2人の子どもを育てる。ワーキングマザーの佳子。独身時代からの親友・凛子親子を自宅の焼肉に招待する。たのしい時間を過ごすが、お開きの際に材料費として「3,000円」を請求した瞬間、凛子の表情がこおりつき…。
少しずつ狂っていった歯車
私は佳子(32歳)、2人の子どもを育てるフルタイムのワーキングマザー。
夫の宏大は33歳、長男の律斗は5歳、長女の美沙は3歳。毎日が戦場のようなさわがしさだが、それなりにしあわせな日々をおくっている。
でも最近、どうしても消化しきれないできごとがある。
(30歳を過ぎてからの友人付き合いって、なんてむずかしいんだろう)
そう痛感させられた、ある「おわり」のできごとだ…。
相手は、独身時代からの友人・凛子。彼女とは20代のころ、趣味のあつまりで意気投合した。おたがい結婚し、彼女にも2歳になる娘の佐那ちゃんがいた。
「佳子、最近どう? 育児、大変じゃない?」
「凛子こそ。佐那ちゃん、イヤイヤ期に突入したって言ってたもんね」
月一回はLINEをし、数か月に一度は子連れで会う。私にとっては、気をゆるせる数少ない「ママ友」であり「親友」だと思っていた。
でも、今思えば、少しずつ歯車はくるっていたのかもしれない。
わが家で焼肉をすることにしたが
彼女はいつも「佳子の家、ひろくていいよね」「ご主人、協力的でうらやましい」と口にしていた。
私はそれを単なる謙遜やほめ言葉だと思って、「そんなことないよ、毎日必死だよ」と笑って返していた。
ある週末、わが家で焼肉をすることになった。
「外食だと子どもたちがさわぐし、ゆっくりできないでしょ? うちで焼肉しない?」
私が提案すると、凛子は「わあ、うれしい! お言葉にあまえちゃうね」と快諾してくれた。
当日、私は朝からスーパーへはしり、子どもたちも食べやすいやわらかいお肉や野菜、飲み物を大量に買い込んだ。総額で8,000円ほど。
「おじゃましまーす! 佐那、ごあいさつは?」
凛子親子がやってきて、たのしい時間がはじまった。子どもたちははしゃぎ、私たちはひさしぶりの再会に花を咲かせていた。
「やっぱり家はラクだね。佳子、準備ありがとう!」
「いいのよ、みんなで食べた方がおいしいしね」
友人の表情の変化
本当にたのしいひとときだった。でも、お開きの時間がちかづいたころ、私は「そういえば」と、かるい気持ちで切り出した。
「今日の材料費なんだけど、全部で8,000円くらいだったの。うちは人数もおおいし食べるから、凛子のところは3,000円でいいかな?」
その瞬間、凛子の表情が一瞬だけピクッとうごいたのを、みのがさなかった。
「…あ、わかった。3,000円ね」
彼女はサイフから千円札を3枚出し、テーブルにおいた。その後は普通にふるまって帰っていったが、背中を見おくった時、何とも言えない胸のざわつきを感じたのだ。
これが、長くつづいた友情が崩壊する、最初のドミノだったとは知らずに。
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あとがき:デリケートな"金銭問題”
仲が良いからこそ、お金の話は切り出しにくいものですよね。佳子さんは「外食より安く済むし、準備も場所も提供しているから」と、むしろ良かれと思って安価な会費を提示しました。しかし、凛子さんの反応は予想外のものでした。
「招かれた=無料」という思い込みと、「実費は折半」という常識のズレ。このささいな違和感が、のちに修復不可能なレベルまでふくれ上がっていくことに…。皆さんは、この「3,000円」をどう感じますか?
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










