Ⓒママリ
ある日、静香の夫・恭一が深刻な表情で静香に話しかけてきました。どうやら、アカリの夫が不倫に気が付いているというのです。不倫を止めようと、何とか話そうとする静香でしたが、アカリの強い口調に押し黙ってしまうのでした。
夫も心配する、ママ友の不倫
恭一にアカリの不倫のことを話してから、私の心の中には、さらに重い石が乗ったような気持ちになった。恭一は私以上に、アカリの現状を案じていた。特に、アカリの夫であるハジメさんのことを心配しているようだった。
「ハジメさん、アカリさんのこと、本当に大切にしてたからな…」
恭一は、昔を懐かしむようにそう言った。ハジメさんと恭一は、学生時代から友人だった。アカリとハジメさんの結婚を、心から喜んでいたのも知っている。だからこそ、今の状況が信じられないのだろう。
憔悴しきったママ友の夫に胸が痛む
ある日、恭一が仕事から帰宅すると、いつも以上に疲れた顔をしていた。
「どうしたの、恭一?何かあった?」
私が尋ねると、恭一は重い口を開いた。
「今日さ、偶然駅前でハジメさんと会ったんだよ」
私は心臓が跳ね上がった。まさか、ハジメさんがアカリの不倫に気づいているのだろうか。
「ハジメさん、元気なかったからちょっと話聞いてきたんだ。そしたら、ここ最近、ずっとアカリさんのことを悩んでるって。不倫してること、知ってるみたいだったよ」
恭一の言葉に、私は息をのんだ。やっぱり、ハジメさんは気づいていたのだ。当然、あれだけわかりやすく不倫していたら態度に出るだろう。あるいは、インスタの投稿を見た友人から連絡をもらったのかもしれない。
「ハジメさんは憔悴してたよ。アカリさんとは別れたくないって。ミナちゃんのためにも、なんとか関係を修復したいって言ってたよ」
恭一は悲しそうな顔でそう言った。ハジメさんの苦悩が、痛いほど伝わってきた。もしもインスタグラムに投稿していた内容も伝わってしまっていたとしたら、どれほどつらい思いをしただろう。
「ハジメさん、本当に困ってるって。俺にどうすればいいか、相談してきたんだ」
恭一の言葉に、私は胸が締め付けられる思いだった。ハジメさんは、私たち夫婦を信頼して、相談してくれたのだ。だけど、私はアカリを止められていない。それが本当に申し訳なかった。
「静香、アカリさんと話してくれないか?その…相手の男となんとか別れてくれるように言えないかな?」
恭一は、私に目で訴えかけた。私は、恭一の気持ちも、ハジメさんの気持ちも痛いほどわかる。だけど、アカリの暴走ぶりを見ていると、私が何を言っても無駄だと感じてしまっていた。
「もちろん止めたいよ。でも、ちょっと不倫にネガティブな反応をしただけで『経験が浅い』とか『視野が狭い』とか言われてね…。聞き入れてくれないの」
私が弱々しくそう言うと、恭一はうつむいて私の肩を抱いた。私のつらい気持ちをわかってくれたようで安心したけれど、ハジメさんのことを思うと胸が痛んで仕方ない。
「邪魔しないで!」ママ友の剣幕に何も言えない
数日後、アカリからランチに誘われた。いつも通り、美知とミナを連れて、近所のファミレスへ。アカリは他愛もない話で笑っていたけれど、私の心は沈んでいた。
「静香、どうかした?元気ないよ?」
アカリが心配そうに尋ねてきた。私は、今こそハジメさんのことを話すべきだと、心の中で何度も言い聞かせた。
「アカリ…ハジメさん、すごく心配してるよ。アカリのこと…」
私がそう切り出すと、アカリは急に表情を曇らせた。
「え、ハジメが?なんで?」
アカリの声には、明らかに不機嫌な色が混じっていた。
「だって、アカリ、最近、インスタとかも…」
私がそう言いかけると、アカリは遮るように言った。
「あれは限定投稿だからハジメには見えないから大丈夫だよ。それに、大なり小なり、結婚生活に不満がない人なんていないじゃん」
アカリの言葉に、私は凍り付いた。何気ない結婚生活を穏やかに送っている人の「ちょっとした不満」と、アカリがハジメさんに与えている大きな不安は明らかに別物なのに、アカリはそれに気づいていないようだった。
「それに、夫婦とはいえ結局もとは他人だし、私の生き方に口を出す権利なくない?別に家のことしないわけでも、育児放棄するわけでもないんだし」
「でも…」
「はあ…だから、ハジメがどう思ってるかなんて、私には関係ないってこと!」
アカリはそう言ってテーブルを叩いた。私は、その剣幕にすっかり怯んでしまい、それ以上何も言えなくなった。美知とミナはただならぬ空気を察したのかおもちゃで遊ぶ手を止めて、不安そうな顔で私たちを見つめていた。
アカリは、私の言葉を聞き入れず、これまで支え合ってきたハジメさんの気持ちさえも否定した。私は、自分の無力さを痛感してつらい気持ちがこみあげた。「やめな」と強く言いたい気持ちがあるのに、それを言っても相手に伝わらないと察してしまうと言う気も失せてしまうのだ。
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あとがき:エスカレートする不倫と友情の亀裂
静香は、夫・恭一からアカリの夫ハジメが不倫に気づき、苦悩していることを聞かされます。ハジメは関係修復を望むも、アカリは別れる気がないと知り、静香は板挟みに。恭一からアカリへの説得を懇願されますが、アカリの逆ギレを恐れて「やめなよ」の一言が言えません。アカリとの直接対話でも、彼女は自身の不倫を正当化し、静香の忠告を拒絶。静香は友情の終わりと自身の無力さを痛感します。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
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イラスト:まい子はん










