小学校で、体育の時間に肌着が禁止されていることがある
学校にはさまざまなルールがあります。すべてに同意できるわけではないかもしれませんが、学校は集団生活の場。子どもの安全確保や秩序の維持のためには、できるだけ協力したいものですよね。
でも中には、理由がわからないものや時代錯誤で子どものためになっていないように感じるルールも残っていることがあるようです。
例えば、最近ニュースで取り上げられたのが、「体操服の中に肌着を着用しない」というルールに対し、スポーツ庁から全国の教育委員会に見直しを求める連絡がされたという内容でした。
体操服は週末に持ち帰って洗濯することもあるため、汗をかいても1週間そのまま着用することになってしまいます。衛生面も気になりますよね。
このようなルールがあり、親としては肌着を着用させたいと思う場合、どのような対応ができるのでしょうか。先輩ママたちの体験談から、対策や解決案について考えてみましょう。
- NHK「体操服の下の肌着など 長崎県内の37小学校で着用禁止」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210401/k10012949121000.html,2021年7月2日最終閲覧)
- 全国新聞ネット「「体育で肌着禁止」見直しを」(https://www.47news.jp/6010225.html,2021年7月2日最終閲覧)
肌着禁止の小学校って本当にあるの?先輩ママの体験談
ママリにも、「体操服の下に肌着の着用禁止」のルールについての投稿がありました。実際にこのルールに違和感があるママは少なくありません。
でも、それをどのようにして変えたらよいか、学校にリクエストをどのように伝えたらいいのか悩んでいるようです。
「体操服の下の肌着禁止」
うちも漏れなくそうなのなのですが、理由があるとは言えどう考えても納得いかない😂
うちの子は先生に言って、着替え分の肌着も持たせているけど面倒です。忘れた事もあるし…(当然その日は着ていた肌着は脱がされたそう😭)
女の子だし、この謎なルール本当に勘弁して欲しい。
ブラック校則の一つですね🙄
早い子は嫌ですよね💦男子はあっちーからって脱いで体操着きて、もう一回肌着なんて着てませんでしたけど😩
これらモンスターペアレントではないと個人的に思ってます💦校則だから、ルールだからと縛っていいこととは違います💦
わたし的には男の子でもおかしいなぁ?と感じるくらいなのと女の子小学一年の子も嫌だったと話してるので不快に感じましたが、みなさんはどう思いますか?
同じようなルールは本当にあるようですね。筆者の息子が通っていた小学校にも同じようなルールがありました。肌着を着ていることがわかると、教室に戻って脱いでくるように指導されていました。
肌着のことだけでなく、着替えのときの様子を気にしている声もありました。体の変化も大きい子どもたちにとって、これはとても大事なことですよね。
親や子どもたちの感じ方はいろいろあるのかもしれませんが、ママたちはどのように感じているのでしょうか。
小学校で肌着禁止のルール、先輩ママの反応は?
実際に存在している肌着禁止ルールですが、親や子ども自身は違和感や恥ずかしさを感じているようです。
ママリにもこのような声が寄せられました。
その時点で不信感しかないです;
着替えの時に先生が教室にいた記憶はないですし
男なら尚更配慮に欠けていると思います...。
学校に電話しちゃいます!!
うちも肌着NGで、低学年なので着替えは男女同じみたいです。
3年?4年?からは更衣室があるみたいですが…
自分が小学生の時もそうだったのでおかしいとは特に思いませんでした。
でも恥ずかしい子はもう恥ずかしいと思う年齢ですよね。
体の成長や精神面での成熟には個人差があるため、「何年生から◯◯」などのルールがあっても困りますよね。
実際、筆者の息子が通っていた小学校でも、「肌着が着られないのはおかしい」「この指導自体が気持ち悪い」という声をよく耳にしました。
では、そのようなとき、どう対応するといいのでしょうか。
小学校で肌着禁止の理由と着せたいときの対策案
体操服の中に肌着を着てはいけないという指導が話題になったことで、同時に考えさせられるのが、体操服に着替えるときの環境。
男女同じ教室で着替えたり、男性教師が見ているところで女の子も一緒に着替えたり。この環境で肌着を脱いで着替えなければならないというのは、子どもたちにとって本当に健全なのか心配になってしまいます。
小学校2年生の女の子を育てるママから、以下のような声がありました。
体育のときは肌着禁止で体操服を着ます。
娘に聞くと担任は男の先生ですが
着替え中も教室にいて
男女も一緒に着替えるとのこと。
お家では人前で着替えたり
男の子に裸を見せるのは恥ずかしいことと教えていて
弟や父親の前で着替えることも避けさせています。
どう考えてもおかしいと思うので
学校に意見したいのですが
どうしたらいいのでしょうか。
ややこしい親とも思われたくないので
出来れば匿名で。
これは普通なんでしょうか?
やはり、私が異常ですか?
私の感覚では、裸で着替えあうなんて
考えられなくて。。
子どもが安心して学校生活が送れるよう、健全な環境作りを学校に期待するのは当然のこと。
もちろん、このルールについてどのように感じるか、ママたちの間でも意見が異なるかもしれませんが、学校に納得できないルールや慣習があるとき、どのような対応をしたら学校側も真剣に対応してくれるのか、ポイントを知っておくと、今後の参考になりそうですよね。
クレームを言う以上の何ができるのか、一緒に考えてみましょう。
体育の時間に肌着禁止の理由は?
