文部科学省が作った副教材が話題に
2015年8月21日に有村治子女性活躍担当相が発表した、高校生の保健教育の副教材が話題になっています。
その教材は、文部科学省が作成した「健康な生活を送るために」というもの。8月下旬から全国の公立高校に配布されるといいます。
批判や意見が寄せられているのは「妊娠出産」という章の「妊娠のしやすさと年齢」という項目。
医学的に、女性にとって妊娠に適した時期は20代であり、30代から徐々に妊娠する力が下がり始め、一般に、40歳を過ぎると妊娠は難しくなります。
一方、男性も、年齢が高くなると妊娠に関わる精子の数や運動性が下がり始めます。 出典: www.mext.go.jp
医学的に妊娠しやすい年齢についてこのように記述しています。
またこの記述の横には、「妊娠のしやすさ」と年齢の関係が折れ線グラフで示され、グラフは22歳をピークに下がり続けています。
なんとグラフに誤り…訂正することに
しかしこのグラフ、根拠にしたアメリカの論文では、22~25歳はほぼ横ばいになっていたことが発覚。
国の担当者は「内閣府で論文のグラフをもとに作り直した際、数値を誤った」としていて、文科省は各校に誤りを知らせるとともに、訂正した別紙を送付することを検討しているそうです。
これに対してみんなの反応は?
この記述とグラフに対して、ネット上ではさまざまな意見が飛び交いました。
グラフが間違っているなんて、お粗末すぎる…?
インターネットでの「グラフが間違っている!」という多数の指摘を受けて、間違いを認めた文科省。
もしネットで批判されなかったらどうなっていたのでしょう?
基本的にはいいと思う!知る機会が必要
妊娠適齢期についてよく知らず、大人になってから「もっと早く教えてほしかった!」と思う女性も少なくありません。
そんな女性たちからは、肯定的なコメントが多く寄せられています。
避妊についても、もっと教えるべき
「妊娠しやすさ」について教える前に「避妊のしかた」を教えるべき、という意見も。
副教材「健康な生活を送るために」では避妊方法についても触れられていますが、扱いは小さめ。
15歳の時に学校からコンドームを渡される北欧のように、もっと積極的に性教育を行うことで、望まない妊娠をふせぐべきだという意見も少なくありません。
「産みたいけど産めない」社会をなんとかして!
他の先進国に比べ子育ての負担が大きい日本。
22歳で出産・子育てをした場合、十分な経済的サポートをウケられるのか?雇ってくれる会社はあるのか?など、さまざまな問題もあります。
男性にこそ知ってほしい
女性が「産みたい!」「結婚したい!」などと思っていても「まだそういう気分じゃないし…」と、結婚・出産を先延ばしにする男性が多いのも事実。
男性こそ、年齢と妊娠しやすさの関係を学ぶべきなのかもしれません。
「産みやすい社会」へ向けて、少しずつ前進している?
批判的な意見も寄せられている副教材「健康な生活を送るために」。
ネットで指摘されているとおり、日本はまだまだ子育てしにくく、最も妊娠しやすい22歳で出産することに躊躇する人も多いと思われます。
しかし、10代のうちに妊娠と年齢に関する医学的なデータに触れられることは、女性の人生を考えるうえで有意義なことなのかもしれません。