Ⓒママリ
🔴【第1話から読む】夫が“性欲のままに徘徊”、信じられない裏アカを発見してしまった妻|裏アカ夫への愛が冷めきった日
夫に裏アカをつきつけ謝罪を受けるも納得できないナツは、車で家を飛び出してコンビニの駐車場で時間をつぶします。愛情は冷めたが、母親としての覚悟は変わらないナツはある決断をするのでした。
感情が抜け落ちたような感覚
そして私は今、車の中で、ハンドルを握ったまま、ぼんやりと空を見ていた。 午前5時過ぎの空は、まだ完全に明るくはなっていない。 夜明け前の一番暗い時間帯。 今の私の心は、この空の色のように、感情のすべてが抜け落ちて、ただ冷たい空気だけが漂っている。
「ふぅ…」
無意識のうちに息を吐き出す。 もはや、そこに感情はない。 おなかの中の赤ちゃんは、そんな私の感情の変化など知る由もなく、ボコボコと元気に動いている。 「もうすぐ会えるねえ」 そう語りかけながら、私はこの数時間で起こったできごとを、ただ事実として頭の中で反芻した。
冷めていく夫への愛情
きっと離婚するほどのできごとではないと、頭ではわかっている。でも、あの気持ち悪いやり取りを思い出すと理性が吹き飛びそうだった。
康太と生活をこれからもともにするとして、出産はどうしよう。康太は立ち会い出産を心待ちにしていたっけ。 でもあんなものを目にしてしまった以上、もう夫に見ていてほしくない。正直言って、邪魔だ。
「陣痛が来ても、連絡しないで一人で産む」私は車の中でそう決めた。
そして、もう一つ、心の奥底で「もう絶対2人目は欲しくない」と思った。彼とこれからちゃんと夫婦生活ができるかどうかもわからない。それほど今の私は傷ついている。
「ネットでやり取りしたくらいで」「きっとちょっとした出来心だったんだよ」人によってはそう思うような小さなことなのかもしれない。でも、妊娠して彼との子どもをおなかの中で懸命に育てていた私にとって、あの奇行は間違いなく裏切り行為だと思ったのだ。
思考をどうにか整理したくて、私は、SNSを開いた。 そして、今、心の中のもやもやと苛立ち、そしてことの一部始終を入力し始めた。一気に書いて下書きに保存した。もし彼がまた同じようなことをしたら、これを家族や知人にバラしてやりたいと思った。
ただ、今はそのときじゃない。しっかりと法的効力のある「誓約書」を作って、サインさせよう。
それは、彼への最後の警告だ。現段階で離婚しないけど、時が来たらわからない。今、彼への愛は冷めきってしまっているから。
私は「母親」になる
しばらく車の中で1人でいる時間を作ったのは、私が冷静になるためにとても良い選択だったと思う。
今日のところは、とりあえず、もう少し時間をつぶしてから実家に行こう。夫のことは何も言わず、ただゆっくりしたい。
私の心は、もうすでに、昨日までの「新婚の妻」としての自分ではなくなってしまった。 康太への愛はすっかり冷めてしまったが、父親としての責任は果たしてほしい。そして、私は母親になる。その後、再び愛せるかどうかは今後次第で、今はわからない。
私はコンビニで温かい飲み物を買い、ゆっくりと飲んだ。たった一晩で変わってしまった日常だけど、前を向いて自分を大事に生きていきたい。
🔴【第1話から読む】夫が“性欲のままに徘徊”、信じられない裏アカを発見してしまった妻|裏アカ夫への愛が冷めきった日
あとがき :母親としての覚悟
ナツは康太への愛情が完全に冷め切ったことを自覚し、母親としての覚悟を固めました。彼女はもう悲しんだり、迷ったりしていません。出産を間近に控え、子どもにとって最善の選択をするために、冷静に現実と向き合っています。
康太を「夫」としてではなく、「父親」として受け入れると決めたナツ。彼女のこれからを応援したくなるエピソードでした。










