🔴【第1話から読む】【衝撃】インターホンが鳴り「警察です」→聞かされたのは“夫の万引き逮捕”|夫は万引き犯でした
万引きは不起訴となり、夫の弘樹は反省の色を見せないまま日常へ。真緒はその態度に決定的な断絶を感じ、夫婦としての信頼が完全に崩れたことを悟る。表面上は変わらない生活の中で、真緒は離婚という現実的な選択と向き合い始めて―――。
変わらない日常、凍りついた心
万引きの件以降、生活は表面上は何も変わらなかった。夫は仕事に出かけ、私は陽斗を病院に連れて行き、合間に紗良をあやす。夕方になれば夕飯を作り、家族そろって食卓を囲む。
いつも通り。けれど、それはあくまで「形」だけだった。
私の心は、あの日を境に完全に冷え切っていた。夫と目を合わせても、言葉を交わしても、胸の奥には何の感情も湧かない。ただ、無機質な共同生活が続いているだけだった。
母としての不安と、離婚という現実
夜、子どもたちを寝かしつけた後。私は天井を見つめながら、何度目か分からない問いを自分に投げかける。
―――離婚するべきなんだろうか。
答えは、感情だけで言えば明確だった。信頼は壊れ、尊敬もない。夫として、父親として、この人をこれ以上信じることはできない。それでも、現実が立ちはだかる。
長男の陽斗は、生まれつきの難病を抱えている。定期的な通院、薬代、今後も続く医療費。そして、まだ小さな紗良。この子たちを連れて、ひとりでやっていけるのか?仕事は?保育園は?生活費は?
不安は次々と湧き上がり、決意を鈍らせる。
(母親なんだから、我慢すべき?)
(子どもたちのために、家庭を壊さない方がいい?)
そう自分に言い聞かせようとしても、夫の無神経な言葉や、反省のない態度が脳裏をよぎる度、胸が締め付けられた。
「このまま一緒にいて、私は笑えるの?」
小さく呟いたその言葉に、答えは出ていた。
帰る場所があるという救い
数日悩んだ末、私は実家に電話をかけた。受話器の向こうで、母の声を聞いた瞬間、堪えていたものが一気に溢れ出す。
夫が万引きを犯していたこと。帰宅後の夫の態度に「もう一緒にはいられない」と悟ってしまったこと。でも子どもたちとの将来に不安があって決断しかねていること。
事情を一通り話し終えると、少しの沈黙の後、母は静かに言った。
「……大変だったね」
それだけで、胸がいっぱいになる。
「真緒、無理しなくていいんだよ。いつでも、帰ってきていい」
母が電話を代わり、父も続けて言った。
「子どもたちのことも含めて、俺たちも支える。ひとりで抱え込むな」
電話を切ったあと、私はしばらく動けなかった。涙が止まらなかった。
わたしには帰る場所がある。受け止めてくれる人がいる。その事実が、心に重く、そして温かく響いた。
私は深く息を吸い、ゆっくりと吐き出す。迷いは、まだ完全には消えない。それでも、進む方向は見えた。
私は、子どもたちを守る。そのために、自分の人生も守る。
そう心に決めた夜、私の表情は、これまでより少しだけ強くなっていた気がした―――。
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あとがき:守ると決めたもの
第4話は、感情的な決裂ではなく、現実と向き合う静かな決意が描かれます。子どもたちの存在、医療費、生活の不安──離婚は簡単な選択ではないでしょう。それでも、支えてくれる実家の言葉によって、真緒は「一人ではない」と知ることができました。
母として子どもを守ることと、自分の人生を守ることは、決して相反することではありません。この夜の決意が、次に訪れる行動への確かな一歩となっていきます。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










