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保育園の転園は難しい?
一般的に「保育園の転園は難しい」と言われますが、その理由は空いている保育園を見つけるのが難しいことが理由です。保育園に空きが出るのは基本的には年度末なので、タイミングが合わないと転園できる保育園が見つからないことも少なくありません。
また、引っ越しなどで転園をする場合は、すでにその地域に住んでいる人が優先されること、引っ越し先の相談窓口まで行くことの大変さなども転園が難しくなる理由の一つ。
待機児童もいる中で、新たに転園できる保育園を見つけることは至難の業。引っ越しによる転園であればさらに難しいと感じられるかもしれません。
保育園の退園と転園の流れ
たとえ転園が難しくても、引っ越しなどでどうしても転園しなければならないこともありますよね。そこで、今利用している保育園を退園して、転園するための手続きについて順を追って見ていきましょう。
- 退園に必要な書類と提出期限を確認する
- 転園を希望する保育園の情報と入園に必要な書類を確認する
- 決められた日程までに退園届を提出する
- 住民票を移動させる
- 入園希望の保育園を見学する
- 転園に必要な書類を提出し申請を行う
- 面接
- 内定
今利用している保育園を退園するには、定められた期限までに退園届を提出しなければいけません。スムーズに転園手続きを進められるよう、退園届を提出する前に転園を希望する保育園の情報も集めておくのがおすすめ。
退園届を提出したら、できれば住民票の移動をしてから保育園の見学に行きましょう。保育園入園は地域の人が優先されるので、住民票を移動させておいたほうが転園できる可能性は高まるはずです。できれば見学にも行けると良いですね。
そして必要な書類を準備したら、転園の申請を行います。面接を経て、内定をもらえれば保育園の転園手続きは完了です。
退園・転園の流れは各自治体により違う場合があるので、事前に必要書類や書類の提出期限を確認し、遅れないように準備を進めてくださいね。
- 堺市「令和3年度保育施設の利用申込(新規・転園)状況の公表について」(https://www.city.sakai.lg.jp/smph/kosodate/hughug/lifestage/hoikuen/moushikomi/r3riyomoshikomijokyo.html,2021年8月12日最終閲覧)
- 中野区「保育所等 入園後の手続き」(https://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/dept/244000/d016419.html,2021年8月12日最終閲覧)
転園に必要な手続きをチェック
それでは、保育園の転園に必要な手続きをさらに詳しく見ていきましょう。必要な書類がたくさんあるので、漏れがないようにしっかりと確認することが大切です。
転園に必要な手続きは主に「退園届の提出」「転園届の提出」ですが、引っ越しによる転園の場合は「住民票の移動」もしなければなりません。それでは、保育園転園に必要な手続きについて、それぞれ解説していきます。
退園届の提出
保育園を転園するためには、まず退園届の提出手続きを行いましょう。提出期限は一般的に退園する月の末日までとされていることが多いようです。保育園に退園届を確認してもらったら、その保育園を管轄する自治体の窓口に提出しましょう。
自治体により退園届の提出期限が違ったり、他に提出書類が必要になったりする可能性もあるので、事前に各自治体に問い合わせて確認されることをおすすめします。
- 練馬区「退園(継続通園)について」(https://www.city.nerima.tokyo.jp/kosodatekyoiku/kodomo/hoiku/hoikuen/zaien/nyuuengo/taienkeizokutuuen.html,2021年8月12日最終閲覧)
- 新宿区「引っ越しが決まったら・・・」(https://www.city.shinjuku.lg.jp/content/000205953.pdf,2021年8月12日最終閲覧)
- 渋谷区「退園届・保育継続願」(https://www.city.shibuya.tokyo.jp/assets/kodomo/18toien_hoikukeizoku2021.pdf,2021年8月12日最終閲覧)
転園届の提出
退園届を提出したら、次は転園届の提出をします。保育園を転園する際には、保育の必要性を判断してもらい、「保育認定(2号・3号)」を受けなければならず退園時よりも提出書類が増えるため注意が必要です。
転園届の提出の際に必要な書類をまとめてみましょう。
