日本のワーキングママの過酷な環境
「時間の貧困」に陥っていると言われる日本の働くママたち。
仕事と家事に追われて、日本のワーママの睡眠時間は世界的に見てもかなり短いのだそう。
さらに1日の労働時間は、家事育児も加えると13時間以上!ブラック企業並みの忙しさです。
それを裏付けるように、イー・ウーマンが2009年12月24日〜2010年1月12日に行った調査では、出産前後に退職をした理由(複数回答可)の2位が、「働く母親が仕事を続けられる職場環境・制度が無い」55.4%というものでした。
では、世の働くママたちはどんな職場環境で働きたいと思っているのでしょうか。
働くママが本当に望んでいる職場環境はこの10個!
グーグルが企画した、働く女性を応援する「Women Will | Japan」というサイトより、ワーママが職場に望むポイントをピックアップしてみました。
1.「長時間働くのがえらい!」という風潮をなくす
例えば、効率よく仕事をこなす時短勤務のワーママと、連日ダラダラと残業をしている男性社員のどちらが会社に評価されるでしょうか?
悲しいことに「長時間会社にいる人が偉い!」という空気が蔓延している職場も多いのではないでしょうか。
働くママたちは、時間に対してどれだけ成果をあげたかが評価される職場を望んでいます。
また、実際に「8時間勤務の独身女性1人」を「4時間勤務の人2人(1人は午前、1人は午後に働く)」に置き換えるなど、新しい働き方を提案する団体もあります。
2.パートでも育児休業をとりたい!
正社員が育休から復帰するのも大変ですが、子育て中のママが新たにパートに採用されるのはもっとハードルが高いことです。
「お子さん小さいんでしょ?」「もう1人生むんでしょ?」なんて質問をぶつけてくる面接官も珍しくありません。
また、法律上はパート勤務でも産休を取れますが、実際に会社が許してくれるかというとそれはまた別の話です。
「正社員と差別しないで欲しい」といった内容の声が目立ちました。
3.歓送迎会は、 夜ではなくランチにしませんか?
歓送迎会をはじめとする会社の飲み会。時間はたいてい夜ですよね?
でもママにとって夜の飲み会はハードルが高いもの。
パパに早退してもらって保育園にお迎えに行ってもらう必要がありますが、パパの会社は「妻の飲み会のための早退」を許すでしょうか?
一部の企業では、子育て中のママを考慮して歓送迎会をランチタイムに設定しているそうです。
4.出産で退職した主婦を、積極的に採用して!
出産や子育てで仕事を辞め、子供が大きくなってから働き出す方も多いですよね。
でもブランクがあると、単純作業や雑用などの仕事でしか採用されなかったり、今までのキャリアがなかったことのように扱われるケースが目立ちます。
元主婦でもやりがいのある仕事に就けるよう、過去の経験や子育て経験をプラスに捉えた採用をしてほしいですよね。
5.いっそのこと、帰社時の 「すみません」を禁止したら?
時短勤務中のみなさん、退勤するとき「すいません、お先に失礼します…」なんて言っていませんか?
時間に対してしっかり仕事をしていれば謝る必要なんてないのに。
「早く帰れていいよな」という周囲の無言の圧力を感じて、思わず謝ってしまうんですよね。
仕事をフォローしてくれる同僚には「すみません」ではなく「ありがとう」と伝え、「お先に失礼します!」と堂々と帰れる会社が理想ですよね。
6.全員16時終業にすれば、夜は家族で団らんできる
そもそも、ママだけじゃなく全社員が早く帰れる会社が理想ですよね。
子供が小さいうちだけでも16時に終業できるという決まりがあれば、みんなが家族との時間を作れ、より豊かに暮らせるのではないでしょうか?
もちろん、始業時間を早めることや、業務の効率化は必須ですが…
7.在宅勤務ができれば助かる!
とにかく時間がないワーキングママ。通勤や退勤にかかる時間すらもったいないようです。
最近ではネットなどの通信技術が発達し、在宅勤務を取り入れる会社が増えてきました。
子供が病気のとき、パートナーの転勤など、さまざまなシュチエーションで活躍しています。
また、今後急激に増えると言われている親の介護中の社員にも好評なようです。
8.会議の予定は18時までに!
「残業を減らそう!」なんで声高らかに謳っていても、18時や19時からの会議の予定をたくさん入れてくる会社…珍しい話ではありませんよね。
定時以降に会議の予定を入れるということは、出席者全員が残業をしなければならないということ。
そのあたりをよく考えてほしい!という方も多いようです。
9.小1の壁の解消!時短勤務ができる期間を延長して
働くママの味方、時短勤務。しかし、この時短勤務「3歳まで」「未就学児まで」など期間が決まっていることがほとんどです。
そのため、子供が、時短勤務ができなくなる小学校1年生になったのをきっかけに、仕事を辞めざるを得なくなるママも多いのです。
小学校1年生を、帰宅の夕方18時19時ころまでずっと1人にしておくのは心配ですよね?
そのためか、時短勤務ができる期間を延長してほしいという意見が目立ちました。
10.ママが働くのなら、パパを家に帰してほしい!
今、安倍政権は国を挙げて「女性の社会進出」に取り組んでいます。
しかし、ママの活躍を促すならパパの帰宅を早めてほしい!これがワーママの本音です。ママばかりに負担がかかってしまうのは納得がいきませんよね。
男性の家庭進出がなければ、女性の社会進出なんてスーパーウーマンしかできません。
男性の育休取得が注目されはじめましたが、それよりもずっと大切なのはパパが確実に定時で帰れるような風土作りではないでしょうか。
スーパーウーマンじゃなくても、ワーキングママになれる世の中に
あなたがもし今、子育てに理解のない職場環境で悩んでいるなら、事態を改善するためにとれる行動は…
①理解のある会社に転職する、フリーランスになる
②社内のワーママと結束して組織を変えていく
の二つしかありません。仕事と子育てをしながらこれをするのは、どちらも相当な覚悟とエネルギーが必要です。
けれど世の中そんなタフな女性ばかりではありませんよね…
今回挙げた10個の事例のうちのいくつかは、一部の企業ですでに導入されています。
もどかしいほどの遅さではありますが、少しずつワーママに理解のある社会が作られているのかもしれません。