🔴【第1話から読む】DV夫の支配から逃れたい!夫からの搾取の始まり
結婚前に聞いていた貯金額が嘘だったと知るも、働きに出ることすら夫のせいでままならない美鈴。そんな彼女が選んだ「内緒のお仕事」とは…。
貯金のことまですべて嘘、嘘、嘘
とりあえず生活を立て直そうと、私は家計の管理を真剣に見直すことにしました。
結婚前、龍也さんは「貯金は500万円あるから、しばらくは専業主婦でいいよ。美鈴には苦労させたくないんだ」と胸を張っていました。
しかし、生活を始めてみるとなぜか常に金銭的な余裕がありません。
そもそも龍也が渡してくれる一ヶ月の生活費は五万円もなく、まずそこに驚きました。
その金額内でのスーパーでの買い物ですら、数百円の誤差を厳しく追求される日々。不審に思った私は、ある夜、思い切って通帳を見せてほしいと頼みました。
すると、彼はあからさまに不機嫌になり、舌打ちをしてついに衝撃の事実を吐き捨てました。
「あの金は、俺の親のものだ。俺の口座に入っていたわけじゃない。別に誰の金でも【貯金】は【貯金】だ、嘘はついていない。実際の俺の貯金? ……一万円もねえよ。それが何だって言うんだ? お前は俺を金で選んだのか? そんなに金が欲しいなら、俺をもっと気持ちよくさせてみろよ。そしたら小遣いくらいはくれてやってもいいけど」
あまりにも身勝手で幼稚な言い訳に、私は眩暈がしました。信頼していた土台がガラガラと崩れ落ちる音が聞こえた気がしました。結婚前の言葉はすべて、私を釣り上げるための餌に過ぎなかったのです。実際の生活は火の車で、急な冠婚葬祭や家電の故障があれば即座に破綻するような、綱渡りの状態でした。
私は「少しでも家計を助けるために、パートに出たい」と彼に懇願しました。
ところが、彼はそれをも許しませんでした。
「外で働くのはいいが、条件がある。家事が疎かになるのは絶対に許さない。床に髪の毛一本落ちていても、夕食の品数が一品減っても、それはお前の怠慢だ。仕事から帰ってきた俺を完璧に持て成す自信があるなら働け。できないなら、黙って俺の言う通りにしていろ。お前みたいな無能を雇ってくれる場所なんて、たかが知れてるだろうが」
それは、事実上の就労禁止命令でした。
掃除も料理も、彼が満足するまで何度もやり直させられる日々。少しでも埃を見つければ、「お前は俺の稼ぎを食い潰している寄生虫のくせに、掃除すらまともにできないのか」と罵倒されます。私は、家という名の檻の中に閉じ込められ、精神的に追い詰められていきました。社会との接点を絶たれ、手元に一円の自由も持てない。その状況は、私をさらに彼への依存へと追い込んでいきました。
魅惑のお仕事
そんなある夜、彼が寝静まった後にスマホを握りしめ、暗い部屋で「在宅 高収入 主婦」というキーワードを検索していました。そこで見つけたのが、メールレディの仕事でした。
「これなら、家事の合間に、彼にバレずに稼げるかもしれない。せめて自分のお金だけでも確保できれば……」
私は「ミスズ」という源氏名で登録しました。
内容は、専用のサイトを通じて男性とメールで疑似恋愛のようなやり取りをするというものです。最初は罪悪感がありました。
けれど、相手の男性たちは、龍也とは正反対に私を「一人の女性」として丁寧に扱ってくれました。
「ミスズさんの言葉に癒やされます」
「今日もお疲れ様」
画面越しに届くそんな言葉に、乾ききっていた私の心は皮肉にも潤っていきました。性的、過激な要求は上手くかわしながら、私は必死にスマホを叩きました。
一週間ほど経ち、管理画面の報酬額は一万円を超えていました。自分で稼いだ一万円。それは、龍也の支配から自立するための、小さな、けれど確かな武器のように感じられました。
例えそれが疑似的なものであっても、社会と繋がり、自分の言葉が価値を持つという感覚は、私にとって唯一の救いでした。
「これで、彼に内緒で少しずつ貯金を作って、いつかはこの家を出る準備ができるかもしれない」
そんな小さな希望を抱いたのも束の間、地獄の蓋が再び開こうとしていたのです。
あとがき:これが一歩前進になれば…
夫よりもメール先の男性たちの方が優しいというのは、なんとも皮肉ですね。
このままうまく準備が進めばいいのですが…こういう時、どことなく展開が不安になるのは気のせいでしょうか?
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