- 転園申込書
- 支給認定申請書
- 保育の必要性を証明するための書類
- マイナンバーカード
※マイナンバーカードで税額が確認できない場合は次のいずれかが必要
- 特別徴収税額の決定通知書のコピー
- 所得課税証明書のコピー
- 非課税証明書のコピー
保育園の転園手続きには公的な書類が多く必要となりますね。保育園を利用するには、支給認定申請書と保育の必要性を証明できる書類を提出して認定を受けます。
保育の必要性を証明できる書類はそれぞれのご家庭の状況により変わりますが、たとえば仕事で保育が必要な場合なら就労証明書、病気のため保育が必要なら診断書などです。保育園の料金は世帯の所得から決まるので、税額を証明できる書類も必要。
これらの提出書類をすべて準備したら、転園を希望する保育園を管轄する自治体の窓口に行って転園を申し込みます。
- 内閣府「よくわかる「子ども・子育て支援新制度」」(https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/sukusuku.html,2021年8月12日最終閲覧)
- 内閣府「倉敷市における子ども・子育て支援給付の状況」(https://www.cao.go.jp/bunken-suishin/doc/tebukai40sa-shiryou01_4.pdf,2021年8月12日最終閲覧)
- 中野区「現況届」(https://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/dept/244000/d016419_d/fil/genkyotodoke.pdf,2021年8月12日最終閲覧)
- 厚生労働省「平成20年度横浜市保育所入所案内」(https://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/09/dl/s0918-11b_0002.pdf,2021年8月12日最終閲覧)
保育園を転園する際の押さえておきたいポイント
ここまで保育園の転園手続きについてお話してきましたが、後悔しないためには、転園の際に押さえておきたいポイントがたくさんあります。「保育園転園してよかった」と思えるように、ポイントをチェックしてから転園を決意しましょう。
転園するタイミングを吟味する
もし転園するタイミングを選べるなら、保育園の定員に空きが発生する年度初めがベストタイミングです。
最初にお話したように、保育園の転園が難しいと言われるのは、定員に空きがないことが最大の理由。年度初めであれば進級で定員に空きが出るので、転園先の保育園を見つけやすいはずです。
今の保育園に転園をいつ伝える?
保育園の転園をいつ伝えるべきかタイミングに迷う方もいらっしゃるかもしれませんが、転園日が決まったらできる限り早めに保育園に伝え、退園届を提出してください。
いつ伝えるべきか迷っていて月をまたいでしまうと、たとえ転園後であっても来月分の保育園料金が発生します。退園を決断したらすぐに退園届を準備して、早めに提出しましょう。
転園による子どもへの影響を考える
遠方への引っ越しなど致し方ない場合は別ですが、保育園や保育士さんが合わないという理由で保育園を転園したいと思われる場合は、子どもへの影響についても考慮したいですよね。
保育園を転園すると、それまでの保育士さんやお友達と離れてしまうので子どもがかわいそうと感じられる方もいらっしゃるでしょう。環境の変化でストレスや不安を感じてしまう子どももいると思います。
もちろん、転園先の保育園でもお友達をたくさん作り、楽しく過ごせる可能性もあります。ただ、子どもに転園をすることを伝えたり、転園後の子どもをフォローしたりすることは大切です。
先輩ママの保育園の転園に関する体験談
保育園の転園は手続きが大変な上に、子どもも関わることなので転園を迷われる方もいらっしゃるかもしれません。そこで参考として、先輩ママの保育園転園に関する体験談を見てみましょう。
保育園転園に関して役立つ情報や、転園してよかったと思ったことなどを中心に紹介します。迷われている方は、皆さんの意見を参考にしながら決断をしてくださいね。
転園でお友達を増やしてあげたい
保育園を転園すると今までのお友達と別れなければならず、つい「子どもがかわいそうかな…」と思ってしまいがち。しかし、人数の多い保育園に転園させて、お友達を増やしてあげたいと考えている先輩ママもいましたよ。
新しい保育園でお友達をたくさん作れれば、小学校に入学したときに心強いですよね。転園で一時的にお友達はいなくなりますが、小学校に入学したときに保育園転園してよかったと感じられそうです。
転園先の保育園にはすぐ入れる?
