子育ての「失敗」は、何度でもやり直せる
Ⓒ講談社
今泉さんの家族は、父、兄、今泉さん、そして息子と三代そろって動物学者。幼いころから父の標本づくりを手伝うなど、研究に関わってきたといいます。その体験を著書『気がつけば動物学者三代』(講談社・2018年7月20日発売)で明かしています。
「研究の途中、僕はたくさんの失敗をしました。父が大切にしていた研究用の動物をうっかり逃がしてしまったこともあります。しかし、父は僕を叱らず、その失敗から学ばせました。そして気がついたら、動物学者としての道を進んでいたのです」
著書の中で、オランウーランの孤児に関するエピソードは、人間の子育てに通じるところがあります。
「育児放棄されたオランウータンの孤児を育てる施設のことを書きました。飼育下で育ったオランウータンは群れで子育てをした経験がなく、育児放棄をする例があります。人間界でいう『母性本能で良い親になれる』というのは事実ではないのでしょう。初めてのことで失敗するのは、子育ても例外ではありません」
人間も「私はママなのに子育てがうまくいかない」と悩むことがあるもの。しかし「失敗はして当然。人間は学ぶ動物だから、何度でもやり直せる。だから頑張りすぎなくていいんです」と今泉さんはアドバイスします。
研究のエピソードとともに「失敗から学ぶ」というメッセージをくれる今泉さんの新刊。気になる方は手に取ってみてください。
子育てのゴールは、子供が自分の力で生きること
Ⓒママリ
今泉さんのお話から、人間は子供を思う気持ちが強いからこそ、子育てに悩みやすいことがわかりました。「よりよい子育て」を目指すのはよいこと。しかしそれを負担に感じたら、動物たちの子育てを思い出して「頑張りすぎていないかな」と自分に問いかけてみてください。
「人間も動物。子供の命だけは守って、失敗はどんどんさせて育てれば、子供は自ら生き方を学んで育つんですよ」と今泉さんはいいます。子育てのゴールは、子供が自分の力で生きること。ときには自分も子供も野生動物になったつもりで「生きていれば100点!」と考えてみると、スッと肩の力が抜けるはずです。
<写真:大島万由子>
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今泉先生が動物学者になるまでの経験や、研究の日々がつまった一冊。興味のある方はぜひ手に取ってみてくださいね。










