の家に来てまでも、彼は「客」でいようとするのです。
「……あんたって、いつもそうだよね。自分のことばっかり。ここがどこだか分かってる? お父さんの家なのよ。お祝いに来たんでしょう?」
つい、トゲのある言葉が口から漏れてしまいました。 その瞬間、拓也の顔色が変わりました。
彼はスマホをソファに叩きつけるように置くと、立ち上がって私を睨みつけました。その瞳には、子どもたちの前で見せるべきではない険しい光が宿っていました。
「なんだよ、その言い草は。俺だって毎日毎日、やりたくもない仕事して疲れてるんだよ!たまの休みくらいゆっくりさせろよ!お前は近所に親がいて、甘えられていいよな!」
「甘えてる? 私は家事も育児も一人でやってるじゃない!あなたは逃げてばかりでしょう!」
「あー、もういい。聞きたくない。せっかくの休日が台無しだ。俺、もう一人で帰るわ」
拓也はそう吐き捨てると、クローゼットから自分の上着をひったくりました。
「ちょっと、待ってよ!今日はお父さんの誕生日なのよ?そんな勝手な……優希たちがどれだけ楽しみにしてたと思ってるの!」
私が制止するのも聞かず、拓也は玄関に向かおうとしました。
その時でした。
「いい加減にしろ!」
雷が落ちたような怒鳴り声が、家の中に響き渡りました。声の主は、今まで黙って私たちの様子を伺っていた、温厚な父でした。その声の大きさは、家全体を震わせるほどでした。
あとがき:ついに父、怒る
やはり自分勝手な振る舞いは、父の家でもかわりませんでしたね。
しかし父は、娘が結婚してからずっとこんな夫に耐えてきたのでしょうか。やはり良い人すぎますね…。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










