読書感想文の題名の付け方でおさえるべき7つのポイント
読書感想文における題名は、読書感想文の顔であり、それを見て読み手が興味をそそられるかどうかの重要な部分です。題名をそのまま使った「◯◯を読んで」といったタイトルでも間違ってはいませんが、読み手が興味を持ち、読んでみたいと思わせるには弱いでしょう。
読書感想文の題名は「◯◯を読んで」という書き方でなければならないという考えを持っている方もいるかもしれませんが、実はそんなことはなく、書き手が自由に決めてよいのです。
では、読書感想文の題名をつけるうえで、おすすすめの7つのポイントをご紹介します。
1.本と自分自身を関係づける
読書感想文の題材として選ぶ本は、自分にとって何かしらの意味を持つものである場合がほとんどでしょう。その場合は題名を「○○と私」、「○○で私が学んだこと」といったように、本の題名と自分をつなげるものにすることがおすすめです。
ただ「○○を読んで」とするよりも一工夫加えるだけで、題名から受ける印象は大きく変わるでしょう。
題名の付け方の例
- 「◯◯◯」が私に教えてくれたこと
- 私に感謝の大切さを教えてくれた本
- 私は「◯◯◯」で学んだ
2.感想をそのまま表現する
本に対する感想は、良い本であればあるほど出てくるものです。一冊の本がきっかけでこれまでの人生観がガラリと変わってしまうことや、人生の指針となるような本と出会うこともあるでしょう。
「○○の主人公は私だった」や、「○○でもっと毎日を一生懸命生きようと決めた」など、本を読んだことで強く印象に残ったことや、学んだこと、考えさせられたことを題名にしてしまうのもおすすめです。
読書感想文の題名には、本のタイトルを入れなければならないという決まりはありませんが、ある程度は何の本なのかが伝わるようにしましょう。
また、感想は必ずしも前向きなものである必要はありません。批判的な感情を抱いたのであれば、それをそのまま題名にしてしまうのがいいでしょう。
題名の付け方の例
- 「ありがとう」の大切さを知った
- 私は将来、ニュースキャスターになりたいと思った
- 「◯◯◯」は僕にとって嫌いな本
3.テーマを引用する
本には、家族や友情、愛など、何かしらのテーマがあります。そのテーマをそのまま読書感想文の題名にしてしまうのもおすすめです。
「家族愛について」や「私にとっての家族とは」といった題名にすれば、本と自分自身との関連性についても盛り込んだ題名となるので、より読み手の興味を引けるでしょう。
題名の付け方の例
- 友だちの大切さについて
- 自分らしく生きることってなんだろう
- もう繰り返したくない戦争の悲しさについて
4.「?」をつけて質問形式にする
読書感想文の題名に「?」の疑問符をつけるのは、読み手の注意を引きやすくなるのでおすすめです。
読んだ本の結末や結果を元にした、「他の結末や選択はできなかったのか?」といったものや、結末まで書かれていない本であれば、「主人公はこの先どんな人生を送るのか?」といった質問形式がいいでしょう。
題名の付け方の例
- いじめがなくならないのはなぜ?
- おばあさんはなぜオオカミに食べられてしまったのか?
- みんなならこのときどうした?
