昔の「常識」は今の「非常識」に?子育てに関する世代間ギャップ
じいじやばあばは子育ての大先輩。その分、頼れることもたくさんあります。
しかし、育児の常識は日々変化していくもの。数十年前、じいじやばあばが現役で子育てをしていた時代の「常識」は今の「非常識」になってしまっていることも…。
ご実家に同居したり、ご実家の近くに住んでいたり、里帰り出産をしたりして、そのようなギャップを感じているママも多いのではないでしょうか。
そこで、子育てに関するジェネレーションギャップにまつわるあるあるエピソードをご紹介します。
子育てのジェネレーションギャップ、あるあるエピソードをご紹介
ママがじいじばあばに感じる子育てのジェネレーションギャップには、どのようなものがあるのでしょうか。
「あるある!」と全国のママが共感できそうな内容を中心にご紹介していきます。今と数十年前の育児の「常識」がいかに異なるのか、実感する内容のものばかりですよ。
お風呂上がりに湯冷ましは飲ませないの?
生まれたばかりの赤ちゃんの水分補給は、母乳やミルクのみで十分!そう病院で指導されたママがほとんどではないでしょうか。
湯冷ましとは、一度沸騰させたお湯を冷ましたもの。白湯とも言いますね。今子育てをしているママたちの親世代は、母乳やミルクだけでは赤ちゃんが必要とする水分を与えきれず、湯冷ましで水分補給をする必要があると言われていました。
でも今は、母乳やミルクをしっかりと与えていれば、湯冷ましは必要ないといわれていることがほとんどです。
じいじやばあばに「湯冷ましは飲ませなくて良いの?」と聞かれたら、病院でいらないと指導されていることを伝えましょう。
小さなうちから保育園に行ってかわいそう…
ママたちの親世代は、共働き夫婦の方がまれで、ご自身が保育園に通っていたというママもかなり少ないのではないでしょうか。共働きのご家庭も、1クラスに数名程度だった記憶があります。
しかし今は、0歳児から保育園にお子さんを預けて仕事復帰するママも少なくないですよね。子供が小さいうちはそばにいてあげたくても、時期を逃すと保育園に入ることができず、泣く泣く入園時期を早めたというママもいます。
そこでさらにショックを受けてしまうのが、「小さいうちから保育園に通わせてかわいそう」「3歳まではそばにいてあげないと」というじいじやばあばの声。
数十年前は、小さいうちから保育園に子供を預けなくても、生活が成り立ったかもしれないけれど…
今は、共働きしないと、経済的に苦しいという家庭も多いです。高齢化社会で、先の保障がなく、少しでも働いておかないと不安、という考えのママもいますよね。また、核家族化や男性の長時間労働が問題となっており、ママが一人で育児をしなければならないという状況から、「働きたい」と思うママも増えてきています。
なぜ、保育園に預けるのか。結果的にそれが子供のため、家族のためになることをきちんと説明すれば、理解してくれるじいじやばあばも多いのではないでしょうか。
縦抱っこは大丈夫?脚も広がっている…
今やママの必需品となった、縦抱きタイプの抱っこ紐。中でもその代表的存在である「エルゴ」は大人気商品で、街中でエルゴをつけているママを見かけない日はないぐらい、愛用している人が多いですよね。
しかし以前は、赤ちゃんの縦抱きはNGとされていた時代もありました。確かに、ママが子供のころは、あまり縦抱っこって一般的ではありませんでしたよね。抱っこ紐は、赤ちゃんが横抱きになるタイプのもの、あとはおんぶ紐などが愛用されていたのではないでしょうか。
そんな世代のじいじばあばから見ると、縦抱きタイプの抱っこ紐はとても危なっかしく感じるよう。エルゴは足を開くので、股関節が脱臼してしまうのではないかと思う人もいるようです。
抱っこの仕方や、どんな抱っこ紐が良いかなどについては、赤ちゃんを出産した産院でも指導があったという方も多いのではないでしょうか。もちろん、首がすわる前の縦抱っこには注意が必要ですが、必要なインサート等を使用すれば、縦抱きをすることも可能です。
赤ちゃんのことが心配なじいじばあばには、「病院でも大丈夫だと言われた」という内容のことを伝えてあげると、安心できるかもしれませんよ。
昔は常識だった?大人から子供へ食べ物の口うつし
病院などで、「赤ちゃんに物を食べさせるのに大人と同じスプーンを使ってはいけない」と指導されたママも多いのではないでしょうか。大人の口から子供の口に、虫歯菌がうつる可能性があるため、口と口でのキスなどもNGと言われています。
でも、以前は、大人がかみ砕いたものを口うつしで赤ちゃんに与えるというのがわりと普通に行われていました。
筆者の父が家に遊びに来た時には、まだ小さかった娘にアメを口うつしで与えようとしていました。私は、とっさに「虫歯菌がうつるからやめて」と言ったのですが、「お父さんの口が汚いってことか!」と機嫌を損ねてしまいました。
後から、誰の口がダメということではなく、一般的に大人の口から子供の口に虫歯菌がうつってしまうことがある、というのを丁寧に説明して、理解してもらいました。
じいじやばあばと会うときには、あらかじめ、してほしくないことをまとめて伝えておいた方が、その時々で注意されるよりもお互い気分良く過ごすことができるかもしれませんね。
何でも早く、いっぱい食べさせるのが良い?
赤ちゃんのころの食事は、早くたくさん食べさせるのが良いと言われていた時期もありますが、今では、生後5~6ヶ月から少しずつゆっくりと始めるのが主流です。特に、アレルギーの出やすい小麦、卵、乳などの食品は、他の食材の進み具合を見ながら、少しずつ慎重に与えていくママも多いですよね。
赤ちゃんの食事は、アレルギーが関係してくるため、時に命にかかわることもあります。なるべく慎重に進めるようにしたいもの。そのためにも、じいじやばあばと食事をする機会があるときは、事前にしっかりそのことを伝えるようにしておきたいですね。
じいじばあばは子育ての強力なサポーター!上手に今の「常識」を伝えて
じいじばあばにとっての「常識」と、ママたちの「常識」には、実際のところかなりの違いがあります。
でも、育児の大先輩でもあるじいじばあば。孫を思う気持ちは、パパやママが子を思う気持ちにも負けないぐらい強いので、ちゃんと今の「子育ての常識」を理解できれば、良い子育てのサポーターになってくれるはず。
今は、子育てに関する世代間ギャップを埋めるために「祖父母手帳」などのツールも登場しています。じいじやばあばの孫を思う気持ちを害さないように、今の子育ての「常識」をわかりやすく伝えていきたいですね。