4日前の夜…。 ささいな価値観のズレから始まった言いあらそいは、瞬く間に大げんかに発展した。
「お前がそうやって煽るからだろ!」
「煽るようなことをしてるのは、修平の方じゃない!」
感情が沸点を超えた瞬間、おたがいに手が出てしまった。
もみ合いになり、物がこわれる音…そして、充の泣き声。気づいた時には、近隣からの通報で、警察が玄関先に立っていた。
パトカーの赤い灯が、夜の住宅街をぶきみに照らす中、私たちは別々のパトカーにのせられた。
「奥さん…ケガはないですか? 少しおちついてお話ししましょう」
警察官のやさしい声が、かえって私の心をナイフのように抉る。
「……すみません。ごめいわくをおかけして」
警察官に付き添われ、私は実家へ。修平は、そのまま署で事情聴取をうけることになった。 ※1
パトカーに連行された夜
お互いに手が出てしまい、夫婦げんかで通報されてしまいました。夫婦それぞれ、別の場所で過ごし、頭を冷やします。
そして、2人が出した答えは「再構築」。幼い息子・充の笑顔を守るため、もう一度家族として歩みたいと決めたのです。そのことを電話で話していると、義母の声が飛んできました…。
夫婦の再構築を阻む壁
「修平!聞こえてるわよ。やり直すなんて…。離婚しなさい!それ以外に道はないわ」
電話の向こうで、義母の声がつめたくひびいた。修平を介して、伝えられた義実家の意向…。あまりにも一方的で、血の通わないものだった。
「母さん!俺たちは今、話し合って……」
修平が食い下がっても、義父が電話をうばい取ってどなりちらす。
「だまれ! また手を出せば、お前が犯罪者になる可能性もあるんだぞ!私たちが、犯罪者の家族として世間から見られるんだぞ!」
義家族が心配しているのは、息子のしあわせでも、孫の将来でもなく…自分たちの「世間体」だけだった。
「充のことはあきらめなさい。親権は友梨佳さんにわたして、お前はお金だけ払って離婚するんだ。それがいちばん、傷があさく済む方法だ」
その言葉を聞いた瞬間、私の心の中で何かが弾けた。
(お金で解決? 子どもをあきらめる? …それが親の言うこと?) ※2
夫の両親が、再構築を反対する理由は、あまりにも自分本位な考えからでした。息子の幸せや孫の将来よりも、自分たちの「世間体」が大事な義両親。これでは、納得できません。
一方、友梨佳の母は「暴力を振るったことは、許されないこと」と、厳しい言葉をかけつつも、「最後に決めるのは2人」と、温かい言葉もかけてくれたのです。母の愛情深さに、友梨佳は涙しながら、再構築を誓います。
義両親が反対する、最大の理由
私がある申し出をしたことが、義実家の怒りにふれたのではないかと推測していた。
今回、私は「被害届」こそ出さなかった。だが、「次に夫が手を出したり、通報が入ったりしたら逮捕してほしい」という旨を警察に伝えていたのだ。
それを知った義実家は、パニックになったのだろう。
「そんな爆弾を抱えたまま、結婚生活をつづけるなんて! 万が一、逮捕されたらどうするんだ!」
彼らにとって、息子(修平)が暴力をふるわないように努力することよりも、逮捕されるリスクを排除すること(=離婚)の方が重要だったのだ。 ※3
結局は、自分たちの世間体と生活が、いちばん大切な夫の両親。夫には、同情してしまいます…。
たしかに、警察沙汰のけんか騒ぎを起こしてしまったのは、よくないことでした。ですがそれは、本人たちがいちばんわかっていて、反省しています。そして何より、大切な幼い息子のために、「再構築」といういばらの道を歩もうとしているのです。
ひとりの親として、子どもが選んだ道は尊重し、支えてあげたいものですね。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










