待機児童を減らすために川崎市がやったこととは?
働くママたちの間で深刻な問題になっている、保育所の待機児童問題。
そんな中、2015年4月に神奈川県の川崎市が待機児童がゼロになったことを発表しました。
どんな方法で待機児童を減らしたのか、解決方法を調べてみました。
マンションの建設ラッシュで、人口が増える川崎市
東京と横浜の間に位置する川崎市は交通の利便性がよく、武蔵小杉駅や川崎駅周辺などで大規模マンションの建設ラッシュが続いてきました。
その結果、小学生以下の子供が増え、保育所の入所希望者が増加し、待機児童対策が課題となっていました。
待機児童を減らすため、川崎市がやった5つのこと
待機児童ゼロに向けて川崎市が行った対策を紹介します。
対策1:保育園の新設&リニューアル!
認可保育所に関しては、新しく保育所を開設したり、今ある保育所のリニューアルをすることで、預かることのできる子供の数を増やしました。
川崎市の認可保育所の定員は、今まででも最も多い2万2869人にまで増えています。
対策2:家庭に補助金が出る「川崎認定保育園」の活用
川崎市には、市独自の基準を満たした「川崎認定保育園」と呼ばれる保育所があります。
子供をこの保育所に通わせた場合、今までは家庭に一律月5000円の補助金が支払われていました。
しかし、この補助金の額を所得に応じて最大月2万円まで広げることで「認可保育園より高い!」というイメージを取り払い、安心して「川崎認定保育園」を選べるようにしたのです。
対策3:隣にある横浜市との協力
隣接する横浜市と提携し、市を超えて「横浜保育室」や「川崎認定保育園」のどちらでも利用できるようにする試みも行われました。
対策4:区役所の相談体制を強化!
さらには、区の担当職員を増やし、保育所入所に関する相談体制も整えました。
保育所に関する説明回は通常は秋ごろ開始することが多いのですが、川崎市では7月から実施し、保育者のニーズに合った保育園とのマッチングをはかっています。
対策5:マンション動向をチェック!
マンション建設ラッシュの川崎市。
マンション完成後の入居時期が待機児童に大きく関係するため、各区の担当者は、川崎市内のマンション動向を常にチェックしているそうです。
問題が全て解決されたわけではない
ただし、待機児童がゼロとはいっても、認可保育所を希望したけれども認可には入所できず、「川崎認定保育園」や一時保育を利用している子供が2000人以上いると言われています。
育休を延長している母親がいる現状もあり、全てのママの希望が叶っているわけではなさそうです。
川崎市は今後も人口が増えるとされているため、保育士の確保や、保育の質をどう維持するかということも重要な課題とされています。
丁寧&地道な取り組みで待機児童を減らした!
川崎市が「待機児童ゼロ」を達成できたのは、地道な待機児童対策を丁寧に続けたため。
まだまだ待機児童問題に悩むママは多いですが、熱心に取り組む自治体少しずつ増えてきたようにも思います。