幼稚園児・保育園児が「遊び」で成長できる秘けつとは
遊びの中で多くを学び、成長していく子どもたち。では実際、遊びの中でどのような成長をしていくことができるのかをまとめました。
「遊び」で好奇心、探究心を養う
幼児は気に入った遊びに熱中して、そのうちに新しいものに対する興味がわき、さらには自ら新しい遊びを作り出したりもします。外の景色や新しい人との出会いからも好奇心が湧き、不思議に思ったことへの探求心が培われることでしょう。
遊びの中で多くのものに対する好奇心や探求心が養われることによって成長していきます。親が教えていくことも大切ですが、自ら見つけていくことはまた違った成長ですね。
自分で好きな「遊び」を見つける
好きなおもちゃや遊具などで自由に遊んでいるうちに自分なりの遊び方を見つけることも。そのように好きな遊びを見つけていくことで自己表現が豊かになっていきます。
また、子どもは好きなことになると知識の吸収がとても早いですね。電車や車、国旗など大人顔負けの知識を披露することも。好きなことをみつけ、表現していくことで成長していきます。
「遊び」でコミュニケーション能力が向上する
1人遊びが多かった子どももだんだんとお友達と群れて遊ぶことが増えてきます。そのなかでルールを覚えていき、それを守ることを身につけていきます。また、自分ばかりを主張せずに時には抑えて周りと合わせたり、譲ったりすることなどを学んでいきます。
友達などの他者と遊ぶことを重ねながら人と協調し、コミュニケーションをとることが身に付き、社会適応力を養っていきます。
- 文部科学省「幼児期運動指針」(https://www.mext.go.jp/a_menu/sports/undousisin/1319771.htm,2021年4月13日最終閲覧)
- 文部科学省「幼稚園教育要領」(https://www.mext.go.jp/content/1384661_3_2.pdf,2021年4月13日最終閲覧)
- 厚生労働省「保育所保育指針」(https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000202211.pdf,2021年4月13日最終閲覧)
幼稚園児・保育園児の年齢によって変化する、「遊び」の方法
体も心も大きく成長する乳幼児期。とうぜん年齢とともに遊び方も大きく変わっていきます。
年齢別の遊び方の変化をまとめました。
乳児がまず始めるのが【感覚遊び】
乳児のころから遊びは始まります。生後1か月ごろから揺れるおもちゃをみたり、おしゃぶりをしたりするのも立派な遊び。目で見えるもの、耳で聞こえるもの、手触りを感じるものを使った感覚遊びが始まります。
ただママと触れ合うだけでも遊んでいるといえますね。
1歳ごろからは【運動遊び】や【受容遊び】
1歳は歩き始めたり、器用に手を使えるようになったりしていきます。言葉の数も日増しに増え、大人の言っていることや行動が理解できるなど日々の成長が著しい時期です。
歩ける距離も増えていくのでお散歩やボール遊び、ジャンプをするなど体を動かす遊びを楽しめるようになります。また、お話を聞いたり、テレビ番組を見たり、絵本を見たりといった外から見たり聞いたりする受容遊びが行われます。
- 厚生労働省「保育所保育指針解説」(https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000202211.pdf,2021年4月13日最終閲覧)
- 大津市「1歳児」(https://www.city.otsu.lg.jp/material/files/group/242/kari_38.pdf,2021年4月13日最終閲覧)
2歳ごろから始まり、5歳ごろまで続く【ごっこ遊び】
想像遊びともいわれるごっこ遊びは2歳ごろから始まります。パパやママ、赤ちゃんなどにふんするままごとやお医者さんごっこ、ヒーローごっこなど生活の中で関わりのあったものなどの「ふり」や見立てをして遊びます。
ごっこ遊びはママやパパのマネから始まり、道具を使ったり、お友達や大人と一緒にしたりと成長とともに内容が深くなっていきます。皆さんも子どものころに何かしらごっこ遊びをした経験があるのではないでしょうか。
- 厚生労働省「保育所保育指針解説」(https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000202211.pdf,2021年4月13日最終閲覧)
- 大津市「2歳児」(https://www.city.otsu.lg.jp/material/files/group/242/kari_50.pdf,2021年4月13日最終閲覧)
3歳ごろから見られる【構成遊び】
粘土や積み木、折り紙をしたり、絵を描いたりという何かを作り出す構成遊びが3歳ごろから見られるようになります。
手先の器用さに加えて、イメージしたものを作り出す想像力が必要になります。ひとりで黙々と作業する姿も見られれば、お友達と一緒に楽しく遊ぶ姿も見られることでしょう。
- 厚生労働省「保育所保育指針解説」(https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000202211.pdf,2021年4月13日最終閲覧)
- 大津市「3歳児」(https://www.city.otsu.lg.jp/material/files/group/242/kari_62.pdf,2021年4月13日最終閲覧)
幼稚園児・保育園児が楽しく遊べる「遊び」ネタをご紹介!
