ひらがな練習はいつから?教え始めの目安とは
近年では、小学校入学前には70%以上の子供がひらがなを書けるようになっているといわれています。こういった現状を踏まえると、小学生になってひらがなを読んだり書いたりすることができないと、授業についていけないのではないかと心配になるものです。
周りのお友達から「ひらがなが読めるようになった」「書けるようになったよ」と聞くと、ついつい親の方が「ひらがなを教えなくては」と焦ってしまいます。しかし、ひらがなを教えるのに一番大切なのは子供本人がひらがなに興味を持った時なのです。
この時期は、子供によってさまざまです。自分の子供の様子をよく見て、子供がひらがなに興味を持った時にタイミングよく教えられるように環境を整えておきましょう。
2歳
2歳頃の子供は、自我が芽生え始め自分でやりたいことや興味がどんどん増えてくる時期です。この時期には、まだ語彙も少ないので、ひらがなを教えるというよりたくさんの言葉をかけてあげるようにしましょう。
多くの言葉を聞き、単語や文を覚えることがひらがなの読み書きの土台作りになります。
3歳
3歳頃になると、言葉も随分発達してきます。絵本やポスターなどに使われているひらがなを読むことができる子供も増えてきます。
興味を持つきっかけになるように、ひらがなを自然に学べるようなおもちゃやひらがなのポスターなどをお家の中に取り入れてみるのもいいでしょう。絵本の読み聞かせもおすすめです。
この時期は、ひらがなを無理に教え込むというよりも子供が興味を持って聞いてきた時に、丁寧に答えてあげるようにしましょう。
4歳
4歳頃になると、園などでのお友達同士のコミュニケーションが徐々に増えてきます。なかには、ひらがなを書けるお友達も少しずつ出てくるので、刺激されてひらがなに興味を持つ子も増え始めます。
子供が興味を持ったことに丁寧に対応してあげるようにしましょう。いきなりドリルなどでひらがなを教えるよりも、遊び感覚でできる教材がおすすめです。
また、運筆の練習用として直線書きや迷路のようなワークブックもこの時期に使用するといいでしょう。
5歳
子供のコミュニケーションの幅もより広がってくる頃です。女の子にはお友達同士でお手紙を交換し合う子も。お手紙交換を通して、ひらがなを一気に覚えることもあります。
この時期は、鏡文字になってしまうなど上手く書けないこともよくあります。厳しく教え込むのではなく、書くことが楽しいと思えるようなサポートを心がけましょう。
6歳
小学生になる前にひらがなをマスターしておきたいと思う親は多いと思いますが、子供によってはなかなか興味がわかず、ひらがなが曖昧なまま入学することもあります。
しかし、小学校では授業で書き順からしっかりと教えてくれるので、集中して短期間でマスターできるケースが多いのです。周りのお友達も刺激になり、子供本人が「覚えよう」という意識になることが大切です。
ひらがなを上手に書けないうちは、周りの子と比べて苦手意識を持ってしまうこともあります。できたことを褒めて子供のやる気を引き出してあげるようにしましょう。
幼児・子供へのひらがなの教え方まとめ
ひらがなの教え方にはコツがあります。このコツを抑えておけば、効率よく負担も少なくひらがなをマスターすることができます。
一番大切なのは、ひらがなを教える順番です。「読み」をマスターしてから「書き」に移行する方法がベスト。「読み」に関しては、子供が小さいうちから読み聞かせなどを行うことで自然に子供も覚えていくことがよくあります。
「読み」の教え方
ひらがなの読みは、日常生活の中で自然に取り入れることができます。子供が3歳くらいになったら、意識的に次のようなことを生活に取り入れてみるといいでしょう。
- 絵本に出てくる単語を指さしして教える
- 子供の名前を書いて読んでみる
- ひらがな表などを目につくところに貼る
- 看板など、子供が興味を持った文字を読む
基本的に、子供が興味を持っているものを声に出して読んであげるようにしましょう。
ひらがなを習得することが苦手な子の場合、ひとつの音にはひとつの文字があてはめられているという事を理解できていない場合があります。「あさ」の「あ」と、「あり」の「あ」が同じと認識できない状態です。
そういった場合には、まず同じ音で始まる言葉を集めて並べてみるという遊びを取り入れてみましょう。感覚的に「1文字に1音がある」ということを理解できるようになります。
ひらがなの読みをマスターするために、「ひらがなかるた」などの遊びを取り入れることもおすすめです。しかし、かるたに書かれているイラストが印象的なものだとイラストだけを覚えてしまうこともあるので注意が必要です。