保育園を転園するときに不安の種になることは、転園先の保育園にすぐ入れるかどうかですよね。地域により差があるでしょうが、やはり転園は簡単ではないようです。
転園より入園のほうが優先されるのであれば、年度初めでも不利な状態となってしまいますね。しかし、転園に成功している方もたくさんいらっしゃいますので、まずは転園したい保育園のある自治体に確認してみましょう。
転園が不安…子どもの心のケア
保育園を転園させることについては、事務的な手続きなどのほかに、実際に環境が変化する子どもの心のケアについても、しっかり考える必要があります。
親が環境の変化に慣れ受け入れる
保育園で長時間過ごす子どもにとっては、転園による環境の変化は大きいものですが、年齢が低い子どもは適応力が高く、意外なほどすんなり受け入れられる場合もあります。
それよりも、親にとってもいろいろな変化があるため、今後のことを不安に思ったり子どもに対して申し訳なく思ったりすることもあるでしょう。子どもへのケアを怠ることがないよう、まずは親が環境の変化に慣れ受け入れ、日々の生活をスムーズに送れるようにしてくださいね。
ポジティブな雰囲気で伝える
転園の理由は家庭によってさまざまかと思いますが、それがどんな理由であっても、子どもに不安を与えないように伝えてあげてください。
ただでさえ、なじんだ保育園を移ることは子どもにとっても不安を感じることではあるので、新しい土地や保育園に行くことが楽しみになるような、前向きな言葉で伝えて、子どもの不安を取り除くようにしてあげましょう。
登園拒否はよくあることと考えよう
転園することによって、子どもはせっかくなじんだ保育園の環境や友達と離れることになり、また新たな環境に慣れる必要が出てきます。
転園して初めての登園では、緊張や不安で「行きたくない」と感じてしまうのも無理もないこと。転園すると、登園拒否をする子どもも珍しくはないので、慣れないうちは登園拒否もよくあることと考え、無理をさせずに少しずつ慣れるようにしてあげてください。
子どもからのサインを見逃さない
転園することによって、子どもには知らず知らずのうちにストレスがかかってしまう可能性もあります。
言葉で伝えられる年齢なら会話の中で知ることもできますが、年齢によっては子どもの気持ちが判別できないこともあるので、子どもからのサインは見逃さないようにしてください。
たとえば、指しゃぶりが増える、夜泣きが増える、おもらしが増えるなど、今までと違う兆候が見られたら、無理せずゆったり休ませたりママやパパに甘えさせたりなどのケアも検討してみるといいでしょう。
スキンシップを多くとる
転園の手続きや引っ越しが必要な場合には、親もいろいろと忙しくなるので、子どもとのコミュニケーションが不足してしまわないように注意が必要です。
転園による環境の変化で不安になりがちな子どもには、転園前からいつも以上にスキンシップを多くとり、子どもの情緒が不安定にならないように気をつけてあげてくださいね。
保育園の転園は手続きや流れを把握して
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保育園の転園には、新しい保育園探しから申し込みにまつわる必要な手続きや提出書類などがあり、思ったよりも準備に手間がかかるかもしれません。
また、退園届などを定められた期限までに提出する必要もあるため、いつごろまでに手続きをすればいいかなど、事前に把握しておかないと直前に慌ててしまうことも。まずは、あらかじめ必要となる書類や保育園にいつ伝えるべきかなど、転園の流れを把握しておき、手続きがスムーズに行えるように準備しておきましょう。
スケジュールに余裕をもって、子どもの心のケアにもしっかり時間をかけて取り組んであげてくださいね。