「日本死ね」のブログをきっかけに母のあり方が議論になっています。
メディアでも大きく報道され国会でも議論されるに至った「日本死ね」のブログ。待機児童問題がどれほど今の日本にとって深刻な問題か、幅広い世代が認知するきっかけになりました。
その一方で待機児童が生まれるきっかけとなる「母が働くこと」に対しても現在議論を呼んでいます。
待機児童を解消するために保育園を増やすという現在の方針に対して、「そうではなく、女性は専業主婦になればいいんだ」という声も聞こえてくるようになりました。
専業主婦になればいい?
ネット上ではこんな声も上がっています。
母親がしっかり家で育児すべき
待機児童が多いことに対して保育園を増やすのではなく、子供が小さいうちは母親が家で保育すればいいと言う意見も存在します。
女性の就業を禁止に
そもそも女性が就労するという選択肢は無くせばいいと言う意見も。専業主婦が増えればその分保育園は必要なくなるのだという意見です。
働きたいのは女性のわがまま?
働きたいとする女性に対して「わがままだ」という声も上がっています。
待機児童は「見通しの甘さ」?
女性が働かないと家計が成り立たないのに、子供を作った自分たちに責任があるのだという意見もあります。
ローンや自分たちの生活レベルの維持のために働くのは甘いとしています。
片親の収入で子供を育てられる社会に
母親が待機児童のせいで働けない状況を改善するのではなく、そもそも片親の収入で生活できるようにすべきという意見もあります。
母親が働きたいと考えるのは個人のわがままであるという考えをもつユーザーもいるようです。
デモに参加する暇があれば家で育てろ
国会前のデモに参加した母親に向けられた意見です。デモに子供を連れてくるなら家で育てればいい。女性が働いて生活を維持するのは「見栄」だとしていますが、そうなのでしょうか。
専業主婦と兼業主婦の溝
専業主婦をすすめる声や将来は専業主婦になりたいという声の中には「楽したいから」専業主婦になりたいという声や、「楽なのだから」専業主婦でいいじゃないかという声も聞かれます。
働く女性側からも「早く専業主婦になって楽をしたい」という声も。こうした専業主婦に対する「楽をしている」というイメージがあることに対し、専業主婦たちは辛い思いをしているようです。
また、専業主婦側からも兼業主婦(ワーママ)に対して「子供を家でひとりで見るのが辛いんでしょう」「経済的に辛いからなんて嘘」という声も聞かれます。
専業主婦と兼業主婦(ワーママ)は、同じ母親であることに変わりはないのですが、今回の待機児童問題の議論の裏で、ついお互いの環境を比べてしまう部分もあるようです。
専業主婦の育児環境
まずは専業主婦側の育児環境についてTwitter上の声からご紹介します。
睡眠時間が取れない。。。
専業主婦の場合、夜泣き対応はママの仕事になることが大半ですし、育児を仕事としているのだからとパパを頼らないママも多いです。結果睡眠不足が続いてしまうこともあります。
乳幼児のいる専業主婦は1日中休みなし、仕事の終わりがないのがつらいですよね。
365日休みなし
365日休みなく毎日家事をしなくてはいけない専業主婦。「これが仕事」だと思うと妥協もできずに完璧にこなそうと疲れてしまいます。
専業主婦は1日中子供の世話をしながら家事をこなし、自分の時間なんてほとんどない中、自由に使えるお金も兼業主婦とは違うケースが多いです。
一方で時間には融通が利く面も
一方で、外に出て仕事をしていないため、子供の体調不良で会社を休むことはありませんし、休暇の心配はありません。
平日の習い事やおでかけ等、家事や育児の時間にある程度融通が利く面もありますね。
兼業主婦の育児環境
次に兼業主婦側の育児環境についてTwitter上の声からご紹介します。
子供の発熱で早退・・・
子供の母親としての責任と社会人としての責任を両方抱える辛さは、心と体に堪えますよね。
協力者がいないと毎日バタバタ。。。
家事と育児をしながら仕事もするためには、1日24時間をフルに使わなくては成り立たず、朝からバタバタしてしまいます。
疲れて帰った後も座れずにバタバタ。協力者がいない核家族のワーママは相当に忙しい日常を送っています。
朝から晩まで仕事をし、家庭では家事育児。二足のわらじを履きこなし時間が全くない中で毎日を駆け回っています。
一方で育児から離れた「自分」でいられる時間がある面も
一方で、仕事の昼休みには子供なしでランチを食べることができますし、仕事の合間にコーヒーを飲むことや同僚とのおしゃべりをする時間も多少ながら存在します。
多少は自由に使えるお金がある場合もあります。
「どちらが楽」という議論では解決しない
専業主婦と兼業主婦では生活のパターンや環境が全く違います。
まったく環境の違う両者。どちらが楽かという議論は成立しません。人によって「私は専業主婦が向いている」「私は働きたい」という考えがわかれるものですよね。
お互い「いいなあ」と感じる場面があるのは自然なことですが、絶対的にどちらがいいと決めることはできません。
どちらになっても批判があることから「ハリネズミ」状態に...
ママ達は決してお互いを攻撃したいと思っているわけではないでしょう。しかし、こうしてママ同士がお互いの立場に対して非難をしてしまう原因は、専業、兼業どちらを選択しても批判の声が聞こえてくることだと言われています。
実際に、待機児童問題に起因する「専業主婦になればいいのに」という声も、育児世代以外のユーザーからの意見も盛んに投稿されていました。もちろんこうした幅広い世代で議論されるのは良いことですが、母としての在り方は、その母ごとに違って当然のものですよね。
何をしていても批判される...
専業・兼業を選ぶのはそれぞれの家庭の事情があってのこと。しかし、育児世代ではない人たちからは「兼業」でも「専業」でも、批判の声が聞こえてくることがあります。
こうした声に心を硬くしてしまい「ハリネズミ」になってしまったママ達が、自分と逆の立場のママに対して攻撃的になってしまう部分もあるのかもしれません。
どちらもママとしての苦労は同じ
環境という「ステージ」は違っても、育児をするママとしての苦労や子供への想いは共通するものがあります。子供にとっていいママでありたいという思いをもって、専業ママも兼業ママも、育児をしていますよね。
こうした思いがある以上、専業ママも兼業ママも、ステージ関係なくお互いの努力や苦労を認めあっていきたいものですね。
ママ達は周囲の声に飲み込まれないで
ママ達は同じ思いをもって育児を頑張っているのに、周囲の声に飲み込まれてお互いを批判してしまうのはとてももったいないことです。
ママ達がお互いに団結することで、力は何倍にもなり、待機児童や女性の問題を含め、多くの問題に対する声を大きくすることができます。
主婦VSワーママでモノを言ったら負け
幼稚園には兼業ママ、専業ママが混在することが多く、お互いの立場の面でもやもやすることも多いですよね。しかし、そのことで対立してしまっては、せっかくのママ達の力が半分になってしまいます。
「専業」「兼業」どちらでも胸を張れる社会に
専業主婦ママと兼業主婦ママ。どちらも立派な母親として、日々育児に奮闘しています。
待機児童問題で兼業ママだけが「働く女性の権利」が多く取り上げられていますが、専業ママも立派に育児や家事をこなす「働く女性」ですよね。
専業であっても兼業であっても、それぞれのステージで育児をするママで、どちらが優位でどちらが劣っているということは決してありません。
社会ではさまざまな議論がなされ、母としての在り方、女性としての社会での存在の仕方が色々語られていますが、ママ達はお互いの育児を尊重し合って、どんな声があっても胸を張って子育てをしていきたいものですね。