Ⓒママリ
🔴【第1話から読む】【要注意人物?】評判最悪ママ友と接近…楽しいはずのお茶会で気持ちが暗転した理由
ママ友の「娘の友達選び」にモヤモヤ
娘である麻友の友達・樹里ちゃんの家にお呼ばれした日。樹里ちゃんのママ・小百合さんが私の隣にそっと腰を下ろした。手には紅茶のカップを持って。
亜由美:「ごめんなさい、彩加がお部屋に…」
私は下の娘・彩加が勝手に上の子について、子ども部屋に行ってしまったことをお詫びした。
小百合:「ふふ、まあいいわ。亜由美さん、今日は来てくれて本当にありがとう。私ね、ずっと麻友ちゃんと樹里を遊ばせてみたかったのよ」
亜由美:「あ、ありがとうございます。 麻友も樹里ちゃんと遊べるのを楽しみにしてました」
急に距離を縮めてきた小百合さんに驚いたけれど、麻友をそんな風に思ってくれて嫌な気はしなかった。
社交辞令半分、本音半分で「うちも」と言うと、小百合さんは満足そうに頷いた。
小百合:「麻友ちゃんって、年中の時からしっかりしてるし、お勉強もできそうじゃない? 樹里にも良い影響がありそうだなと思って」
なんだか、ちょっと引っかかる言い方だと思った。子ども同士の相性は大事だけど、子どもの遊び相手を「影響」で決めるかな。
「ははは…」と愛想笑いしていると、小百合さんはさらに続ける。
小百合:「それにね、亜由美さんとも波長が合いそうだなって思って。麻友ちゃんもピアノを習っているんでしょう?それに、園のカバンもキャラものじゃないし。あと、園での昼食も給食じゃなくてお弁当にしているんですって?」
亜由美:「え…あ、そうです…けど…」
あまり話したこともない小百合さんが、麻友のことや持ち物のことをこんなに知っているなんて、ちょっと怖いと思った。
麻友がお弁当にしているのは小食で給食を残してしまうからなのだけど、もしかすると食にこだわりがあると思われたのかもしれない。
小百合:「ね、いいお友達になれそうよ」
そう言うと、小百合さんは私の目を見てにっこり笑った。私は正直、少し戸惑ってしまう。
そして次の小百合さんの発言で、一気にモヤモヤが加速した。
小百合:「唯一ちょっと残念なのは…そう…(声をひそめて)彩加ちゃんがもれなくついてきちゃうことねぇ」
え…?
私は耳を疑った。目の前でニコニコと笑っている小百合さんの顔が、急に不気味に思えた。
「下の子にメリットなし」ママ友の言い草にショック
亜由美:「……えっと、それは…どういう…?」
言葉がうまく出てこない。
小百合さんは、そんな私の様子を気にも留めず、くすっと笑いながら続けた。
小百合:「あ、ごめんなさいね。 悪気はないの。ただほら、樹里は一人っ子だから、同じくらいの歳の子とじっくり遊ばせてあげたいじゃない? 小さい子がいると、樹里にとってのメリットが半減しちゃうなって思って」
悪気はない?今の言い方で?
さりげなく周りを見ると、他のママたちも、どこか引きつったような笑みを浮かべている。下の子がついてきている人は特に気まずそうだった。
どうやら、小百合さんの家に呼ばれたのは、樹里ちゃんと対等に遊べて、小百合さんから見て価値観が近い家庭の子。つまり「メリットのある」お友達とその母親だけのようだ。そして、そのお友達についてくる下の子たちは、ちょっと邪魔な存在らしい。
頭の中で、小百合さんに関して聞いていた噂がこだまする。「変わった人」「癖がある人」とはこういうことだったのか…。他のママたちも、きっと内心では同じことを感じていると思う。でも、小百合さんのあの悪びれない態度と、妙な圧に押されてしまい、誰も意見しなかった。
ちょうどそのとき、樹里ちゃんと同級生の子たちがおやつを食べるためにリビングにきた。彩加もだ。樹里ちゃんも彩加をお世話してくれているように見える。年下の子との関わりも良い経験だと思うのだけど、小百合さんに言わせるとそうではないようだ。
小百合さんは、いつの間にか席を移動して、今度は別のママに話しかけている。
「ピアノ教室はどこの先生?今何の曲を練習しているの?」
「お宅の上の子は私立小学校なんでしょう?今度受験対策の情報をちょうだいね」
「英語教材は妥協しちゃダメよね、夏はイングリッシュキャンプに行かせましょうよ」
さっきまでの和やかな雰囲気はどこへやら。リビングはまるで、小百合さんによる品定め会場と化していた。
他のママを見ていると、苦笑いする人もいれば、小百合さんによって「良い母」認定されてまんざらでもなさそうな人もいた。
私は、早くこの場から立ち去りたい一心で、時計の針が進むのをただひたすら待ち続けたのだった。
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相手を値踏みするような態度には違和感
亜由美さんはママ友・小百合の相手を値踏みするような態度に強い違和感を持ちました。ちょっとした遊びの場でさえ、わが子と遊ばせる子を親が厳選し、自分がお付き合いする親までもふるいにかけるような露骨な言動をする小百合。相手にとっては失礼で不快に感じることもあるでしょう。
子どもの友達関係は子どもなりの相性もありますし、親同士の関係も単なるメリット・デメリットだけで決めるものではないはず。しかし、小百合さんにとっては値踏みした上でのお付き合いが「正解」なわけで、その価値観の歪みに気づくのは難しいのかもしれません。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
イラスト:まい子はん