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🔴【第1話から読む】占いにのめりこむ友人、学生時代に覚えた“最初の違和感”|占いに依存しすぎた友人
結婚し子どもが生まれた主人公・かおりと親友・まゆみとの関係は、徐々に変化していきます。占いに依存するまゆみは、ついに占い師の言葉で仕事を辞めてしまい、さらにはかおりの家族にまで占いの影響を及ぼそうとします。
月日は経っても、友人は変わらない
まゆみの「占い狂い」ともいえるような言動に密かに危機感を持っていたある日、彼女から衝撃的な連絡が来た。
「ねぇかおり! 私、会社辞めることにしたよ!」
かおりは私に勧められた会社を内定辞退したあと、ほんの少し前にやっと仕事を決めて働き出したばかりだったのに。
そんな異様な状況なのに、まゆみはどこか吹っ切れたような、むしろ高揚しているようだった。
「え、どうしたの急に? 何かあった?」
慌てて理由を尋ねると、彼女はあっけらかんと言ったんだ。
「占い師さんに『その職場は相性が悪いから続かない』って。だから、どうせ続かないなら辞めて自分に合う場所を探そうと思ってさ」
私は、思わず絶句した。聞けば今現在は特に問題は起きていなかったという。まさか占いの言葉ひとつで辞めるなんて。もう友人の立場ではどうすることもできず、放っておくしかないと感じた。
でも、まゆみは時折我に返ったかのように、突然私に相談してくる。
「ねえ、かおり。私、これでいいのかな…?」
「ちゃんと占い通りに頑張ってるのに。どうしたら、もっとうまくいくんだろう…」
そんなことを聞かれても、私はもう、なんと言ったらいいかわからない。今の真由美にとって、私の言葉が何の効力も持たないことをは痛いほど知っていた。
わが子の名前を否定された
それからしばらくは、私からまゆみに連絡を取るのを控えていた。しかし、ある日まりが1歳を迎えてまもなく、まゆみからまた連絡が来た。まりの誕生日を電話口で祝ってくれて、覚えていてくれたことをうれしく思った。でも、それは束の間のうれしさだった。
「ねえ、まりちゃんの名前、改名する気はない?」
「えっ?」
一瞬、何を言われているのかわからなかった。
私が明らかに動揺していると、まゆみは少し口ごもりながらこう続けた。
「私が一番信頼している占い師さんにまりちゃんの話をしたらね、その年の生まれでその名前だと、不吉なことがあるって…。私すごく心配なの。
あとね、家の方角もよくないみたいだから、せめて引っ越しとかどう?よかったら、一度その占い師さんのところ行ってみない?
本当は30分2万円で運勢の鑑定をする人で予約いっぱいなんだけど、私の友達から1万円でいいって言ってくれてるの!」
その瞬間、私は、はっきりと不快な思いをした。この人は、何の話をしているんだろう?まだ何か話しているみたいだけど、まったく耳に入ってこなくなってしまった。
私の大切な娘の名前の改名なんて、まゆみの占いの都合で口を出されるなんてありえない。彼女の依存は、ついに私の家族にまで及ぶのかと思うと、胸の奥底から冷たいものがこみ上げてきた。その夜、私は夫のたかとにも、まゆみのことを改めて相談した。以前から話してはいたけれど、ここまでのひどい状況は初めてだ。
友人との付き合い方に悩む
「もうさ、私、どうしたらいいか分からないよ。あんなに親友だったのに…」
私は、ほとんど泣きそうな声でたかとに訴えた。まりの名前のことを言われたこと、私がどんな気持ちになったのか。たかとが、静かに私の話を聞いてくれる。彼の言葉だけが、今の私を支えてくれる気がした。
「たくさん悩んで心を込めて付けた名前をそんな風に言われて、いい気持ちがしないのは、かおりだけじゃないよ」
彼は私の背中をそっと撫でながら、そう言ってくれた。
「私、もう、どうしたらいいか分からない。何か言っても、結局聞いてもらえないし…」
「うん。かおりが無理にどうにかしようとしなくてもいいんじゃない?今は少し距離を置くことも、必要なことかもしれないよ」
たかとの言葉を聞いて、私はまゆみとの境界線をもっとはっきりさせなければいけないと考えるようになった。
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あとがき:友人との境界線
占いの言葉で仕事を辞めてしまうなど、まゆみの言動はエスカレート。そして、ついに大切な娘の改名にまで口出しされたことで、かおりは親友との間に明確な境界線を引くことを決意します。親しい関係であっても、時には相手との距離を置くことが大切だと教えてくれる作品です。誰かのことを心配する気持ちと、自分自身の人生を守る気持ちのバランスについて、改めて考えるきっかけになれば幸いです。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










