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🔴【第1話から読む】公園で消えた娘の「シール帳」親友親子の"不自然な沈黙"が意味するものとは…
ななかの家で発見されたシール帳は、ボロボロに破壊されていた。ななかとリナは互いに責任を転嫁し合うが、千里は毅然とした態度で2人を諭し…。
もう一人の友だちの家に向かう
ななかちゃんの家のチャイムをならすと、ななかちゃんのママがのんびりとした様子で出てきました。
「あら〜?みんなでどうしたの?」
背後には、キョトンとした顔のななかちゃんが立っています。
私はリナちゃんが言ったことをそのまま伝えました。
「ななかちゃん。シール帳を持って帰るのを見たって、リナちゃんが言ってるんだけど…心当たりはないかな?」
ななかちゃんのママは、鼻で笑うように言いました。
「え〜まさか! ななかがそんなことするはずないじゃない。なにかと思ったら…もう〜。ねえ、ななか?」
ようやく見つかったシール帳
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しかし、ななかちゃんは、リナちゃんと目が合った瞬間、顔が引きつりました。
「……だって、リナちゃんが!"かわいいから、もらっちゃおうよ"って言ったんだもん。だから私が持って帰って、リナちゃんにシールをあげたんだもん!」
ななかちゃんの口から出たのは、リナちゃんへの責任転嫁でした。
「はあ?ななか! あんた何を……」
ななかちゃんのママの声がうら返ります。
「シール帳はどこ?」
私のしずかな問いに、ななかちゃんは泣きじゃくりながら、子ども部屋から一冊のノートを持ってきました。
……それは、見るも無残な姿でした。
かわいかった表紙ははがされ、中のシール台紙はほとんど引きちぎられています。
みちるが大切にしていたシールたちは、雑にはがされたあとが残り、粘着力がなくなったものは、ゴミのようにまるまっていました。
「……ひどい」
ななかちゃんのママも、その光景に言葉をうしなっていました。
単なる「借りた」とか「拾った」というレベルではありません。それは、みちるの宝物を徹底的に破壊する行為でした。
子どもたちに向けて、「やってはいけないこと」を伝える
その夜、三家庭が集まって、話し合いの場を持ちました。
みちるは雅也にあずけ、大人と当事者の子ども2人での対話です。
「2人とも…よく聞いてね」
私は冷静に2人を見つめました。
「お店のものを盗むのがいけないことだって、知ってるよね? それと同じで、お友だちのもの、みちるの宝物を勝手に持っていくことも、絶対にいけないことなの。みちるがどれだけ泣いたか…これを見てどう思うか、考えたことはある?」
バラバラになったシール帳を前に、リナとななかは顔をふせ、声を上げて泣き始めました。
「ごめんなさい……」
「みちるちゃんに…ごめんなさい……」
彼女たちの親からも、しぼり出すような謝罪がありました。
法的手段? 警察? 一瞬、そんな言葉が頭をよぎりましたが、目の前でふるえる6歳児と、ショックでうなだれる親たちを見て、私は深呼吸をしました。
「……みちるは、今でも2人のことが大好きです。だから、私はこのことを学校に言いふらしたり、大ごとにするつもりはありません」
2人のママがハッと顔を上げました。
「その代わり…中に入っていたシールの時価、そして、このシール帳の代金は、きっちり弁償していただきます。そして、二度とこんなことをしないと、お子さんと約束してください」
それは、親としての…そして、かつての友人としての、私が提示できる精一杯の解決策でした。
🔴【続きを読む】「善悪」の境界線とあたらしいシール帳を手に笑う娘から、大人たちが教わったこと
あとがき:壊されたのは「物」ではなく「心」だった
変わり果てたシール帳の姿に、言葉をうしなった方も多いのではないでしょうか。丁寧に貼られた思い出を、力まかせにはがし、やぶり捨てる…。その行為に込められたおさない悪意は、シールの代金以上におもいものです。
ここで、感情的にどなるのではなく、しずかに「いけないこと」を説いた千里の強さは、親としての理想の姿かもしれません。ゆるすことと、なあなあに済ませることはちがう。その境界線を、私たちは突きつけられます。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










