優しくて、育児にも協力的なツカサは自慢の夫。しかし、三女・メイが生後2か月を迎えるころから、ツカサの出張や飲み会が増え始めます…。
3人の子どもと優しい夫
「今日も一日お疲れさま、アキホ」
玄関でツカサが、私に労いの言葉をかける。リビングでは長女のカナ(7歳)が宿題を広げ、次女のゆき(4歳)は積み木に夢中。そして、私の腕の中には、生後1ヶ月を過ぎた、三女のメイがすやすやと眠っていた。
「パパ、おかえりー」
「あ、パパー!」
私はアキホ、38歳。結婚して10年…夫・ツカサと3人の娘たちに囲まれ、絵に描いたような幸せな専業主婦生活を送っていた。
出産前はバリバリのキャリアウーマンだった私。仕事に没頭する毎日だったけれど、ツカサと結婚してからは、家庭を築くことによろこびを感じていた。
この人と結婚してよかった…
「週末、絢音と久しぶりにお茶したいんだけど…メイは連れていくから、カナとゆきを見ていてくれないかな…?」
絢音は前職の同僚で、結婚はしていない。私が退職した今でも、時々、お茶をするくらい仲がいい。絢音はフットワークが軽く、行動的で情に厚いところを尊敬していた。
「いいよ!メイがいるから、ゆっくり…とはいかないかもしれないけど、久しぶりに楽しんできて!カナとゆきは動物園にでも連れて行こうかな」
ツカサは、いつも優しくておだやかだ。育児にも協力的で、子どもの習い事の送り迎えや、休日には公園にも連れて行ってくれる。周囲からは「イクメン」と評判で、私自身も彼を心から尊敬し、愛していた。
「メイちゃん、今日も可愛いね。お風呂、入れてあげようか?」
ツカサはメイの小さな手をそっと握り、慈しむような眼差しを向ける…。その優しい横顔を見るたび、私は「この人と結婚して、本当に良かった」と、心から思っていた。完璧な夫、完璧な家庭…。それが私の日常だった。
長女の衝撃的な一言に耳を疑う
だが、メイが生後2か月を過ぎたころから、ツカサの帰宅時間は徐々に遅くなっていった…。
初めは「出張」や「残業」、「飲み会」「接待」と、もっともらしい理由を並べていたけれど、それが深夜…いや、朝帰りになることもめずらしくなくなった。
「最近、ツカサさん、忙しそうね。大丈夫?」
実家の母が心配そうにたずねてくる。私もツカサを心配しながらも、メイの育児で手一杯の毎日だった。疲労困ぱいで、夫の不審な行動に、深く思考をめぐらせる余裕もなかった。何よりも、家族に対して献身的なツカサを心から信じていたので、何も疑ってはいなかった。
そんなある日のことだった。カナが突然、私に衝撃的な話をしてきたのだ。
「ママ…この間、ママが絢音ちゃんとお茶してた時ね…パパとパパのお友達の女の人と遊んだよ」
カナの声が、私の鼓膜に直接響いた。
「え?」
心臓がドクリと大きく跳ねる。
完璧な日々は、ある日突然、音を立てて崩れ始める。崩壊の始まりは、メイが生まれて、わずか2か月のことだった。
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あとがき:絵に描いたような幸せな家庭
育児にも協力的で、いつも優しくおだやかな夫…。そんな夫に、10年間、何も疑いの気持ちを持っていなかったという、アキホ。
そんなアキホの平穏で幸せな日常に影が差します。それは、長女・カナの一言がきっかけでした。
元は他人同士である「夫婦」という関係…。一緒に暮らし、10年連れ添っていても、お互いにまだ知らない一面があるものですね。外側から見れば、一見、幸せそうな家庭でも、それぞれ他人には言えないような悩みを抱えていることもあります。困難に直面した時、家族で助け合える関係であることが理想ですが、そのためには夫婦や家族間での信頼関係は欠かせませんね。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
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