スマート社員ってどんなもの?
りそなホールディングスが2015年10月から、「スマート社員」と呼ばれる新たな正社員制度を開始することになり、話題になっています。
この「スマート社員」とは、原則として残業をしない正社員のこと。
育児や介護中の社員が、ライフスタイルに応じた働き方ができるように作られました。
現在、金融業界では激しい人材獲得競争が起きており、今回の制度の導入には、残業なし正社員制度を作ることで優秀な人材を確保しようという企業側の狙いがあります。
「スマート社員」には2タイプある!
りそなHDによるとスマート社員には
- 業務範囲を限定しない、残業なしの正社員
- 業務範囲を限定した、残業なしの正社員
の2種類があるそう。
「1.業務範囲を限定しない、残業なしの正社員」は管理職への昇進が可能。今まで正社員だった人が転換することが予想されています。
一方、「2.業務範囲を限定した、残業なしの正社員」は中途採用を想定。事務職で活用されると予想されます。
基本給は同じで、ボーナスは約3割減る
スマート社員の基本給は従来の正社員と同で、賞与は従来の正社員の7割程度になるといいます。
また、短時間勤務をするための条件が他の社員よりも緩められるというメリットもあります。
ネット上で批判する人がいるのはなぜ?
一見、育児や介護中の社員に寄り添った素晴らしい制度のように見えるスマート社員ですが、ネット上では批判が続出!
どんな部分が批判されているのでしょう?
「残業するのがあたりまえ!」と言っているようなもの!
「残業なし正社員」という制度を作ったことにより、残業が常態化していることを示してしまったりそなHD。
確かに、よく考えるとひどい話なのかもしれません。
残業しないとボーナスが減らされるって…どうなの?
残業が免除される代わりにボーナスが3割カットされるこの制度。
「残業をしないとボーナスがもらえない」とも解釈できます。
「残業なし」の状態が当たり前では?
本来ならば残業がないのが当たり前の状態なのに、スマート社員制度を作ることで、残業がないのが「特別」な状態になりかねない…という意見も。
スマート社員以外は残業地獄…?
スマート社員が残業しなくなった分の仕事は、スマートではない(?)他の正社員へ…
そう考えると「残業ありき」で働かなければならない非スマート社員には、過酷な環境が用意されているのかもしれません。
働き方を考えるきっかけになったことは確か…
「子育てや介護などのライフスタイルに合わせた働き方ができる」とプラスに捉える人がいる一方で、「残業が当然」といわんばかりの企業側の姿勢を問題視する意見も殺到したスマート社員。
りそなHDは「効率化により業務そのものも短縮する」とし、従来の社員の残業時間も減らす努力をしていることを強調しています。
様々な意見や批判があるスマート社員ですが、日本人の働き方を見直すきっかけになったことは確かだといえそうです。