「書き」の教え方
ひらがなを書けるようになるためには、まず上手に筆記具を動かすことができるようになる必要があります。小さい子にとって、鉛筆の力加減や持ち方、動かし方は意外と難しいものです。
まずは、クレヨンなど力を入れなくても書くことができるもので、いろいろな種類の線を書く練習から始めるようにします。
上手に線が描けるようになったら、なぞり書きの練習をします。この時に気を付けたいのが、いきなり難しいひらがなに挑戦するのではなく一筆で書くことのできる「し」や「つ」「へ」などから取り組むようにしましょう。
また、難しくても子供が興味を持っている文字の場合は練習させてあげましょう。
書き順が重要
子供は正しい書き順で書けないことがよくあります。
書き順は草書体が元になって決められています。そのため、必ずしも合理的にはなっていないのです。子供にとっては、書きやすい順番と正しい筆順が違うのです。
しかし、正しい書き順で覚えておかないと、小学校入学後に書き順を正すのに苦労することになります。また、正しい書き順で書くことで綺麗な字でひらがなを書けるようになります。
子供に正しい書き順を覚えてもらうには、根気よく親が子供の隣で運筆し正しい書き順を見せてあげるようにしましょう。口うるさく注意するよりも、見て覚える方が子供もイメージしやすく嫌になることなくひらがなを覚えられます。
反復練習
他の事をマスターするのと同じように、ひらがなの読み書きをマスターするのにも反復練習が必要です。毎日少しずつでもひらがなの練習に取り組むようにすると早く覚えられます。
子供は、好きな遊びや好きな絵本のシーンなどを繰り返すことを好みます。ひらがなの練習もゲーム感覚で、子供が「楽しい」「好き」と思えるように進めてあげることがポイントです。
子供にひらがなの覚え方を教える時に気をつけるべきポイントは?
ひらがなの覚え方を教える時には親が気を付けたいポイントがいくつかあります。このポイントを押さえて、無理なくひらがなを覚えられるようにサポートしてあげましょう。
ひらがなの練習中に側にいてあげよう
ひらがなを覚えることが「楽しいこと」であれば、子供は自ら進んで取り組みます。そのためには、親が側について見守っていてあげるようにしましょう。
ママやパパが近くにいてくれることで子供は、安心感を持って取り組むことができます。また、書き順の間違いもその場ですぐに直すことができます。
できたら褒めてあげよう
子供はパパやママに褒められることが大好きです。子供が書けるひらがなが増えたり、丁寧に書けたりした時には褒めてあげるようにしましょう。子供のモチベーションアップにもつながります。
褒める時には、「昨日よりもきれいな字で書けたね」「鉛筆の持ち方が上手になったね」など具体的な点をあげることがポイントです。
数ではなく丁寧に練習するように言おう
小学校で漢字を習うようになると「とめ」や「はらい」などにも意識して丁寧な文字を書くことを求められます。
ひらがなを覚える時から丁寧に字を書くように意識させるようにすると、小学校に入ってから困りません。先ほども触れたような「とめ」「はらい」「はね」などは特に注意して書くように、親が見本を見せてあげるといいでしょう。
また、丁寧に文字を書くことを通して「読む相手のことを考える」「相手を思いやる」気持ちを持つきっかけにもなります。
急かさず、子供のペースを守ってあげよう
子供にはそれぞれペースがあります。ひらがなに興味を持つ時期も子供によって違いますし、同じ子供でも日によってひらがなに対する興味の示し方は違ってきます。
その子のペースや気持ちに合わせてあげることが大切です。ママが急かしてしまうと、子供にとってプレッシャーになりかねません。子供が効率よくひらがなを覚えるには何よりも「楽しく」取り組むことが一番です。
親の方が「急いでひらがなを覚えなくても、小学校に入ってからしっかりと学校で教えてもらえる」というくらいの気持ちの余裕を持って接してあげましょう。
ひらがな練習をしよう!おすすめ教材紹介
こちらでは子供のひらがなの練習に役立つおすすめの道具や教材を紹介します。参考にしてみてください。
1.くもんのすくすくさんかくくれよん:くもん出版
PR
もちやすい太めの三角くれよんだから、正しいにぎりかたが身につきます。 セット内容:14色(あか、だいだいいろ、きいろ、きみどり、みどり、みずいろ、あお、むらさき、ピンク、ペールオレンジ、ちゃいろ、はいいろ、しろ、く...
