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監修:佐藤りか

「早生まれって損…」と感じたら、親が心にとめておきたい3つのこと

1月1日から4月1日に生まれた子どもを「早生まれ」といいます。4月2日以降に生まれた子どもと比べると1年ほどの差があることから「早生まれは損」「成長が遅く感じられて不利」などと言われることがあります。しかし、実際は損でも不利でもありません。今回は、早生まれを悲観しなくてよい理由と、早生まれの子を持つ親が心がけたいことをお伝えします。

PIXTA

「早生まれだから…」と悲観しなくてよい理由

0~2歳は1年間の成長が著しく、生まれ月が1か月違うだけでも発達には大きな差が見えることがあります。学年でいうと同級生になる0歳児同士でも、生まれ月によっては寝返りができない子がいる一方、すでに歩いている子もいます。

早生まれの子は同級生の中で月齢が低く「他の子に比べて発達が遅く見える」というのは当然のこと。しかし、こうした状況だけで「早生まれは不利かも」と悲観する必要はありません。ここからはその理由をご説明します。

身近な同級生から、常に刺激を得られる

真似 PIXTA

子どもにとって、自分が知らないことや、やったことがないことをしている仲間は刺激的な存在です。少し発達が進んでいる友達を見て刺激を受け、新しいことにチャレンジするきっかけを得られることはあるでしょう。同級生が自分にできないことをやる姿を見て学んだり、やり方を聞いて実行したりする場面も見られるかもしれません。

早生まれかどうかに関わらず、さまざまな新しいことに出会える状況にワクワクする子はいるでしょう。初めはうまくいかなくても、友達と同じことをできた瞬間に達成感を得られる面で、プラスとも考えられます。

新たなステップに早くチャレンジできる

入園式 PIXTA

幼稚園の3年保育に入園する場合、4月生まれの子は4歳間近で入園しますが、早生まれなら3歳になってすぐ入園することになります。

「ほかの子はもう4歳近くてしっかりしているのに…」と親は不安にかられるかもしれませんが、本人にとってはマイナスばかりではないはず。早生まれの子は、3歳代の早い段階で、集団生活というステップにチャレンジできます。友達に囲まれる環境に順応したり、人と協調したりすることを早く学べるとも考えられます。

中には親の心配をよそに、新たな環境を目いっぱい楽しめる子もいるでしょう。一概に「早生まれだから」と不安になる必要はありませんよ。

早生まれの子を持つママが心にとめておきたいこと

インターネット上などで「早生まれは損」というワードを目にして落ち込んだ経験がある方はいるかもしれません。さまざまな情報が飛び交うこの時代だからこそ、早生まれの子を持つママに心にとめておいてほしいことがあります。

ネガティブな情報に心が乱されそうなとき、思い出してくださいね。

ほかの子と比べず、わが子のポジティブな面を見る

悩む PIXTA

そもそも「早生まれ」という言葉自体が、他の月生まれの子と比較する意味の言葉です。生まれ月を気にするあまり、他の同級生とわが子を比較して考える癖がついていませんか?

「この能力が遅れているみたい」など、同級生と比べてネガティブな面を見るのではなく、わが子のポジティブな面に目を向けるようにしましょう。

生まれ月を気にせずわが子の成長だけを見れば、着実に一歩一歩成長していることに気づくはずです。つい他の子の成長ぶりに心がざわついてしまうときこそ、わが子の成長を振り返ってみてください。

子どもの前で「早生まれだからできない」と言わない

夫婦 会話 子ども amana images

子どもは意外と大人の会話を聞いています。パパとママの会話の中でつい「早生まれだから遅いのは仕方ないよね」などの言葉が出てしまうことがあるかもしれませんが、子どもの前で話すのはやめましょう。

言葉を理解した子どもは「自分は遅いのかな」「できない子なのかな」と感じてしまうことがあるかもしれません。まだ子どもが話の意味を理解していないと思う時期でも「早生まれだからできない」という発言はやめましょう。

どうしても気になるなら、違う環境を選ぶのも手

保育園 PIXTA

「早生まれ」が気になる理由は主に、保育園や幼稚園のクラスが学年区切りになっているからではないでしょうか。どうしても同級生の中での遅れが気になってしまう…という方は、学年内での差が気になりにくい環境を選ぶ手もあります。

一部の保育園や幼稚園では、異年齢の子どもたちを同じ空間で保育する「縦割り保育」を行っています。たとえば3歳児から5歳児を一斉に保育することで、学年の区切りなく、ときにはお兄さんお姉さんのように振る舞ったり、ときには弟や妹のように甘えたりしながら成長できます。

親としても、学年の区切りを気にせずに子どもの成長を見守れることで、焦る気持ちが和らぐかもしれませんね。

園生活以外でも、異年齢で一緒に活動する習い事を選ぶことで、わが子なりの成長に目を向けやすくなるメリットがありそうです。

出典元:

わが子にとっての「できた」を大切に

バンザイ PIXTA

子どもの1年間の成長はとても大きいだけに、わが子よりも発達が進んだ子の姿を見て「追い付けるだろうか」と不安になることはあるものです。しかし、学年という区切りにとらわれて、ネガティブに比べてしまうのはもったいないかもしれません。

ほかの子と比べるよりも、わが子の過去と今を比べ、できるようになったことに目を向けましょう。一つ一つできるようになったら「やったね」「頑張ったね」と一緒に喜ぶことが大事です。たくさんの「できた」という成功体験が、わが子を豊かに成長させてくれるはずですよ。

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記事の監修

株式会社子育て研究所 代表取締役

佐藤りか

株式会社子育て研究所代表、教育コンサルタント。
ベネッセコーポレーションなど教育業界で長年勤務。幼児教育から高等教育まで幅広く知見を深める。その後、株式会社子育て研究所代表取締役に就任。子どもとママ向けのアットホームなサイト「アフェクション」、編集業「ものかき」などの運営を手掛け、自身の執筆・監修や講和も多数。各種ビジネスコンテストで大賞や優秀賞の受賞歴がある。その他、東京都主催「TOKYO STARTUP GATEWAY」にてメンター&講師を務める。プライベートでは2児ママとして仕事と家庭の両立を強く意識して活動中。

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