連絡帳とはどのようなもの?
子供が保育園に入園すると毎日記入することが多い「連絡帳」。特に低年齢のクラスではよく取り入れられていますね。
日本保育協会によると、連絡帳には以下のような役割があるとされています。
1日の大半を保育園で過ごす子どもの様子を保護者に伝えたり、また、家庭での様子を知らせ合うノートです。子どもの1日の生活がスムーズに流れていくように、また保護者と保育者の双方が、子どもを育てる者として対等の立場で1日の生活の様子や、気付いたこと、注意したい点、感想、要望などを記入し交換します。 出典: www.nippo.or.jp
連絡帳では、家庭と保育園での子供の様子を共有し、保護者と保育士が気づいたことや注意点などを伝え合います。また、お互いに感想や要望を伝えるためにも使います。
仕事に出かけて子供を預けている以上、保育園での様子は見ることができません。ママたちにとって保育園でわが子がどのように過ごしたかがわかる連絡帳は、とても大切なものですね。
連絡帳を上手に活用するポイント
保育園の連絡帳に書く項目は「体温」「就寝時間」「食事内容」など業務連絡に近いものが中心。しかし、それだけではなく連絡帳を上手に活用することで、育児に役立つ情報を得られたり、不安を解消したりすることができます。
保育園の選び方や園生活について書かれた書籍『はじめての保育園』を参考に、連絡帳を上手に使うポイントをご紹介します。
子供が好きな遊びを共有する
「子供が喜ぶこと」や、そんなときの「かわいい見どころ」を保育者といっしょに楽しめるようになれば、連絡帳も「達人」の域。子育ての楽しさを家族以外とも共有できるのが、保育園生活の醍醐味ともいえます。子どもが興味をもつようになったこと、できるようになったことなどをレポートしてアピールしてみましょう。反対に、保育者からわが子の意外な「いいところ」を教えられることも多いものです。 出典: amzn.asia
連絡帳を使って、自宅で楽しんでいる遊びを先生に伝えたり、保育園で子供がどういう遊びをしているのか先生に教えてもらったりしましょう。保育園と家庭の環境は違うため、子供が好きなものも違うかもしれません。知らなかったわが子の一面を知るのはうれしいことですし、そのやりとりから子供の愛らしさを共有できるのは楽しみですね。
保育園で楽しんでいる手作りおもちゃがあれば自宅で作成にチャレンジしてみたり、好きな手遊び歌を歌ってみたりすると、子供が喜びそうです。
育児で困っていることは気軽に相談を
子どもがグズグズモードから抜けられず、保育者に「まったく困ったものだ」と思われているのでは?と少し心配になったとき。
(中略)
家から:昨日もうすぐ1歳のひろおみくんとゆかりちゃんが遊びに来ていた間、ママが1メートル以上離れると泣き叫び、お茶をつぐのもままならないほどでした。みんなが帰ってしまうと落ち着きましたが...。でも甘えている間はご機嫌。正月休みの後遺症というよりは、こういう気分の時期なのかも。
園から:そうですね。いろいろ考えるより、ひろくんの気持ちをできる限り受け止めたいと思っています。 出典: amzn.asia
ママ自身が育児の中で困ったと感じていることがあれば、保育のプロである保育士に話してみましょう。園でも同じような様子が見られるかもしれませんが、事前に伝えておくことで保育士が対応を考えてくれます。
子供のコンディションは良い時もあれば、あまり良くない時もあるでしょう。どのような時でも連絡帳にその様子を伝えておくことで、ママが安心できますし、保育士側も対応の目安にすることができますね。
保育について気になることは素直に聞く
子どものようすで気になることがあるとき、あるいは園の対応に疑問があるときでも、ためないうちに率直に確認しあって協力体制を築く努力をしましょう。
ちょっと言い出しにくい、悪いほうの想像があるときでも、連絡ノートならゆっくり落ちついて考えて、喧嘩にならないプラス志向の表現を工夫して書けます。 出典: amzn.asia
保育園の対応について疑問を感じたり、改善してほしいと思ったりすることはあるもの。そのような時には、心に溜めこまずに連絡帳で尋ねてみましょう。