鉛筆をまだ上手に使うことができない子供のためのクレヨンです。クレヨンなので、筆圧が弱くてもしっかりと線や絵を描くことができます。
握りやすい三角形なので無理なく、手や指の運動の練習ができ、正しい鉛筆の持ち方も教えやすくなっています。
14色のクレヨンが入っており、線を描くだけでなく塗り絵やお絵かきにも大活躍しそうです。
PR
本書は、はじめて鉛筆をもつお子さまや、筆圧が弱くしっかりとした線が書けないお子さま、読めるのに書くことが苦手というお子さまを対象としています。 縦、横の直線をひくことからはじまり、曲線やジグザグの線など、段階的に難...
ひらがなを書く練習の第一段階として、運筆を練習したい子供にはこちらのドリルがおすすめ。
筆圧が弱くて線が上手に書けない段階でも、楽しんで運筆に取り組むことができます。縦・横の直線から曲線やジグザグ線など段階を追っていろいろな線に挑戦できるように編集されています。
子供が喜ぶ「できたね!シール」つきで、やる気の継続に繋がります。
2.はじめてのえんぴつ:くもん出版
PR
単音読み→単語読み→カタカナ読みと進めていきましょう ひらがなカタカナを覚えるはじめの一歩。絵カードの読み聞かせで、自然に文字を覚えます。文字を知ると思考力がグングン伸びます。 ひらがなを教え、文字読みの力を育てる...
子供の能力を引き出すためのひらがなカタカナカード。見やすく大きなカード(A5サイズ)に書かれた大きな文字は視覚的に子供に働きかけ、ひらがなを覚えやすくしてくれます。
可愛いイラスト付きなので、家族みんなで楽しめます。カタカナも学べます。
3.七田式ひらがなカタカナカード:シルバーバック
PR
乾かせば何回でも練習できます! 練習シートをなぞって文字や数字の練習ができます。 水道水を専用ペンに入れるだけ。水で書くから服や手を汚しません。 持ち運びもよく手軽にお勉強できます。 【セット内容】 練習シート×4...
水のペンで書くことができる「すいすいおえかきシリーズ」から出ているひらがな練習シートです。水のペンなので、まだ筆圧の弱い小さな子供でもすいすい書くことができます。繰り返し使うことができるので、反復練習にも最適。
練習中に机や壁などを汚してしまう心配もないので、ママも安心!
4.何回でもできる!れんしゅうシート ひらがな・カタカナ:パイロット(PILOT)
PR
くもんの幼児ドリルもじ・ことば-1 はじめての ひらがな (1)集2・3・4歳ISBN10:4-7743-2305-5ISBN13:978-4-7743-2305-3著作: 出版社:くもん出版発行日:2014年10...
子供がひらがなに興味をもち始めたらこちらの「はじめてのひらがな1集」がおすすめ。一筆で書けるひらがな10文を練習することができます。また、ひらがなを書くために必要な運筆練習も楽しみながらできるような構成にもなっています。
できたね!シールや巻末に表彰状もついているので子供のやる気アップにもつながります。
5.はじめてのひらがな1集 (もじ・ことば 1):くもん出版
PR
親子で取り組む「コミュニケーション・ラーニングシステム」を取り入れたドリルです。反復練習やドリルができるような構成になっており、確実に基礎学力を伸ばすことができます。受験を考えている人におすすめ。
6. 絶対のばす脳育ドリルプラスひらがな3・4歳 :幻冬舎エデュケーション
PR
学研の頭脳開発くせのない きれいな字になる ひらがな れんしゅうちょう7さいまでに身につけたいISBN10:4-05-204060-0ISBN13:978-4-05-204060-3著作: 出版社:学研プラス発行日...
こちらの「ひらがなれんしゅうちょう くせのないきれいな字になる」は、ひらがなを覚えながら美しい文字を書くことを目的としています。
同じ特徴をもつ文字を同時に練習したり、悪い例を出すことで子供が意識して綺麗な字を書くように促したりしています。楽しんで取り組むことができるように、裏面にはゲーム感覚で練習できるコーナーもあります。
7.ひらがなれんしゅうちょう くせのないきれいな字になる:学研教育出版
教え方を工夫して、子供と楽しくひらがな練習をしよう
ひらがなを教えるのには、子供が興味を持った時期にタイミングよく、楽しく取り組むことが一番です。
日ごろから子供の様子をよく見て、子供が興味を持った時にひらがなの学習に取り組めるような環境づくりをしておくといいでしょう。
子供にひらがなを教える時には、子供が効率よく覚えられるように「読み」から「書き」といった順番で教えるのがベストです。「読み」や「書き」を覚える時には、こちらで紹介したような楽しい教材やドリルを使うと効果的です。
ひらがなの練習が楽しい時間になれば、子供はあっという間にひらがなをマスターします。ママ自身が子供のひらがなの練習を通して楽しい時間を過ごしていれば、きっと子供も楽しくひらがなをマスターできることでしょう。