「かわいそうな子」ではない、「かわいそうな子」にしない
もしも離婚となってしまった場合、又は、夫婦関係がうまくいっていない場合など、ママは自分自身に欠陥を感じたり、子供に対して後ろめたさや申し訳ないという思いを抱えたりすることも。
しかしその際に一番大事なのは、子供に「かわいそうな子」というレッテルを貼らないことです。たとえ言葉には出さずとも、心のどこかで子供に対して「かわいそうな子…」という思いを抱えている場合、その思いは確実に子供へと伝わります。
そして自分のことをかわいそうと思われることほど人はふびんなことはありません。たとえどのような状況となっても子供を「かわいそうな子」と勝手に決めつけず、「親子は仲間」のスタンスでママはできることを精一杯やるだけ、そしてその先の思考や感情は子供自身の問題(課題)であり、子供を信頼して任せましょう。
「ただ一緒にいるだけ」も大事なこと
ママたちの中には子供と一緒に遊ぶことが苦手という方もいらっしゃいます。かくいう筆者もその一人です。一緒に遊ぶことが好きではないなんて母親としての素質がないのかと落ち込むこともありましたが、そんな時、「何もしないで親子が一緒にいる時間も子供にとっては大きな心の安定につながる」ということを知り救われました。
以前のコラムの中で、ママが時間のない中で子供と関わる状況が難しい場合に、子供がママに対して「一緒にいるのに一緒じゃない」という不満や寂しさを覚える場合もある…といったお話をし、一見そのお話とは矛盾するように感じられますが、親子が一緒の空間にいてそれぞれが違うことをしていても、子供がヘルプを出した時に親がすぐにサポートできるかどうかで子供の受け止め方は変わります。
思春期になっても「何かあればヘルプを出せる距離感」が大切
幼少期だけではなく、高学年の思春期の時期でも同じことで、何も話さなくてもそばにいる、何かあった時に子供が親に助けてと言える関係性や距離感であることが大事となり、それが子供の心の安定にもつながります。
時間がないから子供と一緒に遊べない、遊ぶのが苦手で子供に寂しい思いをさせてしまっている…などと、ママが自分自身を責めてしまいそうになる時、「自分は子供のそばにいられているかな?」「子供がヘルプを出してきた時に私はサポートできているかな?」と振り返ってみましょう。もしもその時できていなくても、気づいた時から始めれば大丈夫です。
さいごに
今回は、離婚後にわが子を「かわいそう」にしない、ママの心の持ち方についてご紹介しました。
結婚生活を送る中で、時には離婚の文字が頭をよぎることもあるでしょう。そんな時は自分のことに精一杯で子どものことを考えられなくなってしまうこともあるかもしれません。
しかし、そんな時こそ自分の負の感情は一度脇へ置き、子どもについて、子育てについて、少し立ち止まって考えてみませんか。全か無かではなく、複数の選択肢がきっとあるはずです。
いわもと くみこ(離婚カウンセラー/勇気づけ子育てコーチ)
NPO法人日本家族問題相談連盟認定 夫婦問題・離婚カウンセラー資格取得。その後、子育てコーチングを学び、親の離婚が子に与える影響に焦点を置き、現在「一般社団法人りむすび 共同養育アシスタント」としても活動中。また、ヒューマン・ギルド認定 ELM勇気づけリーダーとしてママ向け体験学習講座も行っている。