災害発生時の避難方法とは?
災害はいつも突然に起きるものです。そんな時こそ冷静になって、自分たちの命を守らなければなりません。とっさの判断を間違わないように、まずは正しい避難方法について知識を深めておきましょう。
洪水が起きた場合の避難方法
洪水が起きた場合の避難方法についてまとめました。
随時で水位を確認し、早めに避難開始を
水害での避難時は基本的に徒歩で移動します。車は使わないでください。
水位がひざくらいであれば歩けますが、ひざ上の水位となると移動は困難です。無理に移動せず、高い場所で救助を待ちましょう。
また避難のための移動は、できるだけ明るい時間に済ませてください。暗くなってからの移動は危険度があがりますので避けましょう。移動するルートとしては、なるべく河川から離れていて浸水していない場所を選んで移動してください。事前に自治体などが公開しているハザードマップで避難ルートを確認しておいた方がよいでしょう。
冠水している場所を通っての避難は避けましょう。どうしても冠水した道を通らなければならない場合は、長い棒などを使って水の中を確認しながら移動しましょう。冠水している場所は「道のようで道でない場所」があります。
たとえば側溝のふたが開いてしまい、いつもは歩ける場所が歩けず、むしろ危険を及ぼす場所になっていることもあり得ます。
道が冠水するほど雨が降っている場合、土砂くずれや陥没、マンホールのふたが外れているなど、想定外の危険性が多く潜んでいます。通い慣れた道でも油断せず慎重に歩みを進めてください。
- 一般社団法人 日本気象協会「避難の心得 水害・河川氾濫編」(https://tokusuru-bosai.jp/refuge/refuge02.html,2021年7月9日最終閲覧)
- 大阪市「河川氾濫避難」(https://www.city.osaka.lg.jp/kikikanrishitsu/cmsfiles/contents/0000300/300630/kouzuichirashi.pdf,2021年7月9日最終閲覧)
運動靴を履く
雨の時は長靴…と思いがちですが、冠水しそうなほどの雨が降っている場合は長靴を履いている方が危険なことも。
すでに冠水している場合においては、長靴は歩きにくく、中に水が入ってしまうと重くて歩けません。一時的に濡れて気持ち悪いのはありますが、雨でも避難時には紐タイプの運動靴を履くのがベターです。運動靴は紐靴で脱げないように靴紐をしっかり結ぶことをおすすめします。
- 国土交通省近畿地方整備局 猪名川河川事務所「危険水位と避難時の注意」(https://www.kkr.mlit.go.jp/inagawa/safe/prevention/attention.html,2021年7月9日最終閲覧)
お互いの体をロープなどでつなぐ
避難時は2人以上で行動します。お互いをロープでつないではぐれないようにしましょう。乳幼児連れの場合はおんぶで移動します。
荷物は最小限におさえ、リュックを活用するなど両手が自由に使える状態にしておくのがおすすめです。
- 国土交通省 関東地方整備局「洪水に備えて」(http://www.ktr.mlit.go.jp/river/bousai/river_index0001.html,2021年7月9日最終閲覧)
- 国土交通省近畿地方整備局 猪名川河川事務所「危険水位と避難時の注意」(https://www.kkr.mlit.go.jp/inagawa/safe/prevention/attention.html,2021年7月9日最終閲覧)
雷が起きた場合の避難方法
次に雷が起きた場合の避難方法についてまとめました。雷は夕立の際に起こったり、急な天候変化で発生することの多い気象現象です。
遠くでも雷の音が聞こえた場合は、できるだけ素早い行動で安全な場所に移動しましょう。
建物や車の中に避難する
屋内で雷がおさまるのを待ちましょう。外出時に雷に遭遇した場合は、鉄筋コンクリート建築、オープンカー以外の自動車、バス、列車の内部へ避難してください。
電気器具から離れる
木造建築の中も基本的には安全といえます。ただし、近くで落雷があった場合、家の電気配線を大きな電気が流れることもあります。
屋内にいる場合も家電製品や天井、壁、柱から1メートル以上は離れるようにしましょう。
安全な空間に避難できない場合は
電柱や煙突、鉄塔などの高い物体から4メートル以上離れた場所に避難してください。高い木の近くも危険です。木の全ての幹、枝、葉から2メートル以上は離れましょう。
姿勢をなるべく低くし、両足をそろえて手で耳と頭を抱えるようにします。持ち物は体より高く突き出さないように気をつけましょう。
雷が止んで20分以上経ったのを確認してから、安全な空間へ移動します。
- 気象庁「雷から身を守るには」(https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/toppuu/thunder4-3.html,2021年7月9日最終閲覧)
- 日本大気電気学会「雷から命を守るための心得」(https://www.saej.jp/publications/hint.html,2021年7月9日最終閲覧)
- 気象庁「急な大雨や雷・竜巻から身を守るために ~積乱雲が近づいてきたら・・・~」(https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/tenki_chuui/tenki_chuui_p9.html,2021年7月9日最終閲覧)
避難時の服装はどうする?
