1. トップ
  2. トレンド・イベント
  3. ブログ・SNS
  4. DV受けた姉に「大げさだよ」人に寄り添えない妹の心がねじれた理由|出戻りシンママが前を向くまで

DV受けた姉に「大げさだよ」人に寄り添えない妹の心がねじれた理由|出戻りシンママが前を向くまで

離婚と向き合い、DVから逃れるように実家へ身を寄せたシングルマザー、みずほ。実家では妹・まおの容赦ない言葉に悩まされます。人の気持ちに寄り添えないまおには、完璧主義にならざるを得なかった過去がありました。『出戻りシンママが前を向くまで』をごらんください。

🔴【第1話から読む】「世話になってるんだから」実家に戻ったシングルマザーに厳しい妹|出戻りシンママが前を向くまで

よつばの習い事について話す中で、再びまおから手厳しい言葉を浴びせられるみずほ。まおの言葉の裏にある、彼女自身の完璧主義な過去が明かされる。

習い事をさせたいだけなのに

不仲 女 PIXTA

「そろそろよつばに習い事させたいと思って…」

リビングで家族が集まっていたとき、私がぽつりと呟いた。よつばももう4歳、何か才能を伸ばせるものがあればと考えていたのだ。

「習い事ね~。まあ、お姉ちゃんの今の稼ぎじゃ厳しいと思うけど」

ソファーでくつろぐまおが、スマホから顔も上げずに言う。その言葉に、カチンとくる。

「まだ転職前だし貯金もこれからだけど、いずれできたらいいと思ってだよ」
「とりあえず転職して給料上げるのが先でしょ。それで小学校2年生くらいにはやらせないとね。中途半端にやったら周りに追いつけなくて落ちこぼれるよ」

確かに、まだ転職も決まっていないし、貯金も心許ないのは事実。でも、何もそこまで言われなくても…。

「お姉ちゃんは視野が狭いから。『やらせたいな』なんて漠然とした考えじゃなくて先のことまで考えなよ」

まおの言葉は、いつも私の核心を突いてくる。いや、核心を突いているように聞こえるだけなのかもしれない。心当たりがあるだけに、余計に胸が締め付けられる。

妹の過去

運動会 PIXTA

まおはどうして、こんなに相手に寄り添えないんだろう。

そんなことを考えていると、ふと過去のことを思い出す。小学生のころ、まおは運動会の徒競走で転んでしまった。そのときは1位を走っていたのに、盛大に転んで最下位になってしまったのだ。泣きじゃくるまおに、父は「詰めが甘いんだよな」とがっかりしていた。母も「残念だったわよね」と言っていた。私はいつも最下位だったから、両親はまおに期待していたんだ。私はその場で「まおは頑張っていたのに」と思ったけれど、両親を前に言えなかった。

また、テストで95点を取ると「あと5点なのに」と悔しそうにしていた。私が80点を取って「まあまあだ」と笑っていると、「お姉ちゃんはそれでいいの?」と真顔で言われた。実際、両親は成績が中の下だった私には「まあ頑張ったんじゃない」と軽くあしらい、まおの成績向上に夢中だった。まおは両親の期待に応えたい気持ちが強すぎて、完璧でないとと思っていたのかもしれない。

だからこそ、失敗を繰り返す私や、欲がない様子のよつばを許せないのかもしれない。

DVを受けて警察を呼ぶのは「大げさ」妹の発言に傷ついた

DV PIXTA

そして、私が夫から暴力を受け、命からがら実家に逃げ帰った、あの日のこと。

「警察呼ぶなんてお姉ちゃんの旦那さんがかわいそ~」

まおは、私が心身ともに傷つき、ボロボロになっている時も、こんな言葉を平気で言い放った。その時の無神経な笑い声が、今でも耳の奥に残っている。

「どういう意味?」

震える声で尋ねた私に、まおは涼しい顔でこう答えた。

「だって、お姉ちゃんから見たら旦那さんが悪者だけどさ、旦那さんにも言い分があったんじゃない?ちゃんと話し合ったの?すぐ警察呼ぶとか、大げさだと思うけど」

その時、私は言葉を失った。まおの言葉は、私の中に残っていた僅かな希望を、容赦なく踏み潰していく。

まおは、私が何も言い返さないと思ってこんなに平気でいられるのだろう。姉妹の中で親に期待されているのはまおで、私は両親にとっての「失敗作」くらいに、まおは思っているのかもしれない。

このままでは、よつばまで私と同じように、自信をなくしてしまうのでは…。そう思うと、居ても立っても居られなくなった。

🔴【続きを読む】「それは良くないよ」DVで実家出戻り、親友に悩みを打ち明けた結果|出戻りシンママが前を向くまで

あらすじ:妹の心に潜む闇

この章では、まおの言葉の背景にある、彼女自身の心の闇に触れました。完璧でなければならないというプレッシャーは、まおが抱えていたコンプレックスだったのかもしれません。姉の失敗を許せないのは、自分自身に課した完璧な世界が壊れるのを恐れているから。彼女の冷たい言葉は、そんな心の悲鳴だったのかもしれないと気づかされます。

※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています

🔴【全話読む】出戻りシンママが前を向くまで

🔴【今読まれています】「まだ反省してないんですか?」警察署でもドン引き|息子を甘やかしすぎた トンデモ一家の末路

おすすめ記事

「小説」 についてもっと詳しく知る

本記事は必ずしも各読者の状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて、医師その他の専門家に相談するなどご自身の責任と判断により適切に対応くださいますようお願いいたします。なお、記事内の写真・動画は編集部にて撮影したもの、または掲載許可をいただいたものです。

カテゴリー一覧

ブログ・SNSの人気記事