🔴【第1話から読む】「世話になってるんだから」実家に戻ったシングルマザーに厳しい妹|出戻りシンママが前を向くまで
よつばが食事中に歌い出したのをきっかけに、妹・まおの心ない言葉が炸れつ。よつばは怯え、みずほは胸を痛める。家族団らんの場は、まおの言葉によって冷えた雰囲気になってしまいます…。
おいしいご飯に喜んだわが子
「おいしいね、ママのごはん!」
愛娘・よつばがにこにこしながら、ハンバーグをほお張る。今日の夕食は、私が作ったハンバーグだ。よつばが好きなものを、少しでも作ってあげたくて。
「本当だね。みずほのハンバーグ、美味しいよ」
父がそう言ってくれるのが救いだった。一方、妹のまおは、スマホをいじりながら、ほとんど口を開かない。そんな食事中、よつばが突然、フォークをマイクに見立てて歌い始めた。4歳児によくある、ご機嫌なときの行動だ。
「よつば、食べるときは踊ったり歌ったりしないんだよ。ごはんだからね」
私が注意すると、よつばは「はーい」と素直に返事をして、歌うのをやめた。これで終わりのはずだった。
まるで言葉の暴力
「本当によつばさー、そんなことしてるの4歳なのに恥ずかしいよ?」
まおがスマホから目を離さずに、追い打ちをかけるように言った。よつばの表情が、一瞬で固まる。私も思わず、箸を持つ手が止まった。
「…まお、もう私が注意したんだから」
私が咎めるように声を出すと、まおは顔を上げて冷たい目で私を見た。
「何?事実じゃん。お姉ちゃんのしつけが甘いからでしょ」
まおの言葉は、まるで私の育児を全否定するかのよう。よつばは、もうすっかり俯いてしまっている。小さな肩が、震えているように見えた。
「こわい…」わが子を守るにはどうしたら…
「こんなことじゃ将来も心配だしさ…」
さらに話を続けようとするまおを、父が遮った。
「まお、もうそのへんにしなさい」
まおは不満そうな表情を浮かべ、またスマホに視線を戻した。食卓の空気は、一気に重くなる。よつばは、もうハンバーグに手をつけようとしなかった。
「よつば、おなかいっぱいだったらお風呂にしようか」
私が言うと、よつばは無言で頷いた。食欲を失わせてしまって申し訳ない気持ちでいっぱいになる。まおの言うことは事実なのかもしれないけど、子どもにとって楽しい食事の時間にあんな言い方をするなんて。おばとして、姪への愛情なんてないんだろうか。
「ママ、まおちゃんこわい…」
お風呂で、よつばが私の背中にしがみつきながら、小さな声で呟いた。その言葉が、私の胸に深く突き刺さった。
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あとがき:凍り付いた食卓
家族そろっての食事は、本来温かい時間であるはずです。しかし、この章では、まおの放つ言葉がその温かさを奪い、食卓の空気を凍てつかせていきました。よつばの「まおちゃんこわい…」という小さな呟きは、みずほの心に深く突き刺さります。この出来事は、みずほがこの状況から一刻も早く抜け出さなければならないと決意する、一つの大きなきっかけとなるでしょう。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










