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親の離婚で離別、学生時代に再会→良い関係だった【姉妹】がこじれてしまった理由

主人公・結衣は、夫と3歳の息子・蒼と穏やかに暮らしています。ですが現在、姉との関係に悩んでいます。姉・香織には5歳の息子・蓮くんがいます。蒼と蓮くんはいとこ同士ですが、タイプが違うふたりは仲良く遊ぶのが難しい様子。ある日、新築に姉親子を招いたときのこと。蓮くんは縦横無尽に家の中を走り回り、結衣の注意を聞きません。ほんの一瞬、目を離したすきにキッチンマットを破かれてしまいました。さらに…。『姉の子育てがおかしい』をダイジェスト版でごらんください。

【全話読む】姉の子育てがおかしい

「うるさい!」

蓮くんが、蒼の手を強く払った。

「いたっ」

蒼が尻もちをつく。私は思わず駆け寄った。

「蒼、大丈夫?」

「うぅ……」

蒼は目を潤ませている。胸がぎゅっと痛くなった。
振り向くと、蓮くんは平然と立っていた。
そして

「蓮、ダメじゃん」

香織が言った。
でもその声は──
まるで軽い注意のようだった。

「小さい子には優しくしないと」

そう言いながら、特に怒る様子もない。
蓮くんも、悪びれた様子はなかった。

「はーい」

気のない返事。それだけだった。
私は言葉を飲み込む。

(今の……)

蒼はまだ3歳だ。
5歳の蓮くんに突き飛ばされたら、危ない。
それに、キッチンマットだって破れてしまった。
でも──

「まあまあ」

香織は笑って言う。

「子どもなんて、こんなもんでしょ?」

まるで、何事もなかったかのように。
私は蒼を抱き上げながら、小さくうなずくしかなかった。 ※1

実の姉にモヤモヤが募る

いくら姉の子どもとはいえ、やっていいこと・悪いことがあります。勝手にキッチンに入り、モノを壊した挙句、蒼くんを突き飛ばしたのです。軽い注意しかしない姉に、モヤモヤしてしまいます…。

結衣と香織には、少し複雑な事情があります。

姉妹の出会い

姉の存在を知ったのは、高校1年の春だった。
ある日の夕方。リビングでテレビを見ていると、母が言った。

「結衣、ちょっと話があるの」

いつもより少し真剣な声だった。

「なに?」

私は何気なく聞き返した。
すると母は少し迷うようにしてから言った。

「あなたには……お姉ちゃんがいるの」

「……え?」

意味が分からなかった。

「お姉ちゃん?」

私は思わず聞き返す。

「うん」

母は静かにうなずいた。

「香織っていうの」

頭の中が真っ白になる。

「どういうこと?」

私は困惑しながら聞いた。すると母は、ゆっくり話し始めた。
両親が離婚したこと。そのとき、姉は父の方に引き取られたこと。そして、私は母と一緒に暮らしてきたこと。

「……」

私は言葉を失った。
そんな話、今まで一度も聞いたことがなかった。

「どうして今まで言わなかったの?」

「ごめんね」

母は小さく言った。

「あなたが小さい頃は、混乱すると思って」

そう言われても、すぐには納得できない。
だって──

「急にお姉ちゃん、って言われても……」

実感なんて湧かない。

そのときだった。母が言った。

「もし結衣がよければ」

「……?」

「香織に会ってみる?」

私は少し考えた。
そして──

「会ってみたい」

気づけば、そう答えていた。 ※2

幼いころ、両親が離婚し、姉妹別々に過ごしてきたためお互いの存在を知りませんでした。高校生になり、明かされた生い立ち。困惑しましたが、素直な気持ちで「会いたい」と感じ、再会を果たします。

その後、ぎこちないものの、会う回数や連絡を取り合うことが増え「少し年の離れた友だち」のような関係を築きます。ところが、お互いに結婚し子どもが生まれたころから、ギクシャクし始めたのです…。

