中学受験をどう思いますか?
「中学受験」と聞くとどんなイメージを持ちますか?
お金がかかる、塾通いが大変そう、というネガティブなイメージの方のほうが多いでしょうか。それとも大学受験に有利、制服がかわいいなどのポジティブなイメージを持つ方もいるでしょうか。
筆者は東京都在住なので全国でも中学受験率の高いエリアで子育てをしています。またいわゆるお受験、小学校受験や幼稚園受験をしたというママ友も身近におり、我が子の人生においてどこで「受験」を経験させるのかというのは、選択肢が多いだけに親にとっても悩ましい問題です。
そこで今回は中学受験について子供側、親側に分けてそれぞれメリット・デメリットを挙げてみたいと思います。
子供への影響から考える中学受験のメリット・デメリット
中学受験に取り組むのは首都圏では全体の約15%の小学生だそうです。年々受験準備のための塾通いを開始する学年が繰り下がっており、今では1、2年生から進学塾に通っているというお子さんも珍しくありません。
一般的には難関校以上の学校へ進学希望なら3年生の2月スタートというのが最も多いタイミングのよう。また中高一貫の都立校の場合は5年生からの準備が一般的なのだそうです。
受験向きなのかそうでないのかはやってみなければわからないことですし、特に男児の場合は高学年になるにつれどんどん伸びていく場合もあるようです。
受験勉強のメリット・デメリットに加え、中学校へ進学した後どう違うのかも含め、子供への影響を挙げてみます。
子供へのメリット
公立小学校に通っていて中学受験をしない場合は高校受験をすることになります。ここでは中学受験をする場合のメリットを高校受験と比較してご紹介します。
- 高校受験にある「英語」教科がないので、単純に1教科分負担が少ない。
- 高校受験のためでない英語を6年間かけて学べる。部活も中高通して行える。
- 個々の能力のばらつきが少ない環境で学べるため授業内容は高度でスピードも早く、その分大学受験の準備ができる。
- 高校受験の場合は3年後すぐ大学受験になる。
- 大学附属校へ進学した場合は大学受験がない。
- 中学の部活と高校受験の両立に悩まない。
- 中学受験のための勉強を通じて、公立小学校では行われない難しい勉強に触れることができる。
- 万が一中学受験に失敗しても、公立中学校に通えるというセーフティネットがあるため、志望校を思い切って選べる。
中学受験が与える子供へのメリットは、主に中高一貫校へ進学したことのメリットと言えそうです。
親世代と違い、最近の中学受験はほとんどの学校が4教科試験になっています。しかしながら得意不得意が出やすい英語が受験教科にないというのは確かにメリットと言えそうです。
また高校受験は内申書が大事になってくるため、美術や体育などの教科や部活動、ボランティア活動にも力を入れる必要があります。しかしそういった中で様々な経験を総合的に学ぶことで人生の糧に出来、仲間との思い出も生まれるので、一概に悪いとは言えませんね。
子供へのデメリット
中学受験に取り組むのは首都圏では全体の約15%の小学生だそうです。年々受験準備のための塾通いを開始する学年が繰り下がっており、今では1、2年生から進学塾に通っているというお子さんも珍しくありません。
一般的には難関校以上の学校へ進学希望なら3年生の2月スタートというのが最も多いタイミングのよう。また中高一貫の都立校の場合は5年生からの準備が一般的なのだそうです。
では実際にどのようなことが子供へのデメリットになるのか見てみましょう。
- 6年生になると週に3〜5日塾通いになるため、勉強に費やす時間や通塾にかかる時間が膨大で身体的に負担がかかる。
- 4年生頃から学校の勉強と並行して塾の勉強、宿題が出るため要領よくこなす必要がある。
- スポーツを主とする他の習い事との両立が難しくなってくる。
- 学校で習う内容を大きく逸脱した知識や計算法を身につける必要がある。
- 地元の公立中学に通わないことで、地域とのつながりが希薄になる。
- 公立中学に比べ家庭環境や学習能力の差が少なく、多様性に触れるチャンスが少ない。
- 通学に時間がかかる。その分睡眠時間が短くなる。
「多様性に触れるチャンスが少なくなる」というのは社会に出た後のことを思えば気になることかと思います。また地域のつながりが希薄になるのは寂しいことですよね。
