わが子が夜驚症ではないかと不安
具体的には目を瞑ったままベッドの上を泣きながら転がり回り、「落ち着いて!ママだよ!こっち見て」とか声をかけてみるのですが、やだやだやだーと大泣きします。よく分からないことを言っている時が多いです。少しすると落ち着いてまた寝ます。
これは夜驚症の可能性はありますか?
(中略)何で?どうして?と原因を探りたくなってしまいます😢
ママリに寄せられた、子どもの夜泣きの様子を心配する声です。この様子だけでは夜驚症かどうか診断することはできませんが、泣き叫ぶような様子が見られると不安になるでしょう。
また、もし夜驚症であれば何が原因で、どんな対処をすればいいか悩みますよね。
成長段階の脳が起こす「夜驚症」
夜驚症とは、主に寝入ってすぐの時間帯に突然起き上がり叫んだり歩いたりする症状のことをいいます。症状が出ているときは、心拍数の上昇や発汗を認めます。部屋の外にでようとすることもありますが、実際に外にでることはあまりありません。
ノンレム睡眠(熟睡している状態)からの覚醒障害といわれており、3歳から8歳ほどの子どもに多く見られます。
- MSD製薬「小児の睡眠障害」(https://www.msdmanuals.com/ja-jp/ホーム/23-小児の健康上の問題/小児における行動面の問題/小児の睡眠障害#v817490_ja,2021年7月26日最終閲覧)
- 東邦大学「~子どもによくみられる症状~ 「夜驚症・夢中遊行症」」(https://www.lab.toho-u.ac.jp/med/sakura/ped/links/tjoimi0000000apr-att/tjoimi0000000awj.pdf,2021年7月26日最終閲覧)
夜驚症の原因が思い当たれば対処を
夜驚症は原因が特になくはじまることも多いです。家族で夜驚症の症状があった人がいると発症しやすいと言われており、遺伝がある程度あるといわれています。
その上で何か夜驚症のきっかけとなるストレスがなかったかの原因を考えることは大事です。すべてに原因があるわけではありませんが、原因が思い当たれば対処してあげると良いでしょう。
- 元住吉こころみクリニック「夜驚症(睡眠時驚愕症)の症状・診断・治療」(https://cocoromi-cl.jp/knowledge/psychiatry-disease/insomnia/night-terror/,2021年7月26日最終閲覧)
- 大木秀一「小児期の睡眠時に問題 となる行動の統計遺伝学的解析」日衛誌55/489-499,494(2000)
夜驚症を疑う状況のときは、まず安全の確保を
夜驚症の子に話しかけても気がつかなかったり、意味不明なことを言ったりすることが多いでしょう。翌朝そのことを覚えていないことがほとんどです。
症状を見たときは、子どもの安全を確保しましょう。部屋からでてしまうことはあまりありませんが、部屋から出られないようにする、2階建てベッドの上に寝ていたら、落ちないようにするなどです。無理に子どもを起こさなくて大丈夫。特に危険がない場合は、放っておいても大丈夫です。
症状の多くは数分~10分くらいで収まりますが1時間くらい続くこともあります。夜驚の症状が長期間続くときには、小児科で相談してみましょう。お薬が効くこともあります。
深刻な病気ではないと考え、あわてずに相談を!
急に夜に泣き叫んで起きるなどの行動が始まると、親としては焦ってしまいますよね。一晩で何回も起こることは少ないので、落ち着いて対応しましょう。
ストレスが続いていると考えられるときは、ストレスケアをしてあげると良いですが、ストレスを作ってしまったと親が自分を責める必要はありません。
症状が続いて大変な時、心配な時は受診をしましょう。解決の糸口が見つかるかもしれません。