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100年後、日本の人口は3分の1?内閣府の冊子「きみに質問BOOK」が話題

内閣府は、平成26年11月に「選択する未来委員会」でまとめられた報告書「未来への選択」の要点について、若い世代にも分かりやすくまとめた冊子「きみに質問BOOK」を小・中学生に配布し、また内閣府のホームページ上に、誰にでも見られるように公開しました。この冊子のイラストには「さよなら絶望先生」の登場人物たちが起用されて話題になっています。私達もこの冊子を読み、子供と一緒に日本の未来を考えるきっかけにしてみませんか?

PIXTA

深刻な少子高齢化・・・日本の未来は課題が山積み

日本の出生率(ひとりの女性が生涯で産む子供の人数)は2015年現在1.42。これは世界201ヵ国中199位です。2016年は1.46と少し増えましたが、かなりの低水準に変わりありません。

かたや平均寿命は男女平均83.7歳で、世界一の長寿国です。このままいくと、日本の人口は2110年には、4286万人、なんと今の3分の1になってしまい、うち半分は高齢者と予想されています。

医療が進み、長生きできるようになったこともありますが、何よりも出生率の低下。これが人口減少の原因です。いろいろと対策はされていますが、解決の糸口は見えていません。

他にも問題はたくさん。失業率は高まり、結婚したくてもできない、住宅は空き家が増えてきています。日本の未来は課題が山積みなのです。

「きみに質問BOOK」って何?どんなことが書かれているの?

内閣府は以前「選択する未来委員会」という半世紀先の未来を見据えてこれからも成長・発展するためにどうしたらいいのかなどを話し合う委員会を設置しました。

その委員会がまとめた報告書の要点をさらに誰にでもわかりやすく伝えられるようにまとめたものがこの「きみに質問BOOK」になります。

きみに質問BOOKでは、人気漫画「さよなら絶望先生」のキャラクターを起用

「さよなら絶望先生」は、漫画家久米田康治氏の作品で、超ネガティブな教師「糸色望(いとしきのぞむ)」と、その教え子である2のへ組の生徒が巻き起こす騒動が描かれた、ブラックユーモア満載の内容が人気です。

ネットの書き込みや、SNSの投稿などで「絶望した!〇〇に絶望した!」というセリフを聞いたことがある方もいるかもしれません。それ、実はこの糸色望の口癖なのです。

未来の日本を考える冊子の表紙が「絶望先生」・・・。かなりシュールですが、それで注目を集めていることを考えると、結果オーライなのかもしれません。

久米田康治さんサイドもビックリ?

このツイートを見る限り、久米田康治先生も、スタッフの皆さんも、オファーを受けたことに驚きを隠せない様子ですよね。

日本が抱える深刻な問題を、イラストとデータで紹介

「きみに質問BOOK」は、「さよなら絶望先生」の登場人物たちが、様々な日本の問題を読んでいる人に投げかけるかたちでページが進んでいき、最後にその投げかけられた問題が、データで示されています。

イラストと写真が中心になっていて、文字数は少なめで読みやすいです。データページは過去や他の国と比べることで、今の日本の現状が分かりやすくなっています。

どこで手に入れられるの?

全国の小学校高学年の児童と中学生に配布されていますので、もし身内や知り合いに持っている子供がいれば、見せてもらうのもいいかもしれません。

PDF形式のデータであれば、内閣府のホームページから、誰でもダウンロードすることができます。

今の日本が抱える深刻な問題について取り上げられた「きみに質問BOOK」の内容は?

家族 PIXTA

「きみに質問BOOK」では、あらゆる世代の日本国民が、疑問に思うことが取り上げられています。

いくつかの質問をここで紹介しますが、それ以外にも、東京への人口の一極集中、若者の失業率、結婚問題、空き家問題、物価の低下なども載っており、いずれも今の日本で大きな問題になっていることです。

質問には正解がありません。読んだ人がそれぞれ考え、それぞれの答えを見つけるようになっています。

12歳「人口が減っていくのは、いいこと?よくないこと?」

出産 PIXTA

日本の人口が減っています。それは歴史上、初めての展開です。 出典: www5.cao.go.jp

日本の人口は鎌倉時代に約800万人、江戸時代に約3000万人と増え続け、2008年に1億2808万人でピークを迎えてから、急速に減り続けています。このままいくと、100年度には今の約3分の1になってしまいます。

人口の減少は、私たちの生活にどのような影響をもたらすのでしょう?

