「嫉妬の発作」はコントロールができません
「嫉妬するなんてみっともない」と、思っているのに感じてしまうのが嫉妬心。このようなとき、私たちは「嫉妬の発作」を起こしています。なぜ発作なのかというと、嫉妬とは動物的な反応でコントロールできないものだから。動物が「自分の食べ物を奪われる」というような、生命の危機に関わるときに凶暴になる感覚や反応と同じなのです。
これは愛情の場合も同じで、本来受けるはずの賞賛や愛情を奪われると嫉妬の発作を起こし、自動的に破壊的なことを思う現象が人間には起きてしまいます。たとえば嫁しゅうとめ問題では、夫の愛情がしゅうとめによって奪われるということを本能で感じとると、凶暴化してしまったり、いじわるな気持ちが止められなくなってしまったりします。
相手のことを悪く言ってしまうのは、「相手を排除して自分に注目を向ける」という動物的本能による言動なのです。
気づかないうちに周りと比べてしまう「優劣の錯覚」
©Emiko Morishita
実は、人はいつも気づかないうちに「あの人よりもあの部分は私の方が上」というふうに優劣を考えています。さらに普通の人には「優劣の錯覚」という、自分は優れていると感じる機能が脳についているため、どこかで自分は平均より上と思っているのです。
しかし、この「優劣の錯覚」があるせいで、人は嫉妬の発作を起こしやすくなります。「相手よりも上」と思っているので、自分より下の立場の人間が自分の持っていないものを持っていると、「ビビビッ!」と嫉妬の発作を起こして相手を攻撃したくなってしまうのです。
嫉妬や劣等感を抱かず毎日を楽しく過ごす3つの方法
ここまでは、嫉妬が起こる仕組みについて説明してきました。では、一体どのようにしたらその嫉妬の発作を抑えることができるのでしょうか。
1.自分の嫉妬に気づこう
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まずは、自分の嫉妬に気づくことから始めましょう。嫉妬は動物的な発作なので誰にでも起きてしまいます。トイレに行きたくなるのと一緒のことなのです。
誰かに対して怒りや批判的な考えが止まらなくなってしまったときには「これが嫉妬の発作なのかもしれない!」と認め、思うようになることが大切な第一ステップです。
発作が起きたら、できるだけ何もしない
発作を起こしている感覚が分かったら、「今私は嫉妬の発作を起こしているんだ」と客観視しましょう。「この発作をなんとかして止めなければ!」と思うとますますひどくなってしまうので、できるだけ何もしないことが大切です。
もし身近な人であれば、「今は発作が起きているから放っておいて」と伝えることができたらベストです。
第三者には相談しない
誰かに相談をすると相手はなんとかしなければと思うので「どうしたの?」「大丈夫?」と刺激してきます。発作を起こしているときは、先ほど言ったように放っておいてもらうのが一番良い方法です。
触れられれば触れられるほどひどくヒートアップしてしまいます。発作を起こしているときは「誰にも相談しない」が鉄則です。
2.他人のことを気にしない
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「あの人がこれを見たらどう思うか?」というようなことを考えると、自然と嫉妬の攻撃を受けてつぶされてしまうので口にするのはNG。たとえばカリスマ性のある人は、自分が心から好きなことをしていて他人のことを全く気にしていません。また、周りの人に興味がないので悪口も言いません。
自分が好きなことをしているので「他人はどうでもよい」という感覚になるのです。しかし、この考え方をすることで結果的に周りから好かれる、人間関係が良好になるのです。
3.好きなことをしよう
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褒められたくて人に気を遣い、一生懸命頑張っていると「気を遣っているのに誰も私のことを褒めてくれない!」とストレスがたまってしまうことはありませんか。いつも人の気持ちを優先してしまって脳にストレスがかかっています。
こうなると、周りの人に嫉妬の発作を起こさせ、人間関係もギクシャクしてくることがあります。好きなことをしているときは人のこともあまり気にならず、周りも嫉妬の発作を起こすような人ではなく褒めてくれるような人が近づいてきます。
嫉妬・劣等感から解放されよう!
日々生活していく上で、夫婦、ママ友、仕事の付き合い…対人関係は切ってもきれないもの。人間同士が関われば「発作」として嫉妬は自然に起こってしまうものだということが、今までの説明で理解できたと思います。
今回紹介した内容は、以下の書籍に詳しく載っています。これを読んで、さらに嫉妬や劣等感への理解、日常での付き合い方を学びそれらから解放されましょう。
『消したくても消せない嫉妬・劣等感を一瞬で消す方法』
シリーズ累計25万部のベストセラー『「いつも誰かに振り回される」が一瞬で変わる方法』の著書である心理カウンセラー、大嶋信頼さんの最新作です。
誰しも仕事、恋愛、友人関係でイライラ、モヤモヤしてしまうことがあるかと思います。これら人間関係のトラブルのすべては嫉妬が原因?
どうして嫉妬してしまうのか、劣等感はなぜ消えないのか、どのようにしたら嫉妬の攻撃をうまくかわせるのか、脳科学と心理学の観点から優しい言葉で解説してくれています。
考え方を身につけて、生活をスムーズに
©Emiko Morishita
人間関係が面倒だなと感じ、たとえ社会から離れても、家族や夫婦も人間同士。そこには嫉妬や劣等感が生まれてしまうことも。
嫉妬は発作で誰にでも起こりうるものである、ということに対して衝撃を受けたり安堵感を覚えた方もいるのではないでしょうか。仕組みについて知ることで、新しい考え方を身につけて回避したり人間関係をスムーズにしたりすることができます。
嫉妬やイライラを感じることは、自己嫌悪にもつながり苦しくなってしまうもの。この本を読んで、毎日の生活を少し楽にしてみませんか。