そもそも、体操服の中に肌着を着てはいけないというルールは、どうして作られたのでしょうか。その理由がわかると、このルールへの対応策が見えてくるかもしれません。
肌着禁止のルールがあるというニュースの中で、理由について以下のような記載があります。
こうした指導を行う理由については「汗をかいたあとも肌着を着続けることは衛生面や健康管理面で問題がある」などといった回答がありました。 ※1
これを見ると、やはり本来は子どもたちの健康を考えて作られたものなんですね。
ただ、体操服は毎回洗濯できないこともあるため、汗で汚れたままその週の体育の授業を受けなければならないということに。夏たくさん汗をかく時期や運動会の練習で連日体育があるときは、本当に不快ですよね。
また、小学生であれば体も心も成長してくるころ。恥ずかしさを感じたり、不快に思ったりしてもおかしくありません。昔はそれが当たり前だったとしても、時代の変化と共にルールの見直しも必要です。
肌着メーカーの見解は?
体操服の中に肌着を着用することの必要性について、肌着メーカーはどのように解説しているのでしょうか。
体操服の下に着るインナーにはいくつかの役割があります。まず、皮脂や汗を吸収してくれること。肌着を着用することで、たくさん汗をかいても体操服が汚れることを防いでくれます。
また、寒い季節は体を冷えから守り、暑い季節には汗を吸収して蒸れを防ぐ、体温調節の役割も果たします。
体の変化を経験する時期ですが、デリケートな部分を保護するという役割もあります。ハーフトップやカップ付きインナーを着ることで、体のラインをカバーし、胸が擦れてしまうことがないようにできます。
成長に合わせた肌着選びも大切です。衛生面はもちろん、さまざまな角度から考えて、子どもにぴったりの肌着を着られるようにしてあげたいですね。
- GUNZE「体操服の下インナー禁止問題!?運動時のインナーの必要性について」(https://www.gunze.jp/kigocochi/article/1h202007-04/,2021年7月2日最終閲覧)
- GUNZE「Tシャツと肌着って何が違うの?今すぐ知ってほしい、子どもの為の肌着の役割」(https://www.gunze.jp/kigocochi/article/1h202006-05/,2021年7月2日最終閲覧)
肌着を着せたいときはどうすればいい?
子どもの通う小学校に体操服の中に肌着着用禁止のルールがあり、自分の子どもには肌着を着用させたいと考えている場合、どのように対応できるでしょうか。
著者自身の体験談やスポーツ庁が明らかにしている取り組みなどから、どのように学校側に働きけかけることができるかヒントが見つかるかもしれません。
それぞれ状況は異なるものなので、「自分の立場ならどうできるだろう」と考えながら、参考にしてみてくださいね。
学校への相談ステップ
肌着禁止のルールをどのようにして知ったでしょうか。学校から具体的に言われたのか、子どもから聞いたのかによって、相談の仕方も異なるかもしれません。
子どもから聞いただけなら、まずは担任の先生にルールの確認をすることから始められるかもしれませんが、学校からルールとして明確に知らされたという状況を前提に、ママリに寄せられた先輩ママたちの声を紹介します。
ルールとして確立されている場合は、担任の先生の一存では変えられず、きちんと対応してもらえないことがあるかもしれません。教頭先生など、学校全体のルールに精通した立場の先生に相談してみることができそうです。
学校に相談するときはまず、電話などできちんとアポイントを取り、直接相談することがおすすめ。学校全体のシステムや運営に関わることの場合、直接教頭先生や学年主任などに話すことができます。
筆者も別の件ではありますが、学校に相談する必要が生じたときは、まずは電話でアポイントを取りました。教頭先生は出張などで不在だったり忙しくしていたりするので、急に訪ねても時間が取れないこともあります。
ただクレームを言いたいのではなく、真剣に検討していただきたいという気持ちを伝えたいので、こちらにもそれなりの態度や対応が求められるのは当然のこと。
不安なときは、同じ意見のほかの保護者も一緒に相談に行くことも検討するとよいかもしれません。
行政の動きは?
スポーツ庁は「社会通念や安全確保の観点から認め難い肉体的・精神的な負荷を課すこと」をハラスメントに指定しており、児童の心情や保護者の意見を尊重した上で肌着着用についての方針を見直すよう、全国の教育委員会に事務連絡したとのこと。
児童の肌着の着用を禁止や強制的な指導は行っていないと明確に述べる市教育委員会もあります。
肌着禁止のルールが今でも残っているのが現実ですが、行政としてはこのような指導は行わないという方向性のようです。
地道に働きかけていくことで、少しずつ変化していくといいですね。
- 川崎市教育委員会「市立小学校における体操服に関する指導について」(https://www.city.kawasaki.jp/880/page/0000127317.html,2021年7月2日最終閲覧)
- スポーツ庁「学校における体育活動中の事故防止及び体罰・ハラスメントの根絶について」(https://www.mext.go.jp/sports/b_menu/hakusho/nc/1418753_00001.html,2021年7月2日最終閲覧)
- 毎日新聞「体育での肌着禁止 スポーツ庁が見直し要請 全国の教育委員会に」(https://mainichi.jp/articles/20210323/k00/00m/040/378000c,2021年7月2日最終閲覧)
学校と協力して、安心できる学校作りを
肌着禁止ルールは子どもの安全や健康に関わる大切なことなので、親としても真剣に考えたいところ。必要な場合は学校にも相談して、子どもが安心して体育の授業を楽しめるようにしてあげたいですね。
筆者は息子の在学中、PTA活動に加え図書ボランティア活動にも参加しました。参観日やイベント以外のときに学校に行くと、先生たちの仕事の大変さに気づかされます。子どものためだけでなく、保護者からのクレーム対応に本当に苦労していました。
学校のルールに疑問を感じると、つい強く意見を言いたくなりますが、まずは冷静にな穏ってよりよい方向に向かうように伝え方も工夫しましょう。
そうすれば、何かあったときに子どもも安心して親と先生に相談しやすくなりますよ。学校と保護者が協力して、より良い学校を作っていけるといいですね。