一方ではその地域のつながりが負担となっていて中学受験に踏み切るケースもあるようです。
メリットとデメリットは表裏一体の部分もあるので、何を重視するかを意識して決める必要がありそうですね。
親の負担から考える中学受験のメリット・デメリット
親の立場から受験を考える時一番気になるのは金銭的な負担だと思います。約3年間の塾代、受験にかかる費用、進学後の私立中学高校の学費も高額です。受験がそれに見合うだけのメリットがあるのかどうかは大事なポイントですよね。
そして中学受験には親のサポートが欠かせません。塾のプリント管理、塾側とのやりとり、志望校選びや体調管理などまさに子供と二人三脚で乗り越えるのが中学受験と言われます。
実は中学受験は、中堅校またはそれよりも低い偏差値の学校へ進学をする家庭も多いのです。どのようなメリット・デメリットがあるのか見ていきましょう。
親へのメリット
子供の学校環境について、親は子供以上に気にしているのではないでしょうか。学習面だけでなく友達を含めた環境が気になるご家庭も多いですよね。どのようなメリットを優先して中学受験を選ぶのでしょうか。
- 校風や学校理念に共感できる。安定した環境で学校生活を送ってほしい。
- 学力面のサポートがある学校へ進学すれば、大学受験のための塾・予備校への費用を抑えられる。
- 学校の評判に関わるため、いじめ問題などの対応が早い傾向にある。
- まだ本格的な思春期に突入する前で、子供との意思疎通が上手くいく時期に受験を乗り越えたい。
- 地元の公立校の評判がよくない。
- 中学受験時は普通レベルでも、大学進学率の良い「お得校」がある。
- 中高の6年間を通じて部活に打ち込んでほしい。
- 大学附属校に進学すれば10年間を安心して過ごせる。
難関校への進学は子供本人の能力次第の部分が大きく、塾に通うきっかけも「子供が自ら望んで」ということが少なくないようです。
また、偏差値にとらわれることなく校風を重視して学校を選ぶという場合も多くあるようです。
地元の中学へ進学させることに不安を感じている親にとっては、子どもの学力レベルに関わらず校風などを重視して中学受験を視野に入れることもあります。
また「お得校」と言われる、中高の6年間を通じて学力を伸ばしてくれるカリキュラムを求めてする受験もあるようです。
親へのデメリット
高校受験は子供が思春期を迎え、親より仲間や学校の先生との関係性の中で切磋琢磨する時期でもあります。そういった意味では親ができることはほとんど無いのかもしれません。
一方、中学受験はまだ幼さの残る子供を親がサポートしながら乗り越えるもの。金銭面や時間に余裕が必要とも言えます。どんなところが大変なのでしょうか。
- 塾代、受験料、私立中高の学費、交通費など多くの費用がかかる。
- 小学校高学年になるとほとんどの場合「塾弁」を作る必要がある。
- 「塾弁」が必要ない場合は帰宅後夜遅い時間の食事となり、睡眠時間などの体調管理が難しい。
- 子供のプリント管理や塾へのお迎えなどが大変。(働く親は特に)
- 学校見学や受験フェアなどに足を運んで情報を集める必要がある。
- 受験に失敗した場合のフォローが難しい。
受験は子供だけでなく、親にとっても負担が大きいのがよくわかりますね。
私自身思い返すと、小6の夏期講習の日は朝家を出るときに昼用のお弁当を持って塾へ行き、夕飯はいつの間にか交換されていたお弁当を食べる、という日々を過ごした経験があります。毎回お弁当に乗せてある母からのメッセージやイラストが嬉しかったのを思い出します。ありがたいことです。
中学受験はとにかく親子のコミュニケーションが大事!
受験は誰もがいつかは経験するものです。それがいつになるのかはその人次第。考え方次第です。
幼稚園や小学校受験などは親の影響が大きく、学力以外の要素も大いに関係します。逆に高校受験は親のできることは生活の管理くらいで、当日のテストの成績とともにいわゆる内申書、学校の成績や継続して頑張ってきたことなども評価されます。
そう考えると中学受験は当日のテストの結果の一発勝負という部分が大きく、4教科の学力が主な評価対象。また学力だけでなく安定した学校生活を送るための受験という選択もあります。
お子さんの性格をよく考えた上で、中学受験するかしないか、どこまでサポートできるのかよく検討してみてくださいね。