経口の排卵誘発剤や注射で卵胞を育てる治療により、卵胞が複数育ちすぎてしまった場合、その状態でhCG注射を使用することで起こる副作用の一つに、OHSS(卵巣過剰刺激症候群)が挙げられます。
この副作用は、排卵誘発剤の使用時に強い刺激を受けることで、卵巣が大きく腫れることをいいます。腹部の膨満感や呼吸困難などの症状が出ます。
重症化すると卵巣内の腫れや腹水がみられ、さまざまな合併症を起こす可能性があります。この症状は、PCO(多嚢胞性卵巣症候群)の人が起こりやすいといわれています。
通常は、hCGを注射する前に超音波検査で卵胞が育ちすぎていないか、卵巣が腫れていないか、などを確認して、リスクがあると予測された場合はhCGの注射を中止します。
- ほりたレディースクリニック「不妊治療について」(http://www.horita-ladies-clinic.com/guide/hunin.html,2017年12月26日最終閲覧)
- 京野アートクリニック高輪「女性不妊について」(http://ivf-kyono.com/medical/womensfactor.html,2017年12月26日最終閲覧)
- 山口レディスクリニック「卵巣刺激症候群」(http://y-lc.net/topix1/,2017年12月26日最終閲覧)
- 厚生労働省「重篤副作用疾患別対応マニュアル 卵巣過剰刺激症候群(OHSS)」(http://www.mhlw.go.jp/topics/2006/11/dl/tp1122-1r01.pdf,2017年12月26日最終閲覧)
多胎妊娠
hCG注射は強い作用があるため、排卵誘発剤によって卵胞が複数育っている状態でhCGを使うと、一度に複数の排卵が起こることも多く、双子や三つ子などの多胎妊娠の割合が自然な妊娠よりも高くなります。
多胎妊娠は、早産や妊娠高血圧症候群等のリスクがあるとされているため、排卵誘発剤を使用には工夫が必要です。
- ほりたレディースクリニック「不妊治療について」(http://www.horita-ladies-clinic.com/guide/hunin.html,2018年1月9日最終閲覧)
- 井上裕美(監)他「病気がみえる vo.9 婦人科・乳腺外科」P252(メディックメディア,2015年)
hCG注射で妊娠しました!~体験談~
hCG注射による排卵誘発を行った方、排卵後に黄体ホルモンを補充する目的で注射をした方、それぞれの体験談をご紹介します。
hCG注射による排卵誘発の体験談
排卵してなくて、もう一度打ってようやく排卵しました。
私の様に一回のhcgで排卵しない場合もあるので、排卵確認してもらえるのなら
安心かなーって思います。
私は、多嚢胞性でクロミッド+hcgで治療してましたが、妊娠できず
クロミッドをやめてhmg+hcgの注射治療に変えた周期に妊娠しました!
妊娠できたのも、hcg後の細かい排卵確認でタイミングが取りやすかった
おかげかなと思ってます!
私の場合は生理予定日に来てと言われたんですが、
病院によっては◯日までに生理が来なかったら又は、生理が来たら病院に来てね。
って言ってもらえると思うのでその通りに行けば大丈夫ですよ。
1回のhCGでは排卵しない場合があるようです。2回に渡って試したところ排卵の確認ができ、治療の方法を変えたら妊娠したというママも。hCG後の排卵確認は大切なようです。
黄体ホルモン補充の体験談
最初の半年はクロミッドで、その後HMG-HCGに切り替えました。注射は5クールほどしたと思いますが、4回で済んだ時もあれば8回射った時もありましたよ。
なかなか卵胞が育たずリセットした月もありましたが、人工授精4回目で妊娠しました。HMG-HCGを始めて5回目でした。
治療する過程で、治療内容に変更があったり注射も人によって回数が異なったりする場合があるようです。人と回数が異なるからといって、必要以上に不安になることはありません。
気になる場合は、医師に相談して納得した上で治療を進められるとよいですね。
メリット、デメリットを理解した上で選択を!










