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いじめの加害者は自分の息子!「まさか、うちの子が?」|息子がいじめる側になった話

「いじめられていたはずの我が子が、いつの間にか“いじめる側”になっていたら」そんな想像もしていなかった現実に直面した母・真帆。児童館で告げられたのは、息子・悠真が他の子に対して強い言葉を使い、無視する様子があったという事実だった。戸惑いながら帰宅した真帆は、悠真に話を聞くことに。そこで明かされたのは、ある同級生の存在と、思いもよらない理由だった。「息子がいじめる側になった話」第一話をごらんください。

🔴【全話読む】息子がいじめる側になった話

児童館で館長の森下から、息子・悠真が他の子に強い言い方をしていたと告げられた真帆。さらに無視する様子も見られたと聞き、動揺を隠せない。帰宅後、悠真に事実を確認すると、あっさりと認めたうえで、ある“理由”を口にする。

「気になる様子があって…」突然の呼び止め

先生 親 PIXTA

「高瀬さん、少しよろしいですか?」

児童館の玄関で悠真を迎えた帰り際、館長の森下さんに声をかけられた。

「はい……?」

少しだけ柔らかい口調だったけれど、その表情にはどこか気遣うような色が浮かんでいて、胸の奥がざわつく。
悠真はすでに靴を履き終えていて、外に出たそうにそわそわしている。

「悠真、ちょっとだけ待っててね」

そう声をかけてから、私は森下さんの方へ向き直った。

「今日、少し気になる様子があって……」

その一言で、嫌な予感がはっきりと形になる。

「悠真くんが、他の子に少し強い言い方をしていて」

「強い言い方……ですか?」

思わず聞き返す。
森下さんは、慎重に言葉を選びながら続けた。

「遊びの中でのやり取りではあるのですが……少しきつい口調で注意したり、言い方が強くなってしまっている場面がありました」

頭の中で、言葉がうまく整理できない。
あの悠真が?
誰かに、そんなふうに?

「家では、そういう様子は……」

そこまで言いかけて森下さんは言葉を止め、私の返答を待った。
けれど私は、家で見ている悠真しか知らない。
耳を疑うような今回の話に、私は動揺を隠せずにいた。

「それだけではなくて……」

森下さんは少しだけ声のトーンを落とし、また話し始めた。

「他の子を無視するような場面も見られていて……」

「……無視、ですか?」

胸の奥が、ぎゅっと締めつけられる。

関わっていたのは、あの子だった

児童館 PIXTA

「はい。特定のお子さんに対して、というわけではないのですが……ただ、その中で一緒に行動しているお子さんがいて」

一拍置いてから、名前が出た。

「翔くんなんですけど……」

「……翔くん……?」

思わず、目を瞬かせる。
その名前には、聞き覚えがあった。
悠真と同じクラスの子。以前、少しトラブルがあったと聞いたこともある。

「2人で一緒にいる時間が多くて、その中で強い言い方が重なってしまっているように見えて……」

森下さんはあくまで穏やかに伝えてくれている。
責めているわけではない。
それでも、その内容は軽く受け止められるものではなかった。

「……そう、だったんですね」

なんとかそれだけ返す。

頭の中が、ぐるぐると回っている。
どうして?
いつから?
どうして私は、それに気づけなかったんだろう。

帰り道、悠真はいつもと変わらず話しかけてくる。

「ねえママ、今日ね...」

楽しそうに話すその声を聞きながら、さっきの話が頭から離れない。

(この子が、本当に……?)

信じたくない気持ちと、向き合わなければいけない現実が、せめぎ合う。

「だって、翔くんもやってたし」

母 困る PIXTA

家に着いて、荷物を置いた。
少しだけ間を置いてから、私は悠真に声をかけた。

「ねえ、悠真」

「なに〜?」

振り向いた顔は、いつもと同じ。
だからこそ、余計に言葉を選ぶ。

「今日……児童館で、お友だちに強い言い方しちゃったの?」

できるだけ穏やかに、問いかける。
すると悠真は、少しも迷うことなく答えた。

「うん、言った」

あまりにもあっさりした返事に、言葉を失う。

「……そっか。どんなこと言ったの?」

「えーとね、『それ違うし』とか、『ちゃんとやってよ』とか」

悪びれる様子もなく、思い出しながら話している。
その様子に、胸の奥がざわつく。

「それで……どうして、そういう言い方になっちゃったの?」

そう聞くと、悠真は少しだけ首を傾げてから

「だって、翔くんもやってたし」

そう答えた。

「……え?」

思わず、聞き返してしまう。

「翔くんもさ、同じこと言ってたよ? だから言った」

当たり前のことのように、悠馬はそう答える。
その言葉に、息が詰まる。

翔くんの名前が出てきたこと。
そして、その行動を“基準”にしていること。

「みんな、そういうふうに言ってるし」

続けて出てきた言葉に、何も言えなくなる。
それは、本当に“みんな”なのだろうか。

「……そっか」

なんとか、それだけ返すのが精一杯だった。

頭の中が真っ白になる。
どうしていいのか、わからない。

ただひとつだけ、はっきりと感じていた。
(このままじゃ、いけない。)

でも、何をどう伝えればいいのか。
その答えは、まだ見つからなかった。

🔴【続きを読む】「仲良くなったはずなのに」消えた不安と、増えていった違和感|息子がいじめる側になった話

あとがき:気づいたとき、親はどう向き合うのか

子どもが誰かに影響を受けて変わっていくことは、決して珍しいことではありません。しかし、それが「誰かを傷つける方向」に向いてしまったとき、親としてどう向き合うべきかはとても難しい問題です。

本作では、“いじめる側になってしまう背景”にある子どもの心理や葛藤にも目を向けながら、単純な善悪では片付けられない現実を描いていきます。

真帆と悠真が、この問題にどう向き合っていくのか、ぜひ見守っていただければ幸いです。

※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています。

🔴【全話読む】息子がいじめる側になった話

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