水害時の避難で「避難時は運動靴を」をご紹介しましたが、その他も避難時の服装では気をつけたいポイントがいくつかあります。
- 長袖、長ズボンなど肌ができるだけ隠せる服装
- 燃えにくい木綿素材の製品を選ぶ
- 軍手や手袋、ヘルメットや帽子でけが防止を
- 靴は底が厚めで履きなれたものを選ぶ
肌の露出を控えることや、軍手や手袋、ヘルメットや帽子を装着するのは、何よりも不要なけがをなくすため、です。台風などの場合は特に風によって何が飛んでくるかわかりません。
割れたガラス、木の枝、石など不意に何かにぶつかってもすぐにけがをしないよう、肌や頭が守れるようにしましょう。
雷や地震のときはどこで火災が起こるかもわからないので、逃げるまでに準備ができるときは、燃えにくい木綿素材の製品を選ぶように心がけて。
なお、非常用持出品は最低限の量をリュックに入れて、両手が空いた状態で移動しましょう。
- 甲府市「避難時の服装」(http://www.city.koka.lg.jp/3845.htm,2021年7月9日最終閲覧)
- 岩出市「避難時の服装」(http://www.city.iwade.lg.jp/soumu/bousai/bousai/hinan-fukusou.html,2021年7月9日最終閲覧)
- 愛知県「避難するときは安全に」(http://www.pref.aichi.jp/bousai/katei/hinan/hinan8kajou.htm,2021年7月9日最終閲覧)
子どもを連れて避難する際、必要な持ち物は?
赤ちゃんを連れて避難する際に、一般的な非常用持出品の他にあるとよいものを以下に挙げました。
あらかじめ、下記のリストを参考にしてリュックやマザーズバッグに入れておくと、緊急事態の時にサッと持ち出せますよ。
- 粉ミルク(スティックタイプやキューブタイプが便利、液体ミルクがあれば便利)
- ミルク用の飲料水
- 哺乳びん(使い捨てタイプが便利)
- 離乳食(ベビーフード)
- 離乳食用スプーン
- 紙コップ
- 子ども用のおやつ
- 子ども用の薬
- 紙おむつ
- おしりふき
- 着替え
- タオル
- 名札
- 抱っこひも・おんぶひも
- 子ども用の歯ブラシ(歯が生えている場合)
- 子ども用の靴(歩ける場合)
- 抱っこひも・おんぶひも
- おもちゃ・絵本
絵本やおもちゃがあると、避難所での赤ちゃんのストレスを軽減できます。また、母子手帳やお薬手帳、保険証、診察券は必ず携帯しましょう。
避難するまでの準備時間はたっぷりあるわけではありません。母子手帳や保険証は普段からすぐに取り出せる場所に置いておくようにしましょう。
- 秦野市「乳児・幼児家庭の防災」(http://city.hadano.kanagawa.jp/www/contents/1490600402722/simple/nyuuouji.pdf,2021年7月9日最終閲覧)
- 昭島市「妊婦さんや赤ちゃん用の災害時の備え」(http://www.city.akishima.lg.jp/s0495/010/010/080/20170213092844.html,2021年7月9日最終閲覧)
- 所沢市「第4回「子育てファミリーの防災対策~備えあれば憂いなし~」」(https://www.city.tokorozawa.saitama.jp/kosodatekyouiku/kosodate/column/bousai201703.html,2021年7月9日最終閲覧)
防災グッズはいつでも持ち出せる場所に置きましょう!
飲料水や非常食などを入れたリュックやマザーズバッグは、すぐに持ち出せる場所に置きましょう。また、外出中に災害が起きることもありますので、車のトランクにも防災グッズを常備しましょう。
自治体によっては公式サイトで、住んでいる家周辺のハザードマップの閲覧ができます。緊急事態に備えて事前に確認をしておくと安心です。災害が起きたらあわてずに深呼吸を。正しい判断をして、自分たちの身を守り、ケガを未然に防ぎましょう。