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数日後、私は夫の車を掃除していました。通勤に使う車の中を掃除してあげれば、タクミも快適になるかもと思ったのです。いつものように掃除機をかけ、シートの下に手を伸ばした時でした。指先に、何かビニールのようなものが触れました。
「お菓子のゴミかな」と手に取ってみると、それは見たことのないパッケージのコンドームの袋でした。
心臓が、ドクンと大きく音を立てました。頭の中が真っ白になります。私たちが普段使っているものとは、全く違うものです。震える手でそれをよく見ると、業務用のもので、二つくっついているうちの一つがなくなっていました。おそらく、ホテルの備品でしょう。
その瞬間、血の気が引いていくのが分かりました。まさか、タクミが……。
限りなく不倫が疑わしい事実があまりにもつらくて、その日の昼間、子どもが学校と幼稚園に行っている間1人で泣き崩れてしまいました。こんな現実、見たくない。タクミを問い詰めたいけれど、これ以上の証拠を探して見つけてしまうのが怖い自分もいました。
さらに、証拠を集めていることがもしバレたら、タクミは怒って離婚を突きつけてくる可能性もあります。子ども3人、パート勤務の私では育て切れる自信はありません。養育費も不払いが多いと聞いたことがあるし不安です。今後どう動けばいいのか、私の中でなかなか答えが出ませんでした。 ※1
完ぺきだと思っていた夫の、裏の顔
見たことのない避妊具…。夫・タクミが不倫しているのは、どうやら確実のようです。先日の夫婦喧嘩で突然、夫が「毎週金曜に外食したい」と発言したのも、つじつまが合ってしまいます。
夫の裏切りに、ただただがく然とし、泣き崩れるしかなかったリコ…。子どものことを思うと、不倫のことを問い詰めるべきかどうか、ためらってしまいます。
1人でグルグル考えても答えが出ない中、ふと、ある人物の顔が頭に浮かびます。それは、ママ友・マリ。彼女はシングルマザー。もしかしたら、リコの気持ちを理解してくれるかもしれません。
夫の不倫疑惑、ママ友に相談してだした答え
私は、震える声で、これまでの経緯を全てマリに打ち明けました。タクミの不可解な発言、車の備品、そして何より、彼が家庭では良い夫であること。マリは、私の話を真剣に、そして黙って聞いてくれました。全て話し終えると、彼女は私の手をそっと握り、まっすぐな目で私を見つめました。
「リコ、辛かったね。よく私に話してくれたね」
その言葉だけで、私は胸がいっぱいになりました。
「でもね、リコ。ほんとに不倫してるかどうか、はっきりさせるためにも、証拠集めは必要だよ」
マリの言葉に、私の心臓がドクンと鳴りました。
「人の旦那さんに悪いけど、不倫しながらいい夫を装ってるって、一番ズルい奴だよ。そんな状態で毎日一緒に過ごす方が、もっとつらくなると思う」
マリの言葉は、私の心を射抜きました。そう、このままモヤモヤを抱えて生きる方が、よっぽどつらい。証拠を集めて現実を見るのはつらいけれど、本当に不倫をしているなら、夫に私を苦しめた事実を知ってもらいたい。マリの言葉に背中を押され、私は、証拠を集めることを決意しました。怖くないと言ったら嘘になるけれど、このまま私が壊れてしまうより、夫の真実を暴きたいと思ったのです。 ※2
不倫の証拠を集める行為、ツラいですね。ですが、見て見ぬふりをして、夫婦生活を続けるほうが、しんどいと感じたリコは、意を決して真実を暴くことに。
さっそく、探偵事務所へ依頼をします。そして、例の金曜日。夫が外食する日を狙って、探偵に尾行してもらいます。すると…。
心臓はバクバク…探偵からの連絡を待つ妻
数日後、運命の金曜日の夜がやってきました。朝はタクミが「今日は帰りに外食する」と言って家を出ていくのを見送りました。
彼の勤務時間が終わる時間帯になると、平静を装いつつも心臓はバクバク音を立てていました。探偵がタクミを尾行していると思うと、足元がふわふわするような、生きた心地がしないような感覚です。なんとか子どもたちの夜のお世話を終えて寝かしつけると、私はリビングでじっとスマホを握りしめて待ちました。
深夜、スマホが震えました。メッセージの差出人は、探偵事務所。手に汗を握りながら、震える指でメッセージを見ます。
「A探偵事務所の〇〇です。先ほど、対象者様と女性がラブホテルに入るところを確認いたしました。写真も複数枚、押さえております」
その報告を受けた時、私の頭は真っ白になり、全身が激しく震え始めました。やはり、不倫だったんだ。耳元で、マリの「一番ズルいやつ」という言葉がこだまします。これでタクミは言い逃れできません。私は、タクミと話す覚悟を決めました。 ※3
ついに、不倫の証拠をつかんだリコ。夫と話す覚悟を決めます。
家族を裏切る行為をした夫。絶対に、許すことはできません。このあと、リコは夫から「仕事と家庭のストレスで不倫した」と、とんでもない理由を聞かされ、離婚を決意。ところが、夫は離婚に応じません。また、リコも子どものことを考えると、離婚するのが正しいかどうか、迷います。
結局、2人は再構築の道を選びます。ただ、その際に誓約書を交わします。心から許すことは、まだまだできませんが、子どものために、前を向くと決めたリコ。とても強い女性の姿に、勇気をもらえる作品です。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