口頭で話そうとするとまとまらないことでも、ゆっくり考えながら連絡帳に書けば伝わりやすくなります。園側もママの申し出を元に回答を考えてくれます。連絡帳に書いてある回答でわからないことがある場合には、直接聞いてみてもよいかもしれませんね。
園生活は長いため、不満や心配ごとは溜めないことが一番。連絡帳を上手に使って解決しましょう。
- さつき保育園 練馬ルーム「保育室からのお願い」さつき保育園 練馬ルーム(http://www.satsukihoikuen-nerima.com/service.php?id=3,2017年6月15日最終閲覧)
- 保育園を考える親の会「はじめての保育園」152(主婦と生活社,2014年11月)
どのようなことを書いている?先輩ママのノート活用法
先輩ママは連絡ノートをどのように活用しているのでしょうか?実例をご紹介します。
先生がトイレトレーニングを応援してくれる
「現在トイレトレーニング中なのですが、自宅ではなかなかうまくいかない日があります。翌日『おもらししてしまいました』と連絡帳に記入すると『保育園ではみんなと一緒にトイレに行き、頑張っています。1日パンツで過ごせましたよ!』と励ましてくれました。心強いです!(3歳男の子ママ)」
保育園と家庭で一緒に行っていくトイレトレーニング。「自宅で始めてみたけれどうまくいかない」と悩んでいませんか?こちらのママは家庭でのトイレトレーニングへの不安を正直にノートに書いてみたそう。すると先生から「保育園では上手にできていますよ!」というメッセージが。
自宅では甘えがありトイレが成功しにくくても、保育園では頑張っていますと教えてくれるとうれしいものですね。
保育園で楽しんだ遊びや、子供の成長を共有
「子供を通わせている園では2歳クラスまで連絡ノートを使います。ノートには当日の体調のことや、気になっている点を書きます。体調のことはノートだけではなく口頭でも伝えます。先生は子供がどのようなことを楽しんでいたか、どのような様子だったかを細かく伝えてくれるので安心しています。たまに挿し絵もつけてくれて、パパと一緒にほほ笑ましく見ています。(4歳男の子、2歳女の子ママ)」
連絡帳をいつまで使うかは保育園によって差があるようですが、こちらの保育園の場合は2歳までだそう。ママは体調面のことや、睡眠のことで気にしている部分をノートに書き、口頭でも伝えるといいます。
園側からは子供が楽しんでいた遊びや、その時の様子が挿し絵付きで共有されるのだとか。平日働いているママは休日に公園に行けないことがあり「もうこんなことができるようになったのね」とびっくりするそうです。
子供の体調に少し不安があったママですが、このように楽しげな報告があると安心できますね。
好き嫌いを相談して、的確なアドバイスをもらった
「娘が2歳のころ、味噌汁をなかなか飲んでくれず、連絡帳で先生に相談したことがあります。先生から『嫌いだからといって食卓に出さなくなると、ずっと飲めなくなってしまうことがあるので、飲まなくても食卓に出してくださいね』とアドバイスしていただきました。実践していたところだんだん飲めるようになり、今では味噌汁が大好きです。(4歳女の子ママ)」
2歳頃ではイヤイヤ期があり、好き嫌いが多くなることがありますね。味噌汁を飲まないことをノートで相談したというママですが、先生から「引き続き食卓に出すことが大切」というアドバイスがあったそう。
その通りにしていると、娘さんはだんだん味噌汁が好きになり、今は大好きなのだとか。保育のプロのアドバイス、さすがですね。
連絡帳を上手に使って、快適な保育園ライフを
保育園と家庭での様子を伝えあう、連絡ノート。毎日何を書いたら良いのだろうと悩んでしまうことがありますが、あまり考えすぎずに、日々の育児で気になったことや、わが子のかわいいところを書いてみましょう。
保育士はたくさんの子供を日々見ているプロ。子育てに関するアドバイスや励ましは、きっとママの力になるはずです。連絡帳を使わなくなったり、卒園したりするころには、それまでの連絡ノートが大切な育児の記録になるでしょう。
毎日使う連絡ノートを上手に活用して、保育園生活をもっと充実させましょう。