Ⓒママリ
事務職として働くワーママ・あやかは、夫と息子との穏やかな生活に満たされていました。しかし、部署異動で出会った同僚・礼子さんの不倫話に、次第に心をかき乱されていきます。
家族との、穏やかで幸せな日々
私はあやか、28歳。私の日常は、夫の達也と3歳になる長男、ユウシを中心に回っています。
朝はバタバタとユウシを保育園に送り届け、仕事へ。夕方にはまたお迎えに駆けつける、そんな毎日。決して楽ではないけれど、家族との時間は何よりも大切で、充実していると感じていました。
達也も私と同じ年の28歳。彼とは大学時代からの付き合いで、本当に穏やかで優しい人。私の目には、今の生活が完璧とまではいかなくとも、十分幸せなものに映っていたんです。
不穏な同僚との接点は「キャラクターグッズ」
ちょうど1年前、私は社内で部署異動を経験しました。新しい部署での席は窓際で、隣に座っていたのが礼子さん、49歳でした。
最初にお話しするきっかけになったのは、礼子さんのデスクに、ユウシの保育園で流行しているキャラクターグッズが置いてあったんです。ユウシとはいつもそのキャラクターの話ばかりしていたので、思わず
「そのキャラクター、うちの子も大好きですよ」
と声をかけたのは始まりでした。
礼子さんは、ふふっと楽しそうに笑って
「これね、彼が自分の子にあげるためにやったガチャガチャなの。同じのが出ちゃったからもらったのよ」
と、あっけらかんと言ったんです。
私の頭の中は一瞬で「?」でいっぱいになりました。彼?子どもにあげるため?玲子さんには子どもはいませんし、独身と聞いていました。となると、まさか不倫相手…?
でも、会社の同僚に、そんな話をいきなりするなんてありえない。私は信じがたい思いを隠せませんでした。
同僚の不倫話にドン引き
「もしかしたら相手はシングルファザーで、礼子さんは恋愛中なのかも」
礼子さんの話を聞いた後、なんとか頭を整理してそう思うようにしてみました。しかし、あとあと礼子さんが自分で話している内容によると、やっぱり不倫で間違いなさそうです。相手には奥さんがいるのです。
私が何も言えずに聞いているしかないのを「興味を持っている」と勘違いしたのか、その後は礼子さんからの「フリン話」が日常の一部になってしまいました。
ランチタイムには職場で、夜になればLINEで、既婚者アプリで知り合った男性の話や、その男性たちへの愚痴が延々と送られてきます。私の母と歳が近いくらいの人が、こんなにも生々しい話をするなんて、ドン引きしてしまいました。
長文で送られてくるLINEの通知を見るたびに、またか…と、心のどこかでため息をついている自分がいます。確かにストレスに感じていたけれど、職場の同僚であり先輩でもあるので、不満をあらわにすることができないのもつらいところでした―――。
あとがき:突然始まった不倫の話
主人公のあやかは、ごく普通の主婦であり、母親であり、働く女性です。そんな彼女の日常に突然入り込んできたのは、自らの欲望に忠実な「異物」とも言える存在。礼子の言動に戸惑い、苦悩するあやか。なんとなく会話をしただけなのに、なぜかしょっちゅう不倫話をきく羽目になりなす。
その内容に、ストレスを感じるようになるあやか。簡単に距離をとれない関係性だけに、つらい状況であることが伝わりますね。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










