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母に育てられた妹、父についた私→年月が経って感じる【劣等感と嫉妬心】|姉の子育てがおかしい

幼い頃に両親の離婚で離れ離れになった姉妹。高校生になって初めて再会し、少しずつ距離を縮めていった2人は、穏やかな関係を築いていきます。しかし、お互いに母親になったことで、その関係に変化が生まれ始めます。親戚の何気ない一言や子どもたちの振る舞いが、姉の心に少しずつ影を落としていき……。表には見えない“姉の本音”が明らかになる。『姉の子育てがおかしい』第3話ごらんください。

🔴【第1話から読む】姉の子がキッチンで「ビリッ…」→新築に招いて露わになる“しつけの常識”の違い|姉の子育てがおかしい

高校生の頃に妹・結衣と再会し、友人のように穏やかな関係を築いていた香織。社会人になってからも交流は続いていたが、お互いに子どもが生まれてから、少しずつ心境に変化が生まれる。そんな中、親戚の集まりでの出来事をきっかけに、香織の中に抑えきれない感情が芽生えていく。

知らなかった“妹”の存在

秘密  PIXTA

両親が離婚したとき、私はまだ2歳だった。当然、そのときの記憶はほとんど残っていない。気がついたときには、父と2人で暮らしていた。
母のことを思い出すことも、ほとんどない。ただ──

「香織はお父さんと暮らすことになる」

あとから父に聞いたその言葉だけが、ぼんやりとした事実として残っている。
それが、私にとっての“家族の形”だった。

高校3年生の春。
父から突然言われた言葉に、私は驚いた。

「香織、お前には妹がいる」

「……え?」

思わず聞き返した。

「妹?」

「結衣っていう」

父は静かに言った。
母が再婚したわけではない。私が母と別れたあと、母のもとで育った娘。
つまり──

「本当の妹だよ」

頭の中が、うまく整理できなかった。

「……今まで、なんで言わなかったの?」

そう聞くと、父は困ったように言った。

「お前を混乱させたくなかった」

その言葉に、納得したわけじゃない。
でも不思議と、嫌な気持ちはなかった。
むしろ──

「会ってみたい」

そんな気持ちの方が大きかった。

妹との穏やかな関係

姉妹 買い物 amana images

それからしばらくして、私は初めて妹と会った。
カフェの窓際の席。
そこに座っていた女の子が、立ち上がる。

「……香織さん?」

少し緊張した顔だった。
その姿を見て、私は思った。

(かわいい)

小柄で、柔らかい雰囲気。
私とは全然違うタイプだった。

「“さん”は、いらないよ」

私は笑って言った。

「お姉ちゃんって呼んで」

その日から、私たちは時々会うようになった。
結衣は、どこか不思議な子だった。穏やかで、優しくて、聞き上手。私が話すと、いつも楽しそうに笑う。

「それでね!」

「うん!」

そんなやり取りをしていると、なんだか気持ちが軽くなる。
妹というより、年下の友達みたいだった。

大学に進学してからも、社会人になってからも、私たちはたまに会っていた。
特に大きな喧嘩もない、穏やかな関係。

でも、その関係が変わり始めたのは、子どもが生まれてからだった。
先に母親になったのは、私だった。
蓮が生まれたとき、結衣はすごく喜んでくれた。

「かわいい……」

そう言って、何度も抱っこしていた。その姿を見て、私は少し誇らしかった。

比較される母としての自分

孤独 PIXTA

でも、結衣に蒼が生まれてから、何かが変わり始めた。
親戚の集まりでも、よく言われる。

「蒼くん、いい子だね」

「ちゃんと挨拶できるのね」

「結衣ちゃんの育て方がいいのね」

そんな言葉を聞くたび、胸の奥がざわついた。

ある年の正月。
親戚が集まる席でのことだった。

「蓮くん、これ」

叔母がお年玉を差し出す。
すると蓮は──

「ちょうだい!」

そう言って、袋を乱暴に引っ張った。

「あっ」

叔母が少し驚く。

「蓮」

私は軽く注意した。

「ちゃんと“ありがとう”って言いなさい」

でも蓮は気にしていない。袋を振って笑っている。
そのときだった。

「蓮くん」

結衣がやさしく言った。

「お年玉はね」

しゃがんで目線を合わせる。

「ありがとうって言ってからもらうと、もっと嬉しいと思うよ」

穏やかな声だった。責めているわけでもない。
でも親戚たちは、その様子を見て言った。

「結衣ちゃん、しっかりしてるわね」

「いいお母さんだね」

私は黙っていた。
その横で、蒼が叔母に向かって言った。

「ありがとう」

小さく頭を下げる。
それを見た親戚たちは、感心したように言う。

「偉いねえ」

「ちゃんと挨拶できるんだ」

「結衣ちゃん、育て方が上手ね」

その空気を、私ははっきり感じていた。

(まただ)

胸の奥がざわつく。
誰も私を責めているわけじゃない。
でもまるで、比べられているみたいだった。

(なんなの)

私は心の中でつぶやく。

(そんなに立派なの?)

蒼はいい子。結衣はいい母親。
そんな空気。

それじゃあ──
私は?
蓮は?
胸の奥に、黒い感情が広がっていく。

結衣は何も悪くない。分かっている。
でも──
親戚の視線も、空気も、言葉も。
全部が、私を追い詰めてくる気がした。

私はふと、結衣の方を見る。穏やかな顔で蒼を見ている。
その姿がなぜか、ひどく眩しく見えた。
そして同時に、胸の奥で、はっきりとした感情が形になる。
──悔しい。
──なんで、あの子ばっかり。
その瞬間、私は初めて妹に対して、はっきりとした嫉妬を抱いていた。

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あとがき:見えなかった姉の本音

姉・香織の視点から描かれた第3話では、これまで見えなかった“感情の背景”が明らかになりました。何気ない親戚の言葉や子どもの振る舞いが、知らず知らずのうちに人を追い詰めてしまうことがあります。誰かと比べられる苦しさ、認められないもどかしさ──それは決して特別な感情ではありません。次回は再び結衣視点へ。すれ違いが深まっていく姉妹の関係に、どのような変化が訪れるのか、ぜひ続けてごらんください。

※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています。

🔴【全話読む】姉の子育てがおかしい

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