5.逆説にする
逆説の題名とは、世間の一般的な認識とは真逆のことを書いて興味を引く方法です。
例えば大きな業績を残し、世間では天才と謳われる主人公について、本当は天才という一言では片付かない程の努力を積み重ねた上の結果であるという感想を抱いた場合、「主人公は天才ではない」というタイトルにします。
感想文の内容が、主人公は天才だから偉業を成し遂げたのではなく、日々の努力の積み重ねがあったからこそ残せた結果である、といったものにすれば、より説得力のある題名となるでしょう。
題名の付け方の例
- 幸福な人生を送ったウェルテル
- いじめはなくならない
- クモの糸は救いの手ではない
6.印象に残ったフレーズや文章を使用する
本の中で主人公が発する言葉やその他の文章には、全体のテーマとなるような重要なフレーズが含まれています。印象的な文をそのまま題名にするのもおすすめです。
例えば、戦争をテーマにした本の中で「俺は守るべき彼らの犠牲の上に生きている」といった印象的なフレーズがあれば、これを活かして「私は彼らの犠牲の上に生きている」という題名にしてみるのもいいでしょう。
題名の付け方の例
- 離れてみないと発見できない自分のこと
- かんじんなことは、目には見えない
- みんなに伝えたい「ありがとう」
7.本の主人公や著書名を使う
題名に本のタイトルではなく、本の中に出てくる主人公や、著書名を使用して「私が○○だったら」、「○○訴えたかったこと」といったようにするのもおすすめです。
この題名にすると、主人公や著者を深く理解し、自分自身と置き換えて真剣に考えているということが題名で伝わってきます。
題名の付け方の例
- 僕が星の王子さまだったら伝えたかったこと
- アナトール・フランスの考え方について
- メロスの生き方について考えたこと
題名を付ける際の注意点
題名は、読書感想文を象徴するものなので、どんなものでも問題ありませんが、内容に沿ったものである必要があります。
題名をぱっと見ただけでは何を書いているのかわからないものよりも、だいたいどのような内容が書かれているのかが想像できるものがいいでしょう。
内容から乖離し過ぎないようにする
題名は、それだけで書かれている内容がある程度想像できる場合がほとんどです。注意したいのは、題名と内容にずれがないようにすることです。
題名からイメージする内容と、実際の内容があまりにもかけ離れていれば、読み手はがっかりしせっかくの読書感想文が低い評価となってしまいますので注意しましょう。
簡潔にする
題名は長すぎると読み手に伝わりにくくなります。長くても15字以内にまとめるようにしましょう。例えば、「○○によって人生観が変わった」といった感想そのままをタイトルにする必要はありません。
「○○と私の人生観」や「○○で変わる私」といったように、より簡潔な表現にできないかどうかを意識するとよいでしょう。
内容を書いてから題名をつける
題名は必ずしも最初に決める必要はありません。読書感想文を書いていくうちに、書きたかった内容と実際に書き上げた内容に差異が出てしまう場合もあります。
そうなるとせっかく頑張って考えた題名を、再度考えなおさねばならなくなります。最初は方向性だけを軽く決めておいて、内容を書き上げた後で最終的な題名を決めるのがよいでしょう。
原稿用紙は正しく使う
原稿用紙に読書感想文を書く際、題名は下記のルールになります。
- 一行目に2~3マス空けて書く
- 題名に『』(二重かぎ括弧)をつける
原稿用紙に読書感想文を書く場合、一行目に題名を書き、その横行に下詰めで自分の名前を書きます。苗字と名前の間は1マス空けましょう。
本文はさらにその隣の行から、書き始めます。
題名が長いときは改行が決め手
題名がどうしても長くなってしまう場合は、どこで改行するかということに注意しましょう。一行目に書ける分だけ書いて、残りを次の行に書く方法では読みにくく見た目にもあまり良くありません。
題名の中で区切りがいいところで改行し、2行目に書く題名は、下詰めにして書きましょう。
タイトルから読み手をひきつけよう
読書感想文を上手に書くためには、書き出しや内容も大切です。しかし同じくらい大切なのは、読み手に「読みたい」と思ってもらえるような題名の付け方を考えることですね。「どんな内容かな?」と思ってもらうことがポイントです。
この記事では読書感想文の題名に関する付け方の例も含めて、さまざまなパターンを紹介しました。こちらの例を参考にしながら、内容に沿った簡潔で印象的な題名を考えてみてください。
子どもの夏休みの宿題として定番の読書感想文。もし子どもが困っていたら、パパママはこの記事で紹介した内容やアイデアから素敵な題名を考えてあげてくださいね。