DVから実家に戻ったシングルマザー・みずほ。娘よつばとの生活を支えに、完璧主義の妹・まおの言葉に耐える日々。息苦しい現実に、みずほは光を見出せるのでしょうか。
わが子と逃げてきた実家
「ねぇ、本当にこれでいいのかな」
鏡に映る自分に問いかける。疲れた顔に薄い化粧。これが今の私、みずほ、31歳。隣では、4歳になる娘のよつばが、無邪気な笑顔でパジャマのボタンを掛け違えている。離婚裁判の真っ只中。つい最近まで夫だった人からのDVに耐えかねて、警察沙汰になり、実家に出戻ったシングルマザー予備軍だ。
「ママ、みてー!よつば、じぶんでできたの!」
「すごいね、よつば!でも、反対だよ?」
優しく教えると、よつばは「えへへ」と笑ってやり直す。この笑顔があるから、私はなんとか生きていられる。
妹の言葉がいちいちキツい
実家は、両親と、そして独身の妹まお(26)との3人暮らしだった。その中に入るのは賑やかと言えば聞こえはいいけど、正直、息苦しさが募る日々だった。特にまおの、私やよつばに対する口出しがひどいのだ。
「お姉ちゃん、あんたまた夜更かししてんの?だらしないよ」
夜中にキッチンで水を飲んでいると、背後から突然声がする。まおだ。彼女はいつも、私が何をしているのか、どこから見ているのかと思うほど、的確に、そして遠慮なく指摘してくる。
「まおには関係ないでしょ」
「関係ないわけないじゃん。この家で世話になってるんだから、ちゃんとしてくれないと困るんだよね」
妹に私の言葉は響かない。反論する気力さえ失せていく。
わが子の笑顔が救い
地元には親友もいて、中でも同級生のえりとは仲がいい。でも、実家に戻ってきて感じているストレスについては誰にも話せなかった。いつか、誰かに全部話して発散したい。そんな思いばかりが募っていく。
「ふぅ…」
大きなため息をついて、窓の外を見る。雨上がりの空には、まだ重たい雲が垂れ込めていた。私の心の中みたいに。渦巻く不安は、そう簡単には消えてくれない。このまま、まおと両親の言葉に縛られて実家で暮らし続けるのは難しいと思っていた。
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あとがき:実家に戻って感じる葛藤
みずほが抱える息苦しさ、まおの冷たい言葉、そして娘・よつばの無邪気な笑顔。この章では、彼女が置かれた「家」という名の窮屈な空間を描きました。雨上がりの空に架かった虹は、ささやかな希望の光。この小さな光を頼りに、みずほはこれからどんな一歩を踏み出すのでしょうか。彼女の葛藤はまだ始まったばかりです。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










