読書感想文の書き出しにはどんな事を書くの?
読書感想文が苦手なお子さんは本を読み終わっても何を書けばいいのかわからず、まず最初の一文でつまずいてしまいます。書き出しの文には次のようなことを書きましょう。
- 本との出会いやきっかけを簡単に書く
- 本を読んだ感想を一言で表す
- 本を読む前の自分について書く
- 本を読んで変わった自分について書く
書き出しを決めてしまえば、その先に続く感想文の方向性も決まってくるためまとめやすくなります。まずはどのように書き始めるのかを考えてみましょう。
読書感想文の書き出し、出だしのコツ
書き出しは読書感想文の顔です。そのため、読む人を引き込むようなインパクトのある文にするのがポイントです。思わず次を読み進めたくなるような文で書き始めましょう。
パターン別に書き出しのポイントやコツをご紹介します。
本との出会いやきっかけを簡単に書く
どうしてその本を選んだのか、そのきっかけとなった理由を書きましょう。本屋で見かけて気になったから、話題になっていたからなど、本との出会いを簡単に書きましょう。
絵が好きだったから、タイトルに興味を持ったからといった素直な気持ちで構いません。なぜ読みたいと思ったのかを率直に書きましょう。
本を読んだ感想を一言で書く
書き出しに本を読んだ感想を一言で書きます。本を読み終わって、一番強く感じたことを書いてみましょう。この書き出しはなぜそのように思ったのかという理由を続いて説明する流れになります。
本の中のどの部分からそう思ったのかということを書いていきます。この書き方は書きやすいだけでなく、読む人にインパクトを与えることのできる書き方です。
本を読む前の自分について書く
本を読む前の自分の気持ちや生活、経験について書きます。この書き出しは本を読んで自分がどのように変わったのか、これからどのようにしていくのかということに続けやすくなります。
読書感想文は本を読んで学んだことや、本から得たものを書くと良いのですが、これまで経験してきたことをはじめに書くことでとてもわかりやすく、内容も濃くなります。
本を読んで変わった自分について書く
本を読み終わって学んだことや考えたことなど、自分がどう変わったのかを書き出しに持ってくる方法です。自分がどのように変わったのかをまず書き、そのあとでこれまでの自分についてや変わっていった部分を書きます。
本の内容のどの部分から学んだのかということも説明でき、まとめやすい形です。この方法では書き出しと最後は同じことを書くようになります。
書き出し、出だしの書き方例5選
書き始めにはさまざまな書き方があり、結局のところどう書いていいのか、何を書いていいのかまだ難しいという方もいるのではないでしょうか。
そのような方にもわかりやすいように例文をご紹介します。
①本の紹介から始める例
どうしても難しい場合には本の紹介から始めてみましょう。
「私は○○という本を読みました。」
読んだ本のタイトルをそのまま書き出しに持ってきます。とても簡単な書き出しなので、小学校低学年におすすめの書き方です。
「今回は○○という本を読んだ感想について書きます。」
感想文であることがわかりやすく、こちらも小学校低学年におすすめの書き出しです。高学年では使わないほうがいいというわけではありませんが、本の紹介を書き出しにする場合には読書感想文の題名に工夫をするのが望ましいです。
感想文の題名を「○○を読んで」にすると、書き出しと重なってしまいます。決まった文字数の中で内容を濃くするためには書き出しにもこだわってみましょう。
②本を選んだ理由から始める例
その本を読んだきっかけから書き始める方法です。一般的で書きやすいので、本を選んだ理由から書く方は多いです。
「○○について興味があったので読みました」
日頃から気になっていたもの、好きなことが題材になっている本を読んだときに使える書き出しです。他にも不思議に思っていたことや疑問に思っていたこと、好きなことだけでなく苦手に思っていることなど幅広く使うことができます。
なぜ興味があるのかという理由をさらに深く説明すると、人と同じようにはなりにくく、より伝わる感想文になります。
「人からすすめられたので読みました」
どの本を読めばいいのかわからず親や学校の先生などに教えてもらった本を読んだという方も少なくありません。自分で選んでいないので、書きにくいと思われるかもしれませんが、その場合にも素直にそのことを書けばよいのです。
読書感想文で大切なことは読んだきっかけや理由よりも、本から何を学んだのかということです。最後に本から学んだことや考えたことを書けば、立派な読書感想文になります。
③本を読んだ感想から始める例
本を読んで感じたことを書き出しに持ってくる書き方です。感想から始めるとインパクトのある感想文になります。それでは例をご紹介します。
「主人公の行動に感動しました」
こう書きだすと、読んでいる人は主人公はどんな行動をしたんだろう?どうして感動したんだろう?と気になります。なので続きには主人公のどの行動に感動したのかを詳しく説明していきます。
書き出しが「感動した」だけではわかりにくく、「主人公の行動に」と付け加えることでより伝わりやすくなります。
「夢をあきらめたくないと思いました」
夢は叶うというメッセージのある本を読んだときに使えます。夢に向かってどんなことをしていたのか、どうして夢は叶うのか、本から学んだことやこれからどうしていくのかを続けて書くと良いです。
あらすじをまとめて説明するのは難しいですが、どんなところから、どんな風に感じたのかを作文のようにすると書きやすくなります。
④本を読む前の自分の話から始める例
本を読む前の自分の考えや経験、生活などを書き出しにする例をご紹介します。
「私は失敗がこわくて挑戦することが苦手でした」
こう書きだしたあとで、本を読んで自分がどう変わっていったのかを説明していきます。どのように変わったのか、本のどの部分を読んで変われたのかを順に書いていくので、ストーリー性もあり、伝わりやすくなります。
この場合は、読む前の自分は挑戦が苦手だったけど、「本を読んで何事にも挑戦したいと思いました」という話で最後にまとめることになります。
「私は苦手なものは食べたくないと思っていました」
このような書き出しをすると、「本を読んで食べ物の大切さに気付きました」や「何でも残さずに食べたいと思いました」などのようにまとめることができます。
書き出しの文とまとめの文は本を読む前と読んだ後の自分の変化について書くので、対照的な言葉を使うようにしましょう。関係がないとまとまりのない読書感想文になってしまいます。
⑤本を読んだ後の自分の話から始める例
本を読んで自分がどのように変化したのかを先に書いてみましょう。本を読む前の自分の話から始める場合とは反対の書き方です。例をご紹介します。
「これからは勇気を出して挑戦していきたいです」
これからどうしていきたいのかを先に書き、なぜそう思ったのかを説明していきます。この後には「なぜなら私は失敗がこわくて挑戦できなかったからです」と続けます。これまでの自分のことを対照的に書くことで、より伝わりやすくなります。
そしてどの部分を読んでそう思ったのかを説明し、感想文の最後にはもう一度書き出しと同じように「これからは勇気を出して挑戦しようと思いました」と締めくくることができます。
「これからは好き嫌いをせず何でも食べようと思いました」
この次には「私は○○が苦手でなかなか食べることができませんでした。でも○○を読んで考えが変わりました」と続けることができます。
そしてこれまでと同じように本のどの部分からそう思ったのかを説明しましょう。最後にもう一度書き出しと同じ文を書いて完成になります。
書き出しが一番大切です!
読書感想文の顔となる部分が書き出しです。読書感想文を書く前に、どのような書き出しが自分にとって一番書きやすいのかを考えてみましょう。
書き出しを読んだ人が、何が書いてあるのだろう、もっと読んでみようと思えるような文章が書けると非常に良い読書感想文になります。読んだ人の印象に残る読書感想文にするためにも、ぜひ書き出しに工夫をしてみてください。