昔ながらの遊びから体を動かす遊びまで、幼児が楽しく遊べるネタとポイントを紹介します。ちょっとした合間にできるものもあるので日々の遊びネタに加えてくださいね。
粘土遊び
ちぎったり、潰したりと比較的早い年齢からチャレンジできる粘土遊び。小麦粉粘土など口に入れても害のない粘土があるので、ママも安心して遊ばせることができますね。
ママがクルクルと粘土を丸める姿を見てマネしようとしますが、なかなかうまくいかないことでしょう。だんだんと丸めたり、細く伸ばしたりできるようになるとおにぎりや果物などイメージしたものを作れるようになります。箱を用意して、粘土で作ったお弁当を作るのも楽しいですね。
お絵かき
昔からの定番の遊び、お絵かき。まっすぐ線や点を引くことから始まって、曲線を描けるように。やがて人の顔のようなものなどある程度形がわかる絵を描くようになります。
「〇〇の絵をかいて」と頼まれてママ自身もたくさんの絵を描くことでしょう。そのうちママやパパの絵や好きなキャラクターを描いてくれてほっこりすることも。
おえかきの仕方、大人から見た上手さには個人差がありますが、表現力を伸ばすためにも好きなものをのびのびと描かせてあげましょう。
マネっこゲーム
子どもは大人のマネをするのが大好き。周りのものに興味が湧いて来たら、ただママと一緒に床に手をついたり、ジャンプしたりするのをマネるだけで楽しくなります。うまくできた時には「やったー!」と声をかけてあげるとそれが成功体験となり「もっとやりたい」という気持ちを生みだすのではないでしょうか。
歌を歌いながらの手あそびや教育番組などで流れる体操やダンスをするのもよいですね。ママと一緒に体を動かして遊ぶことによって体力アップにつながります。
すわりずもう
体操ずわりをして2人で向き合って座ります。「はっけよーい、のこった」の掛け声でおしりをつけたまま押し合います。床に手をついたり、おしりが床から離れたり、倒れたりしたら負け。
室内でできて、スペースもそれほど必要なく楽しめるすわりずもう。普通の相撲よりは体格の差を考えずにできると思いますが、やりながら少しずつアレンジしてみるのもよいですね。
ママと触れ合いながらの遊びはとにかく幸福感を与えることでしょう。
折り紙
ママ自身も子どものころから何度となく折り紙はしているのではないでしょうか。今は折り紙自体も凝っていて見ごたえのある作品がつくれるものもありますね。
折り紙は折り方を教わったり、本を見ながら折ったりすることによって集中力や忍耐力を養います。また、どうすれば同じように折れるのかという創造力や記憶力も培います。
また、細かい作業が多いため手先のトレーニングにうってつけ。持ち運びも収納場所も手間がかからず、良いことずくめの遊びですね。
子どもにとって遊びは大切
外で遊ぶ時も室内で遊ぶ時も、ひとりで遊んでも、親や友達と遊んでいてもその時なりに学ぶことは多いようです。幼児期の遊びはコミュニケーション能力や想像力、体力づくりと成長に欠かせない要素が盛りだくさん。そう考えるといろいろな遊びを試してみることも大切かもしれませんね。
子どもの成長はあっという間です。一緒に遊べる時間も今がピークかもしれません。ほうっておいても遊びから子どもたちは多くを学びます。だから、難しいことは考えずに子どもと一緒に遊べる今を思いっきり楽しんでくださいね。