【姉視点】妹と比較されているようでツラい

でも、結衣に蒼が生まれてから、何かが変わり始めた。
親戚の集まりでも、よく言われる。

「蒼くん、いい子だね」

「ちゃんと挨拶できるのね」

「結衣ちゃんの育て方がいいのね」

そんな言葉を聞くたび、胸の奥がざわついた。

ある年の正月。
親戚が集まる席でのことだった。

「蓮くん、これ」

叔母がお年玉を差し出す。
すると蓮は──

「ちょうだい!」

そう言って、袋を乱暴に引っ張った。

「あっ」

叔母が少し驚く。

「蓮」

私は軽く注意した。

「ちゃんと“ありがとう”って言いなさい」

でも蓮は気にしていない。袋を振って笑っている。
そのときだった。

「蓮くん」

結衣がやさしく言った。

「お年玉はね」

しゃがんで目線を合わせる。

「ありがとうって言ってからもらうと、もっと嬉しいと思うよ」

穏やかな声だった。責めているわけでもない。
でも親戚たちは、その様子を見て言った。

「結衣ちゃん、しっかりしてるわね」

「いいお母さんだね」

私は黙っていた。
その横で、蒼が叔母に向かって言った。

「ありがとう」

小さく頭を下げる。
それを見た親戚たちは、感心したように言う。

「偉いねえ」

「ちゃんと挨拶できるんだ」

「結衣ちゃん、育て方が上手ね」

その空気を、私ははっきり感じていた。

(まただ)

胸の奥がざわつく。
誰も私を責めているわけじゃない。
でもまるで、比べられているみたいだった。

(なんなの)

私は心の中でつぶやく。

(そんなに立派なの?)

蒼はいい子。結衣はいい母親。
そんな空気。

それじゃあ──
私は?
蓮は?
胸の奥に、黒い感情が広がっていく。

結衣は何も悪くない。分かっている。
でも──
親戚の視線も、空気も、言葉も。
全部が、私を追い詰めてくる気がした。

私はふと、結衣の方を見る。穏やかな顔で蒼を見ている。
その姿がなぜか、ひどく眩しく見えた。
そして同時に、胸の奥で、はっきりとした感情が形になる。
──悔しい。
──なんで、あの子ばっかり。
その瞬間、私は初めて妹に対して、はっきりとした嫉妬を抱いていた。 ※3

親せきなど、周囲の視線や言葉というのは、残酷ですね。発言をした本人には、悪気がありませんが、ささいな一言が子育て中のママを追い詰めてしまうものです。

親は、子どもを通して「いい親」「悪い親」のレッテルを貼られているような気がするもの。本来であれば、子どもは子ども、親は親、です。ですが、子育てで敏感になっている時期は、他人の言動がひどく気になるものです。

姉の嫉妬心が原因で、姉妹には溝ができてしまいました。妹は、歩み寄ろうと話をしますが、姉は拒絶。結局、相容れない姉妹は、距離を置くことに決めます。姉妹でも、価値観は違うもの。お互いのために、必要以上に関わらないことも、必要ですね。

※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています

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引用元一覧

  • ※1 ママリ「姉の子がキッチンで「ビリッ…」→新築に招いて露わになる“しつけの常識”の違い|姉の子育てがおかしい」(https://mamari.jp/78665,2026年5月20日最終閲覧)
  • ※2 ママリ「高校生まで知らなかった「姉の存在」→複雑な出会いと接近から、違和感を抱えるまで|姉の子育てがおかしい」(https://mamari.jp/78666,2026年5月20日最終閲覧)
  • ※3 ママリ「母に育てられた妹、父についた私→年月が経って感じる【劣等感と嫉妬心】|姉の子育てがおかしい」(https://mamari.jp/78667,2026年5月20日最終閲覧)

本記事は必ずしも各読者の状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて、医師その他の専門家に相談するなどご自身の責任と判断により適切に対応くださいますようお願いいたします。なお、記事内の写真・動画は編集部にて撮影したもの、または掲載許可をいただいたものです。

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