葉酸とは
葉酸はビタミンB群の一種で、特に妊娠を望む人や妊娠した人に必要とされている成分です。葉酸は体にためておくことができないため、日常的に摂取していくことが望まれます。
葉酸は、ホウレンソウやブロッコリー、イチゴなど普段食べている身近な食材にも含まれているため、妊娠を考え始めたら積極的に取るようにするとよいでしょう。
ただし、食品から摂取できる量は限られているため、これらの食品とは別にサプリメントで葉酸を補うことが推奨されています。
- いまいウイメンズクリニック「妊活・妊娠に必要な栄養素は?【葉酸 ビタミン編】」(https://ameblo.jp/imai-clinic/entry-12363824525.html,2018年12月14日最終閲覧)
- 厚生労働省「神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に係る適切な情報提供の推進について」(https://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/02/dl/h0201-3a3-03c.pdf,2018年12月14日最終閲覧)
葉酸の働きと効果
葉酸は、体内での血液生産や赤ちゃんの発育を助ける働きがあります。継続的に摂取することで、赤ちゃんの脳や脊髄の発達異常である神経管閉鎖障害(しんけいかんへいさしょうがい)の発症リスクを軽減させることができます。
ただし葉酸は水溶性のビタミンのため、加熱や水分によって成分が失われやすい性質があり、葉酸を含む食材をゆでると、成分がゆで汁に溶け出してしまうことがあります。調理方法によっては体内への葉酸の吸収率は50%程度にとどまるとされており、摂取方法にも工夫が必要です。
- いまいウイメンズクリニック「妊活・妊娠に必要な栄養素は?【葉酸 ビタミン編】」(https://ameblo.jp/imai-clinic/entry-12363824525.html,2018年12月14日最終閲覧)
- 江戸川区「妊婦・妊娠を計画している方(葉酸・水銀情報)」(https://www.city.edogawa.tokyo.jp/smph/kenko/kenko/eiyo/point/ninpu/ninpu.html,2018年12月14日最終閲覧)
- 鈴峰今中医院「葉酸」(http://kawamura.gr.jp/app-def/S-102/wordpress/?faq=葉酸,2018年12月17日最終閲覧)
葉酸はいつから取り始めるとよい?
赤ちゃんの先天異常の多くは、胎児の中枢神経が著しく発達する妊娠10週以前に発生するため、できるだけ妊娠する1ヶ月以上前から葉酸を摂取した方がよいとされています。妊娠を考え始めた段階で意識して取り始めるとよいでしょう。
厚生労働省では、葉酸を摂取する時期について以下のように定義しています。
妊娠を計画している女性に関しては、神経管閉鎖障害の発症リスクを低減させるために、妊娠の1か月以上前から妊娠3か月までの間、葉酸をはじめその他のビタミンなどを多く含む栄養のバランスがとれた食事が必要であること。 ※1
妊娠中も葉酸を摂取した方がよい?
胎児の中枢神経が発達する妊娠3ヶ月までの間は、積極的に葉酸を摂取することが推奨されています。妊娠3ヶ月以降も葉酸の摂取を継続しても構いませんが、妊娠初期のようにサプリメントで補う必要はなく、食事から取れる分だけでよいでしょう。
- 高橋ウイメンズクリニック「よくあるご質問」(https://www.takahashi-w-clinic.jp/faq.html?c=supplement,2018年12月14日最終閲覧)
- 厚生労働省「神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に係る適切な情報提供の推進について」(https://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/02/dl/h0201-3a3-03c.pdf,2018年12月14日最終閲覧)
- いまいウイメンズクリニックのブログ「妊活・妊娠に必要な栄養素は?【葉酸 ビタミン編】」(https://ameblo.jp/imai-clinic/entry-12363824525.html,2018年12月14日最終閲覧)
- 日本産科婦人科学会(監)「Baby+お医者さんがつくった妊娠・出産の本」P51(リクルートホールディングス,2015年)
葉酸サプリを飲んでもよい?
妊娠希望、もしくは妊娠中の人は、葉酸は一日あたり0.4mg(400マイクログラム)の摂取が望まれています。食べ物に置き換えると、ホウレンソウのおひたしであれば小皿に約4皿分、加熱していないキャベツであれば約半分を食べる必要があります。
普段の食事からでもある程度摂取することが可能ですが、食事からだけでは補いきれないため、サプリメントで補うとよいでしょう。特に妊娠初期は、つわりなどの影響で十分に食事が取れないこともあるため、サプリメントを利用してうまく栄養補給ができるとよさそうですね。
ただし、1日の葉酸摂取量の上限は1mg(1,000マイクログラム)までとされています。必要な栄養素だからといって過剰に取りすぎないように注意が必要ですが、妊婦の一日の平均葉酸摂取量は230マイクログラムといわれており、通常の生活で上回ることはなさそうです。
心配な場合は、産婦人科医や薬剤師に相談してみましょう。
食品だけでは葉酸が不足していると感じてサプリメントで補っている人は多いようです。葉酸サプリメントの種類は多く、ドラッグストアで入手できるものから医療機関、助産院で入手できるものまでさまざまです。
ただし、妊娠初期にビタミンAを過剰に摂取すると胎児奇形を起こす可能性があります。サプリメントの中にはビタミンAを多く含んでいるものもあるため注意が必要です。サプリメントの成分をしっかり確認して、葉酸単体もしくは葉酸と他のビタミンB群のみが含まれている物を選ぶと安心です。
選び方がわからない場合は、産婦人科で確認してみるのもよいでしょう。
- 日本家族計画協会「葉酸」(http://www.jfpa.or.jp/women/yosan/,2018年12月14日最終閲覧)
- 新百合ヶ丘総合病院産婦人科リプロダクションセンター「リプロだより」(http://www.reproduction.shinyuri-hospital.com/notice/notice04_folic_acid.html,2018年12月14日最終閲覧)
葉酸は工夫しながら摂取しましょう
葉酸は、妊娠を希望する人や妊娠した人にとっては積極的に取りたい栄養素です。普段の食事から補給することも可能ですが、妊娠した場合より多く葉酸が必要です。食品から取れる量にも限度があるため、足りない分はサプリメントを利用するのもよいでしょう。
ただし、必要な栄養素だからといって無理してまで取ることや、限度量を超えるような大量摂取はよくありません。あまり神経質になりすぎず、体調に合わせて食事やサプリメントから上手に取り入れるようにしましょう。