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再会のはずが…ドアを開けられなかった私|夫が家出した話

夫が家を出てから数日。突然届いた離婚届と、「一緒にはいられない」という言葉に揺れる日々を過ごしていました。そんなある日、突然インターホンに映ったのは、家を出たはずの夫の姿でした。会いたい気持ちと、恐怖の間で揺れる私。しかし、その選択が新たな後悔を生みます。さらに後日、夫からの思いがけない行動に心を揺さぶられながらも、突きつけられる現実は変わらなくて...。「夫が家出した話」第三話をごらんください。

🔴【第1話から読む】夫が突然家出…届いたのは離婚届でした

夫婦喧嘩をきっかけに家を出た恒一は、離婚届を残し「一緒にはいられない」と里奈に告げる。突然の出来事に戸惑う中、数日後、里奈のもとに思いがけない出来事が起きて...。

目の前に現れた夫と、開けられないドア

インターホン amana images

インターホンが鳴ったのは、日が落ちた夕方のことだった。

「……誰だろう」

悠斗とリビングで過ごしていた私は、何気なく立ち上がる。
けれど、モニターを見た瞬間、体が固まった。
そこに映っていたのは、恒一だった。

「……え……」

心臓が、ドクンと大きく鳴る。
数日ぶりに見る夫の姿。
変わらないはずなのに、どこか遠く感じてしまう。

インターホンが、もう一度鳴る。
指先が、震えていた。

ドアの前まで行く。
でも、鍵に手をかけたまま、動けない。

「このままだと、手を出してしまうかもしれない」

あのメッセージの言葉が、頭の中でよみがえる。

(……開けて、大丈夫なの?)

自分でもわからなかった。
会いたい気持ちはある。話もしたい。
でも同時に、怖いと思ってしまっている自分がいる。
こんなふうに思ってしまうこと自体が、ひどく悲しかった。

しばらくすると、インターホンは鳴らなくなった。
そっとモニターを見ると、恒一はもうそこにはいなかった。
私は、その場にへたり込んだ。

(……私、何やってるの……)

会えたはずなのに。
話せたかもしれないのに。
私は自ら、その機会を手放してしまった。

届いた優しさと変わらない現実

紙袋 PIXTA

それから数日後。
買い物から帰ってきた私は、玄関の前で足を止めた。

「……これ……」

ドアの横に、紙袋が置かれていた。
中を覗くと、私が欲しかったヘアアイロンに悠斗が欲しがっていたおもちゃが入っていた。
その瞬間、思わず息が詰まる。どちらも欲しがっていたことを知っていたのは、たった1人しか思い浮かばなかったからだ。

「……恒一……?」

直接会うことはなくても、こうして来ていたんだ。
気づかなかっただけで、何度か来ていたのかもしれない。

胸の奥が、じんわりと熱くなる。
まだ、家族のことを考えてくれている。
そう思えたことが、少しだけ嬉しかった。

すぐにスマホを取り出す。

《ありがとう。家の前の紙袋、恒一だよね?》
《悠斗、喜ぶと思う。私も覚えててくれて嬉しかった》
《この前は来てくれたのに、出なくてごめん。また、ちゃんと話せないかな?》

送信ボタンを押したあと、私は画面を見つめたまま、しばらく待った。
数分後、返信が届く。

《受け取ってくれてよかった。ボーナス入ったから》
《でも、離婚の気持ちは変わらない》

その一文を見た瞬間、胸がぎゅっと締めつけられる。

「……なんで……」

思わず声が漏れた。

消えない想いと深まる戸惑い

困惑 スマホ PIXTA

家族のことを想ってくれているのは、伝わってくる。悠斗のことも、ちゃんと気にかけてくれている。
それなのに、どうしてそこまでして、離婚にこだわるのか。
私にはまだ、夫の心がわからなかった。

スマホを握りしめたまま、私はしばらく動けなかった。
優しさと、拒絶が、同時に突きつけられているようだった。

会いに来てくれたこと。
プレゼントを置いていってくれたこと。
そのひとつひとつが、まだ繋がっている証のように思えてしまう。

でも、その先は、決して踏み込ませてくれない。

「……そんなの、ずるいよ……」

ぽつりと、言葉がこぼれた。

期待してしまう。
まだやり直せるんじゃないかって。
でもそのたびに、「離婚」という言葉で突き放される。
私はどう受け止めればいいのか、わからなかった。

夜、悠斗が寝たあと。
ひとりでリビングに座りながら、私は何度もメッセージのやり取りを見返していた。

恒一は、何を考えているのだろう。
私たちのことを想ってくれているのは、確かだと思う。
でも同時に、もう一緒にはいられないとも言い切る。
その矛盾が、どうしても理解できなかった。

「……どうしたらいいの……」

答えは、どこにもない。
ただ、不安と悲しみだけが、静かに積もっていく。
気づけば、目の奥がじんわりと熱くなっていた。
それでも、私はまだ、諦めきれずにいた。

🔴【続きを読む】「あの一言」が引き金だった。夫婦のすれ違いの正体|夫が家出した話

あとがき:優しさと拒絶のあいだで

会いに来てくれたのに、ドアを開けられなかった。
その後悔と、残された優しさ。

今回のエピソードでは、「まだ繋がっている」と感じさせる行動と、「それでも一緒にはいられない」という強い拒絶が同時に描かれています。

人の気持ちは、単純ではありません。
大切だからこそ離れる選択をすることもあれば、想っているからこそ距離を取ることもある。

だからこそ、受け取る側は混乱し、期待し、そして傷ついてしまうのかもしれません。

この先、ふたりがどんな選択をしていくのか。
その揺らぎを、丁寧に追っていきます。

※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています。

🔴【全話読む】夫が家出した話

🔴【今読まれています】ワンオペで間違いなく1番つらいこと…|すべてが嫌になって家出した話

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