30歳「子供の数って、なんで減っちゃうんだろ?」

世界201ヵ国中、199位。日本の出生率の順位です。 出典: www5.cao.go.jp

日本の子供が減っているのにはたくさんの原因があります。

結婚しない人が増えたり、晩婚化で出産の年齢が上がったり、働く女性が増えたにもかかわらず、サポートする仕組みがなかったり・・・簡単に解決できる問題ではありません。どんな改善策があるでしょう?

65歳「高齢化って、いつまで続くの?」

おばあちゃん PIXTA

日本は、高齢化率、世界第1位です。 出典: www5.cao.go.jp

このまま進むと、2060年には、高齢者は約2.5人に1人の割合になり、その後も進んでいきます。高齢化社会は、子供や若者の数が少ないので、世の中から活気がなくなることが心配されています。

どうすればみんなが、幸せに暮らせるのでしょう?

100歳「日本という国は、ずっとあるかな?」

子供 疑問 PIXTA

2110年、日本の人口は、今の約3分の1の4286万人と予想されています。 出典: www5.cao.go.jp

そのうちの半数近くは高齢者で、子供は1割未満。これが、今のまま人口減少が進んだ場合の、100年後の日本です。今の日本の問題は、全て人口減少と繋がっていて、人口が減ると、社会のかたちや人々の幸せの姿が変わっていきます。

自分や周りの将来を考えるのと同時に、日本の課題について、考えてみませんか?

日本の未来に絶望した?「きみに質問BOOK」を読んだ感想

考える PIXTA

実際に読んだ方々の声を集めました。可愛らしいイラストとは裏腹の深刻な内容に、絶望した!の声が多数ありました。確かに、この冊子から、明るい未来を想像するのは簡単ではないかも。

政治家の皆さんは「宿題」を全部やれますか?

これからの日本はみんなの宿題と、宿題さぼりまくって逃げ切る方々から言われてもな。 出典: b.hatena.ne.jp

この冊子の最後のほうに「これからの日本は、みんなの宿題だから」とあります。

この方の意見はかなり辛口ですが、確かに少子化問題が深刻になっても、政府は具体的な対策はあまり取らずに精神論が目立ち、中には「女性は産む機械なのだから、頑張ってもらうしかない」という旨の発言をした政治家もいて、問題になりました。

今になって、以前よりは真剣に少子化問題を考え始めたと思いますが、今の政治家がこの宿題を終わらせるのは・・・厳しいかもしれませんね。

政府の対策に問題ありとの意見

PIXTA

いや、全体の趣旨には反対しないけどさ、出産ができないのは政府の対策が悪いからじゃないかな。保育園、仕事環境周りで法整備や公的支援が全然できていないと感じるよ。 出典: b.hatena.ne.jp

政府の少子化対策は、児童手当や保育園の増設といった、すでに生まれている子供へのものばかりが目立ちます。これだけで少子化対策に当てられる予算のうち、9割に相当しています。

雇用の不安定さから結婚したくてもできない人や、不妊に苦しんでいる夫婦など「これから生まれる可能性のある子供」への対策が、手薄になっている感じがしますね。

子供を産むことは「ノルマ」なの?

うーん、ノルマですか。ちょっと悲しい気もします。ただ、この冊子を最後まで読むと、若い世代は子供を産まないとダメ、と言われている気がするかも。

子供を欲しい人が、何人でも安心して産める社会になれば一番いいですよね。そして「子供を産みたい」と心から思える社会に。

これからの日本は、みんなの宿題

人口問題。そして今の日本が抱えるさまざまな問題。若い世代だけではなく、私たち大人も真剣に考えなくてはいけない「みんなの宿題」です。

ひとりひとりの力は小さいかもしれませんが、その小さい力が重なって、未来は少しずつ創られていきます。

決して他人事ではありません。自分のために、子供のために、これからの日本のために。少しずつ、考えていくところから始めませんか?

きみに質問BOOK(PDF)

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