Ⓒママリ
主人公は静香。夫と娘と暮らしています。夫とはとても仲がよく、よき相談相手でもありました。ある日、ママ友のアカリから不倫をしていると告白されます。ここから苦悩する日々が始まるのでした…。
幸せな私に忍び寄る、ママ友の秘密
「ふぅ、やっと寝た」
リビングのソファに深く身を沈め、私は大きく息を吐いた。隣では夫の恭一が、タブレットでニュースを見ながらくすくす笑っている。
「美知、今日は公園で遊び疲れたみたいだね。静香も一日お疲れ様」
恭一は優しい声でそう言って、私の頭をそっと撫でた。恭一とは学生時代からの付き合いで、結婚して5年になる今も、まるで恋人同士みたいに仲が良い。困ったことがあればすぐに相談できるし、どんな時も私の味方でいてくれる。恭一と結婚できて、本当に幸せだと思う。
私は静香(28歳)。長女の美知は4歳で、来年には幼稚園の年長さんになる。私の性格は、昔から明るく、誰とでもすぐに打ち解けるタイプ。今まで、本気で誰かを嫌いになったことなんてなかった。今日の夕飯は美知のリクエストでハンバーグだった。食卓には、美知が作ったと思しきケチャップの顔が描かれたハンバーグが並び、恭一と三人で笑いながら食べた。そんなささやかな日常が、私にとって何よりも大切だった。
だけど、最近はその日常に、小さな、それでいて無視できない影が忍び寄ってきている。その影の正体は、私の友人、アカリだ。
予期せぬ告白の始まり
アカリも私と同じ28歳。夫のハジメさんは33歳で、娘のミナちゃんも美知と同じ4歳だ。アカリとハジメさんも、私たち夫婦と同じく学生時代からの知り合いで、家族ぐるみで仲良くしていた。アカリは一見すると真面目で、控えめな女性に見える。
でも、心を許した相手には、驚くほど赤裸々に自分のことを話す人だと知っている。私とアカリは、妊娠、出産と、同じタイミングで経験したこともあり、以前にも増して親密な関係を築いていたはずだった。
「ねえ、静香。聞いてくれる?」
先日、美知とミナを連れて公園で遊んでいた時のことだ。アカリは、いつもより少し顔を紅潮させながら、私にそう切り出した。
「どうしたの?アカリ、なんだか楽しそうだね」
私は深く考えずにそう返した。その時の私は、まさかアカリの口から、あんなにも衝撃的な言葉が飛び出すなんて、夢にも思っていなかったのだ。アカリは周りを気にしながら、小声で話し始めた。最初は、ハジメさんとの些細な喧嘩の話でもするのかと思っていた。だけど、話は思わぬ方向へと転がっていく。アカリの口から出てきたのは、私にとっては全く想像もしていなかった、ある「特別な」男性の話だった。
語られる秘密と沈黙の私
「実はね、私…」
アカリの声が、妙に甘く、そしてどこか秘密めいた響きを帯びていた。私の胸に、得体のしれない嫌な予感がよぎった。まさか、そんなはずはない。でも、その予感は、すぐに現実のものとなる。
アカリは私に、まるで恋する乙女のように、その男性との出会い、そして関係について語り始めたのだ。公園の砂場で楽しそうに遊ぶ美知とミナの声が、遠くで聞こえる。その声が、私にはどこか遠い世界のもののように感じられた。アカリの言葉が、私の日常に、静かに、そして確実に、ヒビを入れ始めた瞬間だった。私はただ、何も言えずに、アカリの話を聞き続けるしかなかった。
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あとがき:友情と倫理の狭間で
この物語は、夫と娘に囲まれ穏やかな日常を送る主人公・静香の視点から描かれます。親友のアカリが突然不倫を告白し、その事実が静香の平穏な日常に波紋を投げかけます。アカリは自身の不倫を正当化し、静香の助言にも耳を傾けません。静香は友人として「やめなよ」の一言を言えずに苦悩しますが、やがてその関係と向き合うことになります。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
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イラスト:まい子はん










